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1386号 2017年11月30日

「欠乏」マネジメント

(本日のお話 1754文字/読了時間2分)
■おはようございます。紀藤です。

昨日は3件のアポイント。

夜は、少し早く帰ることができため、
体を動かしたくなり、テニススクールへ。
やはり、運動すると元気になります。

体と心は繋がっているな、と運動するたび思います。



さて、本日のお話です。

先日、テレビで”教育経済学者”と称される、
中室牧子教授がある番組に出演されていました。


(ちなみに中室牧子氏は、
 『「学力」の経済学』
 という、20万部以上売れたベストセラーを書かれました。

 この本も非常に「なるほど!」と思わされます。
 特にお父さんお母さんには、ご一読をお勧めいたします。)


そんな中室氏が、

”「欠乏」の経済学”

なる話がされており、
その話が大変納得するものでした。

現代の私たちに必要な話だな、とも感じたので、
皆様にご共有させていただきたいと思います。


タイトルは、


【「欠乏」マネジメント】。


それでは、どうぞ。

■「欠乏」。

あまりプラスのイメージない、この言葉。

しかし、経済学的に言えば、この
”「欠乏」が生み出すメリット”
なるものが、証明されているそうです。


そのメリットとは、一言で言えば、

『集中ボーナス』

である、とのこと。


読んで字のごとく、
”「集中」することで「ボーナス(=高い成果)」を生み出せる”
ということです。



「足りない」状態は、
すべからく集中力を生み出します。

例えば、

・締め切りまで、時間が「ない」

・使えるお金が、これしか「ない」

・最後の試合、あとシュート一本しかうて「ない」



こういった状態は、
「それしか見えない」という、
”他を一切排除した集中モード”に、
没入させる作用があることがわかっています。



だから、ある意味、

「”欠乏”があることで、
 通常よりも、高いパフォーマンスを出せる。
 では、”欠乏”を歓迎すればよいじゃないか」

とも思えるわけです。


締め切りをじゃんじゃん作って、
時間を、お金を、チャンスをどんどん限定して、
意図的に「欠乏」状態を作れば良い。


そうすれば、

”「欠乏」によって高いパフォーマンス」
 を生み出せる。ラッキー!”

となる。

これもまた一つの答えです。


■しかし、話には続きがあります。


この「欠乏」による
『集中ボーナス』は、
”代償”も同時に生み出すのです。


それは、

「目の前のことだけに集中すると、
 ”それ以外のことが、全く疎かになる”」

ことが、すべからく起こる、ということ。

例えば、
”今の仕事で締め切りまで時間が”ない”。とします。

つまり、「欠乏」状態です。

このときには『集中ボーナス』働き、
ものすごい集中力で、仕事を進めることができます。


しかし、この『集中ボーナス』を多用すると、
そのことしか見えなくなる。

だから、例えば、

・友人との人間関係
・家族との時間
・自らの健康
・新しい学びのための投資の時間



などが、必ず疎かになる。


そして、そんな「集中」状態にハマリ続け、
1年も2年も、ある時、妻(夫)が、

「あなたは私と子供のことを、全然考えていない。
 もう、耐えられない」

みたいな話になったり、

「何だか体がだるいと思ったら、
 体に重大な病が見つかった(健康診断を怠っていた)」

というような話になったり・

そんなことが、
起こってしまったりする。


■緊急なことに対処し、
そのことに没頭しているときは、
ある意味、気持ちがいいものです。

まるでジェットコースターのような、
興奮と、集中力と、充実感などを
覚えることができるもの。


しかし、目の前の出てきた、
モグラしか見えない状態が続くと、
やはり成果は限定的になるとも感じます。


高い成果を”出し続けよう”とするのであれば、
没頭するだけでなく、広く俯瞰する目も必要です。


そしてそのためには、

『緊急じゃないけど、重要なこと』(=第二領域)

を意識し、時間を使うことが必要です。


「欠乏」を感じ、
仕事に没頭する時期も大事だけれど、

・友人との人間関係
・家族との信頼関係
・健康のメンテナンス
・より高い視野を持つための学習

これらも、とても大事だと思うのです。

このバランスがあってこそ、
人は、人らしく生きていける、

私はそう思います。


■バランスが大事です。


「欠乏」が生み出す、
集中力(メリット)。

「欠乏」が生み出す、視野狭窄とも言える、
”それしか見えない”症候群(デメリット)。


それらの、メリット、デメリットを把握した上で、


”【「欠乏」マネジメント】を心がける”


こと、このジェットコースターのような
スピードの速い現代だからこそ大切な考えだと、
改めて思う次第です。

【本日の名言】 自己を失うという最大の危機が、
世間ではまるでなにごともないかのように
静かに行われる。

セーレン・キェルケゴール”

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