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782号 2016年4月5日

ブロークンウィンドウの法則

(今日のお話 2339文字/読了時間2分半)
■おはようございます。紀藤です。

昨日は新入社員研修「ディスカバリー」の立会い。

100人を超える新入社員の方にお会いして、
フレッシュな気持ちと共に、
最近の若い人たちの能力の高さに驚いていました。

何十人もの前で、
堂々と自分の意見をプレゼンしたり、

自分で調べた情報を元に、
「電力自由化に伴ってビジネスがどうなるか」
などを判りやすく説明したり。

はたまた全員TOEIC800以上で、
知的レベルの高いディスカッションを繰り広げたり。

その聡明さと柔軟性に、
自分の新人時代と比べて、
その優秀さにショックを受けてしまいました。

(私の新卒時代は、”野菜炒めを早く作る”ことを
 誇らしく思っていたくらいでした 汗)

こういった人たちが、
どんどん後ろから追いかけてくると思うと、
うかうかしていられないな、

と気が引き締まる思いです。

若いモンに負けないよう、がんばろう。



さて、本日のお話です。

実は最近、少し生活のリズムが崩れており、
いかんなあと感じておりました。

その理由を考えたときに、

「ブロークンウィンドウ理論」

という話を思い出すと共に、
上記にまつわる、とある教訓を感じました。

今日は、

「規律を保つ」

というテーマで、私の自戒と共に、
気づきを共有させていただきたいと思います。

それでは、どうぞ。

■先日のある夜の話。

ジムで10キロ走って、汗をかき、
シャワーを浴びて家に帰っていたときのこと。

颯爽と自転車に乗って、
気持ちよく夜風を掻き分けていたとき、
ふと私のポケットから「iPhone」が落ちました。

「あっ!」

と思ったのも束の間。

iPhoneが、コンクリートに
叩きつけられる音が聞こえました。

しかも、落ちたiPhoneを、
なんと自慢のシティバイク(マウンテンバイク型のゴツい自転車)の後輪で、
思い切り踏み潰すという痛恨のコンボ。

地面に叩きつけられ、
持ち主に無残にも轢き潰されたiPhoneは、
画面がビキビキに割れてしまいました。
(まあ、当然ですね 汗)


■そして、それからしばらく、

”画面が割れたiPhone”

を使っていたのですが、
最近、ふとしたことに気が付きました。

それは、

「部屋がやたら汚くなっている」
  &
「習慣だった”鞄磨き”をやらなくなった」

ということ(!)でした。

(あれ、最近なんだか、
 生活の規律が乱れている?)
(なぜだろう?いつから?)

そんなことを考えたときに、
ふと、先ほどの

”割れた画面のiPhone”

の出来事が思い浮かんだのです。

一見関係なさそうなこの出来事。
しかし、感覚的に、

「実はこの割れたiPhoneが
 生活リズムを崩す、問題の一因になっているのではないか」

と、ふと思ったのです。


■環境犯罪学と言われる学問の中で、
こんな理論があるのをご存知でしょうか。

それは、

『ブロークンウィンドウの法則』

と呼ばれる理論。

アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリングが考案し、

「建物の窓が壊れているのを放置すると、
 誰も注意を払っていないという象徴になり、
 やがて他の窓もまもなく全て壊される」

という理屈から、

”些細な犯罪、軽微な犯罪こそ取り締まることでこそ、治安が維持される”

とした証明した理論です。

2000年代ニューヨークの地下鉄は、
犯罪の温床だったのですが、地下鉄内の落書きを徹底的に消すことで、
犯罪が激減したそうです。

また、ディズニーランドも、
ゴミが少しでも落ちたら、スイーパーが
陽気に踊りながら、すぐさま片付けてしまいます。

だから、ポイ捨てもなく、
あれだけ人がいても、常に綺麗な状態が保たれる。

これも、『ブロークンウィンドウの法則』を活用した
一つの例だといえるでしょう。


■と、少し話がそれましたが、
本題に戻します。

先ほど私は、

“「割れたiPhoneが生活リズムを乱した」と感じた”

とお伝えしましたが、
それがまさしく、この

『ブロークンウィンドウの法則』

で言われる影響があったのではないか、
そのように感じたのです。

今まで私は、

・毎週末、カバンを磨いたり、
・たまった部屋の片づけをしたり、
・手帳の中身の整理をしたり、

ということをルーティンとしていました。

でも、割れたiPhoneが目に入ると、
常に「壊れた所有物」が視界に入ります。

すると、無意識かもしれませんが、
影響を受けるように感じるのです。

「まあ、他のもそんなに綺麗にしなくていっか」
と。

バキバキに割れた醜いiPhoneがある。
それによって、”なし崩し”的に、
他の生活のモラルが下がっていく。

「ちょっとくらい、カバンが傷ついていてもいいか」
「机が汚くても、まあ、いいや」
「手帳、今日書かなくても、別にいいか」

そんなイメージです。

一つが、なあなあになると、
ドミノ倒しのように、連鎖的に他に悪影響を与えてしまう。

そんな負の螺旋階段のよう。


■規律を守り、モラルを高めることは大変です。

しかし、規律を破り、
怠惰の道に堕ちていくことは本当に容易い。

しかも、ほんの些細なことで、
せっかく気づきあげた「良習慣」も、
あっという間に、水泡に帰してしまいます。

私の壊れたiPhoneも、
“たかだかその程度”だったかもしれません。

でも、そんな”たかだかその程度”のことが、
私の生活リズムに与えた、

そのようにも感じるのです。

「ブロークンウィンドウ」を放置すると、
なし崩し的に、規律が失われていきます。

そして、「これくらいいっか」、が
「もうちょっといっか」になり
「いやいや、もっといけるか」になり、そして
「もう、どうでもいいや」になる。

雪ダルマ式に、規律が失われ、元に戻れなくなる。
最悪の場合、そんな事だって起こりうるのでしょう。

だからこそ、

【小さなブロークンウィンドウを放置しない】

すなわち、

『日常に起こる、小さな穴、
 小さなヒビこそ、放置せず、すぐ改善する』。

この心がけをもち続けることが、
規律ある充実した日々を過ごすために、
大変重要なことではなかろうか、

そのように感じた次第です。

ブロークンウィンドウを放置しまくっていた
最近の私に、強い自戒をこめて。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今日も皆様にとって、素晴らしい1日となりますように。

【本日の名言】 「そのうちやる」という名の通りを歩いて行き、
行き着くところは、
「何もしない」という名札のかかった家である。

セルバンデス

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