メールマガジン バックナンバー

107号 2013年8月5日

褒めて、ノセて、アゲる、ラッパーの「レコグニション」の能力

■おはようございます。紀藤です。

この週末に、友人とともに「ロッキン・ジャパン・フェスティバル」という
音楽のイベントにいってきました。

ロッキン・ジャパン・フェスティバルとは、
日本のロック・ポップス・ヒップホップなどのバンドや歌手が出演する
日本最大の野外ロック・フェスティバル。
茨城のひたちなかというところで、5つのステージを野外に設立して、
合計150組以上のアーティストが出演するイベントです。


■ちなみに、私自身は、
まったく「ロック」でもなければ、
音楽がすごく好き、というわけでもなく、
本を愛する、文系出身者です。

今回も友人が皆行くみたいだし、
せっかくだからちょっと覗いてみようかな、
と思って参加した次第です。


■そして、当日朝10:30開園。
第一講演が始まりました。
当然ながら、知らないバンドばかり。

どうやって楽しむものかと思いながら、
とりあえずステージ前で待っていると
「KREVA」というラッパーがステージに登場してきました。

名前は聞いたことありますが、良く知りません。

しかし彼は、さすがラッパーというように、
非常に盛り上げ上手でした。

KREVA「皆、朝からありがとーう!
    皆のペースで楽しんでね。それが一番だからね」
と気遣います。
そして曲&挨拶など。
かといって、特に感銘は受けません。
(ファンの方、ごめんなさい)

そして、MCの時間。

KREVA「ちなみに、これから新曲歌うんだけど、
    みんなで一緒にこの曲つくらない?!」

観客を、惹きつけます。

KREVA「今から、サビのフレーズ歌うから。
    それに合わせて歌ってみて!
    SAY! ナーナーナーナー(みたいな感じ)」

観客「(歌う)」

そしてKREVAさんが一言。

KREVA「エッ・・・?皆この曲知ってるの??」

KREVA「超イイんだけど・・・! 
    いいね!!スゴイよ、皆!!」

と観客のことを褒めまくり。

私も、KREVAさんも新曲も知りませんが、
皆に併せて歌ってみた自分としては、
単純に、何だか嬉しい。

KREVA「・・・でもね。もっと欲しいんだ。
    今バックステージの裏には、たくさんのアーティスト待ってる。
    それで、こう思ってるんだ。
    今日の「ロッキン」はどうだろうって。
     盛り上がっているかな、最高のステージになるかなって。
     それで、判断する一番のことは、
     みんなの 「声」、なんだよね。
     だから、これから、みんなでバックステージ、
     ビビらせてやろうぜ!!」

観客  「ワー(大きな盛り上がり)!!!!!!!」
     (そして、私も…笑)

KREVA 「さあ!! もう一回聞かせて!
     SAY!ナーナーナー!!」

観客   「ナーナーナーナー!!!!!!!」

KREVA「いいね!最高だよ!
    お前ら最高だよ!!!」

・・・以下、そんな流れで続く。


■と、ロッキン・フェスティバルでの印象に残った一場面をご紹介いたしました。

ここで感じたのは、彼のマイクパフォーマンスにはライヴを超えた、

「人をやる気にさせる力」

の秘密があるな、と思いました。

ファンの方には大変失礼ですが、
恐らく皆が皆、彼を知っていて、彼のことが好きな人ではなかったと思います。

ですが、彼のパフォーマンスには力がありました。

そのメカニズムを考えてみたのですが、
もしかすると、こんなサイクルがあったのではないか、と思うのです。

【KREVAのレコグニション(褒める・評価する)・サイクル】

・皆を巻き込む

・褒める

・自己効力感を感じさせる

・やる気になる

・少し高い目標を与える

・達成させ、褒める

このサイクルを高回転で行うことで、
一気に会場の空気を高いものへとジャンプアップしたのかもしれません。


■そして、このことは、
人と人が組織を作る場面においても同じことが言えるのかもしれません。
特に、上司が部下に接するときなどそうでしょう。

どのように褒め、どのようにやる気を出させるか。
どのタイミングで、どのように報奨を与えるか。

身近で、自分に深く関わる人からの
評価や承認効果的に行われれば、
KREVAのライヴ以上に、よりやる気がでることは間違いないでしょう。

であるならば、
「褒めること」「認めること」
という素晴らしい武器の使い方は覚えておいても損はなさそうです。

私達のセミナーでも「キャロット・カルチャー」というものがあり、
そこで「レコグニション(褒めること、認めること)」が、
いかに組織のパフォーマンスに影響を与えるのか、という内容をお伝えしています。

どんな状況であれ、人が人を褒める、認める、
というのは相手に何かしらの影響をもたらすもの。

KREVAの名前の由来は、
「CLEVER(賢い)」だそうですが、
もしかすると知的な彼は、観客の心を読みながら、
敢えてやっていたのかもしれません。

いいステージでした。


■今日のお話は、

・KREVAはマイクパフォーマンスが上手。

・彼のことを知らない人でも上手くやる気にさせる力がある。

・それはもちろん音楽もそうだと思うが、同時に、
 褒める、認める、という皆へのやる気の与え方にも理由があったのではないか。

・人は「認める」「褒める」ことでやる気がでる。

・であるならば、人と関わって働く上でも、生活する上でも、
 適切な方法を学んでおくのは自分自身の効果性を高めることに繋がるのでは。

というお話でした。


今日も皆様にとって、良い一日になりますように。

【本日の名言】 真に幸せになる人は、
他人のために尽くす道を求め、
それを見出した人だけである。

           アルベルト・シュバイツアー

365日日刊。学びと挑戦をするみなさまに、背中を押すメルマガお届け中。

  • 人材育成に関する情報
  • 参考になる本のご紹介
  • 人事交流会などのイベント案内

メルマガを登録する

キーワードから探す
カテゴリーから探す
配信月から探す