メールマガジン バックナンバー

277号 2014年4月23日

「深いコミュニケーション」を邪魔するもの 

■おはようございます。紀藤です。

つくづく思いますが、
コミュニケーションとは、
本当に難しいですね。

コミュニケーション、と一言でいっても、
話す、聞く、プレゼンする、などありますが、

今日は「聞く」というテーマについて
考えてみたいと思います。

■よく、コミュニケーションの研修などでは、

【傾聴のコミュニケーション】

が大事だ、
と言われます。

そして傾聴のコミュニケーション
のために必要なのが、

・目を見てうなずく
・相手の話を繰り返す
・相手の話を言い換える
・笑顔で接する
・ミラーリングをする(相手と同じ動作をする)

というスキルで、
このスキルを大切にすることで、
傾聴が可能になる、
このような話は、
様々な書籍・研修でも多く語られており、
ある意味、

「傾聴コミュニケーションのスタンダード」

になっています。


■しかしながら、
そんな「スキル」以外にも

”非常に大切なこと”

があると感じます。

それは、

【エゴを捨てる】

ということ。

「傾聴のスキル」を知っていても、
悲しいかな、実際の現場では、
実はなかなか活用できません。

それはなぜか。

それが先ほどご紹介した

「エゴ」

に一つの原因があるのではないか、
と思うのです。


■例えば、ある上司がいるとします。

彼の部下が同じ失敗をしたとき、

(心の声)
『ほら!だから、前にもいったじゃないか!
 俺が言う事を聞いていればこうはならなかったのに・・・』

というような、

”言いたい!という「心の声」”(=エゴ)
が、彼には自然と湧き上がってくるでしょう。

それは、

「自分の意見が正しかった」
「言う通りにしていればよかったのに」
「自分のアドバイスを聞かなかったから・・・」

という、誰しもに起こりうる気持ちです。

しかしながら、
目的は、

「相手の話を聞く」
(そしてその結果、悩みを解決する、問題を解消する、信頼関係をつくるなど)

であって、決して
「自分の話を主張する」
ことが目的ではありません。


■だから、この時に、
「だから言ったじゃないか(怒)!!」
とならずに、

「『グッ!!』と自分の感情に一時停止」

をして、

「なぜ同じ失敗をしてしまったのか」
「どんな気持ちでいるのか」
「何か相手の力になれないか」

と、相手の立場、気持ちに
寄り添うことができるかどうか、
自分の「言いたい」を抑えて、
相手の言い分を聞けるかどうか、
が試されるわけです。

そのためには、

・相手の力になりたい
・信頼関係を高めたい
・深いコミュニケーションを築きたい

など、自分の中の意図、目的を明確にすること、
そして、

「強い自制心」

を持って話を聞くことが必要とされます。


■「7つの習慣」では、
「第五の習慣 理解してから理解される」を実行するためには、
まず【自立】することが大切である、と言います。

どんな時も「傾聴」が必要とは限りません。

しかし、
相手の話を真剣に聞こうとするには、
自分自身が自立し、
「自制心」をコントロールできる必要がありそうです。

時に感情的になりがちな私も、
自戒として胸にとどめておきたいな、
と思う次第です。


■今日のお話は、

・コミュニケーションは難しい。
 その中で、聞くというスキルについて
 「傾聴のコミュニケーション」が大切だと言われる。
 
・傾聴のコミュニケーションには、代表的なスキルがある。
 しかし、そのスキルをしっていてもそれだけでは
 機能しないこともある。

・それは、「言いたい」と言う「エゴ」が邪魔をするから。

・相手と真のコミュニケーションをするためには、
 そもそもの目的を見失わないことが大切。
 そして、そのためには「自制心」が必要。
 
という内容でした。


今日も皆様にとって素晴らしい一日になりますように。

【本日の名言】 人を説得する最良の方法の一つは
自分の耳を使うこと―
つまり、相手の言うことに耳を傾けるのだ。

             ディーン・ラスク   

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