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241号 2014年3月3日

「原因論」と「目的論」

■おはようございます。紀藤です。

週末は実家に帰省。
ゆっくりと本を読んでいました。

ちなみに本と言えば、
『まんがでわかる7つの習慣』が様々な書店で、
TOP3入りなどと取り上げられており、
発売から間もない中、38万部を突破いたしました。

普通に漫画として読んでも面白いので、
よろしければ、ぜひ。

■さて、私が読んでいたある本は、
「心理学」をテーマにしていた本だったのですが、
読みながらとても考えさせられる内容が満載でした。

今日はその中で、
印象に残った考えについて一つ、
ご共有したいと思います。
(今日は少々小難しい話ですが、
 ご興味ある方、ぜひお目通し下さいませ)


■皆さまは、
「アルフレッド・アドラー」
という方をご存知でしょうか。

ユング、フロイトなど有名な心理学者と
同様に一つの心理学の潮流を作った人物です。

・・・にも関わらず、日本では殆ど無名。

ですが世界では、ユング、フロイト、アドラーで、
心理学会の三大巨頭とされているそうです。

では、彼らの違いは何でしょうか。

私もあまり明るくないのですが、

”ユング・フロイトは「原因論」、
そして、アドラーは「目的論」”

という理論をそれぞれ主張していたそうです。


■わかりづらいですので、
具体的にどういうことか、
よくありそうなシーンで考えてみます。


例えば、ある小学生が
”お腹が痛くて、学校を休む”
というシーン。

「原因論」では

”お腹が痛いから、学校を休む”
という考え方をします。

「お腹が痛い」という原因によって、
「学校を休む」という結果が生まれる。

極端に言ってしまえば、
”学校にいけないのは、お腹が痛いせい”
ということでしょうか。

これが、よくある一般的な考え方だそうで、
「カウンセリング」なども
この見地に立っているそうです。

だから、
この「お腹が痛い」という原因を突き止めて、
解決しましょう、という考え方で治療が進みます。

対してアドラーの「目的論」はどうか。

「目的論」の場合、

”学校を休むために、お腹が痛くなっている”
という考え方をします。

つまり、
”学校に行かない、という「目的」” を達成するために、
”自ら、お腹が痛くなる、という「選択」”
をしている、という理論です。

だから、カウンセリングなどで言われる、
「トラウマ」の存在(つまり原因となった出来事)を
一切否定(!)するのです。

極端に言えば、
”あなたは学校に行けなくなるために、お腹が痛くなっているのですよ”
ということ。

そしてその他の、
赤面症、あがり症、
人前でしゃべれない、怒りっぽい、などなども
全部同じような考え方で説明ができる、
とアドラーは言います。


■私はこの考え方を知って、
正直、ぶったまげました。(失礼)

なぜならば、私は大学の頃、
心理学を学んでいたのですが、
そこでの「当たり前」を真っ向から否定されたわけです。

しかも、実際にお腹が痛くて苦しんでいる人に
「あなたのお腹は、学校に行きたくないあなたが、
 痛くしているんじゃないですか?」
とは私には言えません。(ですよね?)

しかしながら、
「アドラーの目的論」では、
そのような主義・主張から理論を展開しており、
「筋が通った一つの心理学」として体系を確立している。

だから、
「世界の三大巨頭」の一つ、
として認められているわけです。


■何だか難しい話になってしまいましたが、

私がお伝えしたいのが、
私達日本人の多くの考えは、基本的に

【「原因論」が前提となっている】

ということ。

そして、前提となっている考え方(原因論主義)が
私たちの可能性を狭めているのかもしれない、
ということです。

「7つの習慣」では、
自分が当たり前と思っている物の考え方・見方ことを
「パラダイム」と呼んでいますが、
こんな身近な考え方すらも、
「条件付けされた考え方」なのかも知れないのです。

そして、この「原因論」→「目的論」の考え方に変えることで、
「悩みがなくなった」という人が多数存在しているのです。
(私も知れば知るほど、そんな兆候を感じています・・・)

長くなりましたので、
明日に続けたいと思います。
(※この話が好きな方、
 詳細は『アドラー心理学』または
 『嫌われる勇気』という本をご参照ください)


■今日のお話は、

・世界の心理学三大巨頭、と呼ばれる人がいる。
 それは有名な、ユング、フロイト、そしてアドラー。

・そして考え方は2種類あると言われており、
 一つが「原因論」そして、もう一つが「目的論」。
 
・原因論は”お腹が痛いから、学校にいけない”
 目的論は”学校に行きたくないから、お腹が痛い”。
 
・そして私たちの多くは、”原因論”を主流とした考え方であるという。
 カウンセリングなどの考えも原因論が元になっている。
 
・しかし、理論から考えた場合、実は原因論が正しいともいえない。
 つまり、「トラウマは存在しない」「過去の失敗と今の自分は関係ない」
 という理論も筋を通すことができ、かつ世界的に支持もされている。
 
・もし「原因論」(=過去こんな失敗があったから、今の私はこうだ)という
 考えにとらわれて今の可能性を縮めている人がいるとしたら、
 その、そもそもの考え方(パラダイム)を疑ってみることができる。
 
・結果、自分の悩みを打ち崩せたり、可能性を広げることが出来るかもしれない。

という内容でした。


今日も皆様にとって、素晴らしい一日になりますように。

【本日の名言】 自分が多数派の側にいると気付いたら、
もう意見を変えてもいい頃だ。

             マーク・トウェイン 

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