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1014号 2016年11月23日

「思考停止ワード」の罠

(本日のお話/2332文字 読了時間2分半)
■こんばんは。紀藤です。

昨日は、「7つの習慣」フォローアップ研修ということで、
3時間でのカスタマイズの研修を実施させていただきました。

「7つの習慣」を導入頂いてから、
3年程経つお客様なのですが、
少しずつ言葉が浸透しているようで、
一人感銘を受けておりました。


「人や組織は簡単には変わらない」

などと悲観的に言われることもありますが、
同時に、

「人や組織は簡単に変わらない
 でも、時間と労力を覚悟すれば、必ず変わりうる」

ということを、
改めて確信いたしました。

(ご参加頂いた、A社の皆さま、ありがとうございました!
 引き続き、よろしくお願いいたします。)


またその後、夜は、
社内の歓送迎会など。



さて、本日のお話です

最近、近現代史を、
少しずつ勉強しています。

そして、日本もそうですが、
今までの中国とか、ロシアとか、
アメリカなどなど、歴史を知って気付くのが、
いつの時代も、

”一般大衆の意識の集まり”

で歴史は変わってきたんだな、
と気が付きます。


今回のトランプ大統領の当選も、

「こんな貧富の差が開いたアメリカに誰がした!
 我慢できん、トランプさん、ぶっ壊してくれ」

というような”意識の集合”があったのではないか、
と推察しております。



さて、こんなことを考えている時に、
私が新入社員で入社した会社の、
「ある経験」を思い出しました。

今日はその体験の共有とともに、


「思考停止ワードに気をつける」


というテーマで、
一つ、教訓を感じることを
ご共有させて頂きたいと思います。

それでは、どうぞ。

■私の社会人1年目は、

”某飲食業界”

に入社いたしました。

今でこそ、色々な業種に手を拡げていますが、
当時は居酒屋が中心だった会社です。

そこで「店長候補」として、
入社をしたわけです。


私が入社をした理由は、
その”会社の考え方”に惹かれたから。
(まあ、よくあるケースですね。)


そしてこの会社で、
皆が声を揃えて言っていたのが、


『人は成長するために生まれてきた。
 仕事においては、成長を求めよ』


このような話でした。


確かに、素晴らしい話で、
否定のしようもないいい言葉です。

そして当時、新入社員だった私は、
その話を純粋に受け止めていたし、
そう思うべし、と日々邁進していました。

当然、同僚も店長も、
皆そう思っていたと思います。

この事自体は、何ら問題はないように思えます。


■しかし、
敢えて問題があったと考えるならば、

全てのこと、
あらゆることに対して、


『成長が大事』


という一言で
片付けられてしまっていたことではないか、

今振り返り、
そのように思うのです。


例えば、
こんなことがありました。

仕事をする中で、

お店の人が足りない、
もう3日寝てない、
もう身も心もボロボロだ、

そんな状況でも

「これは成長のチャンスなんだよ!」

と、熱くマネージャーから語られると、
何だかそんな気がしてきて、

「はい、頑張ります。」

となってしまう。


店のそもそもの体制、
仕組みが整っておらず、
必然的に1日18時間労働が普通になっている。

問題なのは「制度」であることは
火を見るよりも明らか。

そんな中で、店長が言うのです。


「僕ら、こんなに働いているんだ。
 普通の人の、3倍働いている。
 だから、”成長”できないはずはないよね!

 そう思うだろ、紀藤くん?」



そして、この空気は、
当時、会社全体に蔓延していました。

だから、新卒の採用を300人して、
1年後に100人以上辞めたり、

または辛い仕事の現状に耐えられず、
急に姿をくらます、「バックれ」なるものが、
多発したりしていたのでした。

そして、最終的には、
最悪の事態も起こることになりました。


■もう一度繰り返しますが、

「成長を求める」

この事自体は、大賛成です。

弁護するわけでもないですが、
私が働いていた先述の会社も、
素晴らしい会社だと今でも思っています。
(まあ、大変でしたが)


ただ、

『成長を求める』

という、
正しく、否定のしようもない言葉を
上司、スーパーバイザー、社長から、
言われた瞬間に、


【思考停止になってしまう】

(=「そうだよね」とそれ以上考えなくなる。
   ただ受け入れるだけになる)


このことが問題ではないかと思ったのです。


■「成長」「平和」「利他」。

否定できない、受け止めたくなる、
これらの言葉は、崇高な原則です。

と同時に、がゆえに、


『思考停止ワード』


にもなってしまうのではないか、
そう思うのです。



冒頭に、これまでの歴史は、

”一般大衆の意識の集合”

で成り立ってきた、
などという話をしました。


よく政治の世界では、

「自由を奪うな!」
「偉大な国をもう一度!」
「悪には正義を示さなければならない!」

そんな言葉を掲げられ、

「そうだ!そうだ!」

と皆が同意し、高揚する様子を
ニュースなどで見ます。


本当に考え抜いて、
いくつもの背景情報を知った上で、
同意するなら良いと思います。

ですが、

”否定ができない、賛同しないとダメ”

みたいな空気感だけ感じて、

”否定しない”
”問題と思わない”

という状態が続けてしまったら、
意識せずともあらぬ方向に進んでしまったり、
または本質的な問題を解決できなかったりする、

そんなことも起こりうるのでしょう。


■自分が何となく、
賛成・反対していること。

でも、自分に

「なぜそう思うのか?」

と問いかけたときに、
その答えが明確にでず、

「なんとなくそう思うから」

となっているとしたら、


【「思考停止ワード」の罠】


に嵌っている可能性があります。


世の中を正しくみて、
変な方向にそれないためにも、
『思考停止ワード』に十分注意したいものですね。


最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今日も皆さまにとって素晴らしい1日になりますように。

【本日の名言】 理性、判断力はゆっくりと歩いてくるが、
偏見は群れをなして走ってくる。

ジャン=ジャック・ルソー”

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