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181号 2013年11月21日

満たされた器に、新しい水を注ぐことはできない

■おはようございます。紀藤です。

いつだったか小さい頃見たアニメで
印象的なシーンをふと思い出しました。

タイトルも詳細も思い出せないのですが、

少年が、老師の下、中国の山奥で修業をしている、
そんな設定だったと思います。

少年が、「最後の秘技」を
老師から伝授してもらおうとするのですが、
老師が突然、険しい顔で言うのです。

老師「お前に、秘技を教えることはできん」

少年「なぜです? 老師!」

(老師がおもむろに器を取り出し、なみなみと水を注ぐ)

老師「見よ。お前は今、この器のようになっておる。
  自身を空にしなければ、秘技を会得することはできんのじゃ」

ここで老師が言いたかったのが、

【今までのやり方に固執をしていたら、
 より良いものを身に付けることはできない】

ということでした。


■実はこのようなシーンは、
私たちの日常でもよく見受けられるように思います。

特に、教育業界においてはそう。

素晴らしい先生が、
物凄くわかりやすく的確な教えを伝えたとしても、

「自分の考えを、ぜったいに変えない!変えてなるものか!!」
と意固地になっている人、いわゆる

「水(自分の考え)で器が溢れている人」
がいるものです。

大体の場合、そういった方には、
どんな最高の教えも、
意味をなさない、ただの呪文にしか映りません。

考えてみれば当然なのですが、
今と別の「結果」を目指すのであれば、「行動」を変えねばなりません。

「行動」を変えるためには、
その行動の基となっている「考え方・見方」を変える必要があります。

自分の「見方」が変わるから、
別の「行動」をすることができ、
そして「結果」が変わる。

だとすると、

「変わりたい、変わりたい」と言いながらも、
自分の「考え方・見方」に固執すれば、
違う結果が望めるはずもありません。

そうすると、

「自分の見方(パラダイム)を変えてみる」

ことが、新しい結果を生み出す、
最初の必要条件になりえる、と言えます。
(これを7つの習慣ではSee-Do-Getサイクルと呼んでいます)


■素晴らしい老師が最後の秘技を、
少年の頭が空になるまで伝えなかったように、

「教育」とは、伝え手と受け手の体制が整った時に、
最も効果を発揮するもの。

私はそう思います。

なみなみと自分の考えで頭の器がいっぱいになっていれば、
新しいことを伝えたとしても、
どんな内容もこぼれて、流れていってしまうのでしょう。

そう考えるのであれば、
素晴らしい教えを伝える先生を探すのは大事ですが、
同時に教わる側も、

【自分の考え以外にも、答えはあるのではないか】

というスタンスをインストールすることが、
教育効果を高める上で大切なのではないかと思います。

それは客観的に自分を見ることができる人間ならば、
誰もができることです。

何かを学ぶときには、
自らの「パラダイム」を意識して変えていきましょう。


■今日のお話は、

・老師が言った。「お前の頭の器は別のことで満たされておる。
 それでは新しい秘技を身に付けることはできん」
 
・教育も同じように、自らの考えを絶対として、
 誰からの言葉も拒否すれば、どんなよい教えも、呪文に成り果てる。
 
・もし違う結果を望むのであれば、その基になっている
 「見方(パラダイム)」を変える必要がある。

・だからこそ、新しい学びを得ようとするときは、
 自らのパラダイムを意識して変えていくことが大切。
 
という内容でした。


今日も皆様にとって良い一日になりますように。

【本日の名言】 私たちはみな、生まれながらにして自覚の才がある。
自分のパラダイムから離れて考えることもできるし、
パラダイムが本当か確かめることもできるし、
客観的に見ることもできるし、合っているか考えることも出来る。
そして必要とあれば、変えこともできるのだ。

          スティーブン・R・コヴィー

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