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4436号 2026年4月18日

宮崎のばあちゃんが旅立ちました

(本日のお話 1944字/読了時間4分)

■こんにちは。紀藤です。

今朝方、幼き頃からお世話になっていた宮崎の祖母が旅立ちました。

先週、「終末期医療に移行した」と聞いて、仕事後に東京から宮崎へ行き、無事ばあちゃんに無事会うことができました。孫たちも会いに来て、一通りの面会を終えた翌日、きっぱりとこの世に分かれを告げたのが、なんともばあちゃんらしいです。

改めて振り返ると、宮崎は、自分の第二の故郷であり、宮崎の祖母、そして、祖父は自分の誇りでした。そして自分を確かに形作った存在だと思い返しています。今日は個人的な話となりますが、祖母との思い出について書いてみたいと思います。

■夏の思い出は宮崎とともに

小学校から中学校の夏休みは、いつも宮崎のばあちゃんの家に行っていました。ANAの株主優待券をもらって、父母と4人で、宮崎に行くのが、毎年の楽しみでした。

宮崎の市街地の真ん中にある、橘通り。そこにある『四海楼』という4階建ての中華料理屋が、祖父母の家でした。華僑として、曽祖父の時代に日本に来て、そこから中華料理店を祖父母で経営。

昭和末までは、まだまだ宴会も多く、4階にある自宅スペースに非常階段で上っていく中で、宴会の声が賑やかに聞こえているのを覚えています。

私が幼少期だったそのころ、宮崎の自宅直通の電話に、頻繁に予約の問い合わせが入っていました。電話を取る係がばあちゃん。「うちの料理は900円以上はありませんからねえ!」と料理がリーズナブルであることをアピールしていたのが、なんとなく印象に残っています。

■伝説のソウルフード『四海楼』を経営していた

さて、宮崎のB級グルメとして昭和~平成に生きた宮崎市民には知られていた『四海楼』なるお店を経営していたのが祖父母でした。先述した通り、華僑として曽祖父の時代に日本にやってきて、様々な苦労があったことも聞いています。

しかし、「値上げは絶対にしない」という信念で、平成の時代になっても「ラーメン1杯100円」「焼きそば60円」など、とんでもない価格で売っていたのが、面白さと尊敬が入り混じった凄みを感じていました。

私の大学は福岡だったのですが、宮崎出身の後輩に会うと、「四海楼!知っているよ!100円ラーメンのお店ですよね」と言われたのが誇りであり、宮崎の街を歩いていても、四海楼やばあちゃんはそれなりに有名人だったような印象がありました。

たくさんの方が、『四海楼』のことを記事にしてくれていて、まるで自分のことのように嬉しくなります。そして、それを支えていたのが、ばあちゃんでありました。

■「ティッシュ1枚で3回鼻をかめ」

幼少期に投げかけられた言葉は、自分の中に残っているものです。

ばあちゃんは貧しかった、服もなかった等々よく言っていた印象があり、「節約すること」の大切さをしきりに話をしていました。

「鼻水をかむときは、ティッシュの隅っこでかむんだよ。折りたたんだら、もう2回目も噛める。更に折りたためば、更に3回目もかめるやろ」

正直、鼻炎だった自分からすると、1回でビシャビシャになっており、現実的ではなかったのですが、そうした節約魂みたいなものは、いまだ印象に残っています。

また、小さい頃は「30cm定規で母親をぶっ叩いていた」という震えるような逸話を聞かされており、そこにビビっている自分もいました。身内であるときは、すごく頼もしくて力強い。でも、敵に回したら、めっちゃ怖そうだな…と思ってもいました。それくらい、生命力溢れているパワフルな人でした。

■人生の四季を感じる

大学の頃、一度だけ、後輩を連れて宮崎の家に遊びに行きました。

そこで、ばあちゃんは、その頃はもう使われなくなっていた宴会場を開いてくれて、ビールや唐揚げをたくさん用意してくれました。静かに立っていて、料理を出してくれていたばあちゃんが、頭の中に残っています。

ちなみに、ばあちゃんはよく「4階建ての階段を毎日何回も昇り降りしているから健脚である」ことを誇っていました。なので、自分の頭の中には、逞しいイメージが常に残っていました。

それでも、やはり歳を重ねるごとに脚は細くなり、夏が秋になり、葉を落としていくように、少しずつばあちゃんのエネルギーも小さくなっていきました。老人施設に入ってからは、特にその勢いは早くなっていて、その姿から人生の四季のようなものと、少しの寂しさを感じたものでした。

悲しいというよりも、改めて「自分の人生の一部をつくってくれた人」でもあること、そしてそれらが繋がっていることを、振り返って感じます。

自分も、そんな風に誰かの記憶に残れるような生き方をしていきたいものだ、月並みですが、そんなことをささやかに思った次第です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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