勝負は本番ではなく「そこまで何を積み重ねたか」にある ―野辺山ウルトラマラソン8回目の挑戦から学んだこと―
(本日のお話 2432字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤 康行です。
昨日、第8回目となる「野辺山ウルトラマラソン」に参加してきました。
当日の最高気温は25度。
例年と比べても特に暑い1日となり、全体約2,700人中の完走率はおよそ57%。
率初に言ってかなり厳しいコンディションでした。
8回目ともなると、ある程度の経験値は積んでいます。
それでも、毎回走るたびに、「なぜ自分は参加しているのだろう…」と思う瞬間が何度も訪れる。
足を止めたくなる衝動。
自分に負けてしまいそうな感覚。
そんな気持ちの中で何度も何度も揺れながら、向き合いながら、それでも前に進んでいる旅路を、毎年重ねています。
そして、今年もやっぱり、そうでした。
今日は、そんな100kmの旅路で考えていたこと、そしてウルトラマラソンが人生に教えてくれることについて、振り返りも含めて書いてみたいと思います。
それでは、どうぞ!
■100kmは、約半日かけて走る旅である
よく聞かれるのは、「100kmマラソンって、どれくらいかけて走るんですか?」という質問です。
100kmマラソンといえば、24時間テレビを思い浮かべる方も多いかもしれません。
ところが実際のウルトラマラソンは、制限時間が14時間であることが多く、だいたい「半日ちょっと」で完走されます。
野辺山はハードなコースなので、完走率は50~70%。
特に速い上位3%の人は、10時間以内で完走します。
参加者の層も特徴的で、40〜50代がボリュームゾーン。20代前半はほとんど見かけません。
おそらく体の構造として、若い頃に優位な瞬発力や筋力よりも、年を重ねることで伸びる持久力の方が活きるスポーツなのでしょう。年齢を重ねてもいくらでも成長できる。
それがマラソンの、ひとつの魅力でもあります。
■自己ベストを超える!8回目のウルトラマラソンの挑戦
回の私のテーマは、「自己ベストの更新」でした。
過去の自己ベストが11時間38分。
それを塗り替え、最低でも自己ベストはクリアする。
そして調子が良ければ「サブ11(11時間以内)」。これを裏目標として掲げてスタートラインに立ちました。
このコースの難所は、70〜75km付近にある「馬越峠」です。
「馬で越える峠」と書くそのエリアや、疲れ果てた足で一気に700mほどの山を登っていかなければならない場所です。
足が重く、歩きたくなる衝動に何度も駆られながら、それでもひたすら足を動かし続けようともがき、戦うその時間こそが、ウルトラマラソンの精神的な核心だと、私はいつも感じています。
今回も途中、予想外のトラブルがありました。
新調した靴の結び方が緩かったせいで爪が圧迫され、親指の付け根強い痛みが走り、痛み止めを飲みながらだましだまし走ったこと。
また、暑さで体が動かなくなる感覚もありました。
70km地点の馬越峠の上り坂では、周囲のランナーが次々と歩くなか、「自分も歩いてしまおうか」という考えが何度も頭をよぎりましたし、80km、90kmと距離が増すごとに、その誘惑はさらに強くなっていきました。
「絶対歩かない」。
「もし立ち止まっても2秒以内に走り始める」。
そう自分に言い聞かせる時間が続きました。
■「どこまで目指すのか」という自分との対話
そうして、80km、90kmと距離を重ねてくると、自己ベスト更新だけでなく、裏目標の「サブ11」にも手が届きそうなことがわかってきました。
サブ11、つまり11時間以内での完走は、約2,000人の参加者の中でおよそ上位7%以内に相当します。自分にとって、本当に過去最高と呼べる結果です。
ところが、そこから先、もう少しタイムを縮めようと考えた瞬間に、弱い声が聞こえてくるのです。
「あと1分2分縮めたところで、大して変わらない」
「ここから歩いたって、サブ11は達成できる」。
自分が掲げた目標をさらに超えていくのか、それとも今のしんどさに負けて惰性で流れていくのか。
走り終わった後に後悔したくないという気持ちと、今すぐ楽になりたいという気持ちが、ずっと綱引きをしている。
そして、望ましい自分が勝てるように、自分を仕向けようと頑張る。
それが、ウルトラマラソンの旅路で常に自分の内側に起きていることであり、精神的な戦いであると感じました。
しんどくなり、弱い声が勝ちそうになる時、やることはひとつです。
足の接地のリズムだけにフォーカスする。
真下に着地して、地面からの反発をもらうことだけに集中する。
呼吸と足のリズム、ただそれだけに意識を絞ることで、色んな雑念を忘れるのです。
まさに瞑想のごとしです。
■まとめ:その日まで、何をしてきたか
そして、最終的な結果は「10時間38分」で完走しました。
過去の自己ベストから実に1時間、大幅な更新での完走となりました。
順位もこれからですが、100位くらい/2000名中ではないかと思います。
走り終えて改めて感じたのは、「この半年間でフルマラソンのサブスリーを目指して積み重ねてきた練習が、確かに自分の走力」に変わっていたということ。
書いてみたのは、負けそうになる自分の内面の話ですが、この結果に繋がったのは、
「本番までに何をどう積み重ねてきたか」に尽きる
ということです。
精神的な粘り強さはそこに一歩を添えるものだけれど、土台はやはり、日々の継続の中にある。
そう思うと、仕事でも、人間関係でも、何か結果を出したいと思う時、その瞬間の粘り強さも大切だけれど、もっと根本的なところで問われるのは、
「淡々と、積み重ね続けてきたかどうか」のように思えてなりません。
本番ではなく、本番に向けて何をしてきたのか。
そして積み上げたものを、当日いかに発揮するかという気持ち。
あらためてそれを学んだ、野辺山ウルトラマラソンの旅でした。
あと2回で10回完走。
来年も、再来年も、まずはそこまで、積み重ね続けていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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