メールマガジン バックナンバー

93号 2013年7月16日

「成長のティッピングポイント」が来るまで、我慢我慢

■おはようございます。紀藤です。

少し前から、私の周りで「個人的なチャレンジ」がはやり始めています。

ある友人は、中小企業診断士の資格取得。
ある友人は、ピアノ。
ある友人は、ダイエット。
(そして、私は英語)


■そして、誰しもがいうのが、

「なかなか進歩しない。前に進んでいるように感じられない」

という言葉。
やっているのに、変化感が感じられない。
だから、モチベーションも上がらない。
だから、そのままチャレンジ終了・・・
というようなことも、しばしば耳にします。
(私の今までの軌跡にも数多くの「チャレンジ終了」が横たわっています汗)


■人が何かを学び、新しいことを身に付けるにあたって、
いくつかポイントがありますが、
その代表的な一つが「変化感」だと考えています。

自分が進んでいる感じ。
成長している感覚。

これさえ感じられていれば、
学習は楽しいものですし、継続しやすくもなります。

では、「変化感」とはどうすれば得られるのか。
今日は、そんな話のヒントになる「成長のティッピングポイント」について
お伝えいたします。


■突然ですが、
皆さまは、「ティッピングポイント」という言葉、
聞いたことがありますでしょうか。

こんな意味です(↓)

【ティッピングポイント】(Web辞書より)
物事の流行のプロセスを見ると、
ある一定の閾値を越すと一気に全体にいきわたる状態になることがある。
この閾値をティッピングポイントという。

これはマーケティング分野における「物事の流行」について話をしていますが、
このように、

「あるものが突然一気に変わる」
という現象は、様々なことに当てはまるように思います。

例えば、個体と液体の関係もそうでしょう。
「臨界点」と呼ばれる温度に至ると、
一気に物質の状態が変わっていきますね。

ゲームセンターのメダル落としゲームも、
1、2枚では無理ですが、何十枚か投下すれば、
一気に「じゃらり」と落ちる瞬間が訪れますね。


■そしてこの特徴は、
特に、学習において顕著に表れると思うのです。

何かを身に付けようとする際に、
ある一定量をこなすことで、初めて技能や意識、記憶になどに
「変化感」を感じられる時がやってきます。

仮に「ピアノが弾けるようになりたい」と
ある日突然思ったとして、8時間一気に練習したとします。
でも、恐らく「弾けるようになった感」をすぐに持つことは難しいでしょう。
1か月、半年、どれくらいかはわかりませんが、
相応の練習期間を継続することで、初めて「出来るようになった」と思えるはず。


■何かを身に付けようとするためには、
「しかるべき量」「しかるべき期間」というものがあって、
それを超えたときに、初めて「変化」が起こります。

だからこそ、学習したいこと、身に付けたいことは、
「短期」でなく、「長期の視点」で考える必要があると思うのです。


■そして、これはスポーツでも勉強でもそうですし、
そして、「7つの習慣」を学ぶこと」についても同じではないか、と感じます。

研修をしていて、「7つの習慣セミナー」の内容について、
評価頂けることがありますが、学ばれた方が、

「7つの習慣の内容は、やっぱり大事だよなあ」

と思ったとしても、「しかるべき量」「しかるべき期間」
触れる絶対数があってこそ、本当の意味で自分のものなるはず。


■極端な例ですが、
『7つの習慣』の書籍、500ページの内容を
3分のダイジェストとしてまとめて話したらどうでしょうか。
恐らく、その価値は判らず、「やってみよう」とはならないように思います。

また、「7つの習慣」を知ったものの
その後、二度とその概念を思い出すことがなかったらどうでしょうか。
恐らく、全てが身に付くことはないでしょう。


■このように、人の成長は、
連続した螺旋階段のようになっていて、

「興味がない → 学んでみたい」(=「思考レベルのティッピングポイント」)
「行動できない → 行動できる」(=「行動レベルのティッピングポイント」)
「結果が出ない → 結果が出る」(=「結果レベルのティッピングポイント」)

というように、それぞれのステージで
変化を感じられる「ティッピングポイント」が存在しているのではないでしょうか。


■もちろん、早く結果に繋がるのにこしたことはないですし、
今のように結果をすぐに求められる時代であれば、
尚更あせる気持ちもあると思います。

ですが、
「成長にはティッピングポイントがある」と思い、
短期でなく、中長期の視点で考えることができたら、

「進歩している感じがしない。もうやめよう」

とつい思ってしまう気持ちを、

「続けてみれば、ティッピングポイントが訪れるはず。
 もうちょっと頑張ってみよう」

と置き換えられるのかもしれません。

そしてその結果、「変化の喜び」を感じられるようになれば、
継続のモチベーションが自然と湧き起こり、
スピードが付いた自転車が坂を下りるかのごとく、
自らの成長を加速度的に高めていく、きっかけになり得るのでは、
と思うのです。


■今日のお話は、

・人がチャレンジするにあたって、挫折する理由の一つが、
 「変化感がない」ということ。

・逆に言えば、「変化感」を感じられれば継続できる。

・物事が変化する(変化感を感じる)にあたって、
 「ティッピングポイント」と呼べる閾値が存在する。

・ティッピングポイントに至るまでには、
 「しかるべき量」「しかるべき期間」を費やさなければならない。

・これを無視して学習をすると、変化がない事に焦りを感じ、
 挫折をしやすくなる。不満も起こりやすくなる。

・であるのであれば、何事にも「ティッピングポイントがある」と
 念頭に置いて物事に取り組むことで、我慢して頑張ることが出来る。

・そして、一度「変化の喜び」を感じられれば後は自動的に成長できるのでは。

という内容でした。

【本日の名言】 もっとゆっくり歩きなさい。
やることのすべてをゆっくりやるのだ。

   アーノルド・パーマー(プロゴルファー)

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