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765号 2016年3月19日

冷たい夜と闇の濃さのなかにこそ、朝顔は咲く

(今日のお話 1386文字/読了時間1分)
■こんにちは。紀藤です。

金曜日は3件のアポイント。

ならびに夜はいつも
お世話になっているお客様(?)と飲み会でした。

はしゃぎすぎたのか、
昨晩、夜中から高熱にやられ、
スクールのコーチとのテニスの予定をキャンセルし、
今の今まで昏々と眠り続けていました。

たっぷり汗をかき、やや復活し、
今更ながら机に向かった次第。
(こんな夜分に配信、スミマセン)



さて、本日のお話です。

とある社長に進められた本
『大河の一滴』(著:五木寛之)を読み、
納得させられたお話がありましたので、

本日はその内容を、皆様にも共有したいと思います。

それでは、どうぞ。

■『大河の一滴』の著者の五木寛之氏は、
1932年生まれ。

朝鮮にて敗戦を経験し、
たくさんの人の死と犠牲の上に、
外地から日本へと、生き延びて帰ってきた、

そんな経験をしている方です。

がゆえが、彼の人生観は、

「プラス思考であれ」

とよく色々な学者・識者が言えども、
脳科学的にそうであると言えども、
そう思い切れないケースだってあるのではないか、
それが自分の根底にある、

とその著書にて述べていました。


■確かに、これは
「どうプラスに捕らえればいいのか?」
と思わざるを得ない出来事、
世の中にはたくさん、たくさんあります。

たまたま自分は経験していなくとも、
外を見渡してみれば、絶望的、とも言えることが
実際に存在しているわけです。

例えば、

子供から殴られ続けて、カウンセラーから
「とにかく耐えて我慢しなさい。それも愛情です」と言われた父親。

涙を流しながら耐えた父は結局、
金属バットで息子を殴り殺してしまうという事件。

この父親は、このきっかけになった
「息子の暴力」をどう”プラス思考”で捉えればよいのか。

はたまた、最愛の妻を
理不尽な事件に巻き込まれ、亡くしてしまった夫は、
その事件を、どうプラスに捉えればよいのか。

自然災害で、抗うこともできず、
最愛の人をたくさんなくした方も、
そうなのだと思います。

私は、今まで幸いにも、
何とかプラスに捉えられる出来事の中で生きてきましたが、

こういったことが現実としてある、
ということは理解できます。


■そして、先述の
五木寛之氏はこのように言うわけです。

『現実にはプラス思考だけでは救われない世界がある。

 そして、じつはプラス思考と対をなして、
 大きなマイナス思考という重要な世界がある。

 そのマイナス思考のどん底のなかからしか、
 本当のプラス思考はつかめないのではないか。』
と。

しばしば言われますが、

本当の”心の痛み”を知った人だけが、
対となる”優しさ”を知ることができる。

本当に”強さ”を知った人だけが、
対となる”弱さ”を知ることができる。

そして、同様に
この世の”絶望”とも言える世界を体験した人だからこそ、
”幸せ”が何たるかを語ることができる。

「”闇”を知るからこそ、”光”の素晴らしさがわかる」

これがもしかすると、
『真のプラス思考』を目指す上で、
大切な考え方なのかもしれません。


■こんな言葉があります。

【冷たい夜と闇の濃さのなかにこそ、朝顔は咲く】。

きっと今この瞬間、

何かしらの辛い気持ち、
どうしようもないと感じる気持ち、
プラスに考えようと思ってもできない、

そんな状態に置かれている人も、
いるのだと思います。

しかし、そんな自分だからこそ、

闇を知る自分だからこそ、光を知ることができる。

そう思うことで、

少しだけ今の自分の状態を、どう見るかも
変えられることがあるのかもしれません。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今日も、皆様にとって素晴らしい1日になりますように。

【本日の名言】 人間は常に時間が足りないとこぼしながら、
まるで時間が無限にあるかのように振る舞う。

ルキウス・アンナエウス・セネカ

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