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1790号 2019年1月11日

「インサイドアウト型人事」と「アウトサイドイン型人事」、それぞれとお話をしておもう日本企業の課題

(本日のお話 2347字/読了時間3分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は3件のアポイント。
ならびに、3件の個別コーチング。

そして、研修のパートナーの方と、
『ストレングス・ファインダー研修』のバージョンアップについて、
打ち合わせなどでした。

1月は年初からかなり密度が高いスケジュールになっていますが、
駆け抜けたいと思います。

そして今日からは湘南にて、
泊りがけのリベラルアーツセミナー(参加する方)。

2泊3日で、プラトンやらアリストテレスやらカントなど、
「古典」と呼ばれるものと対話をしてきます。

楽しみです。



さて、本日のお話です。

仕事柄、特に人事の方とお会いする機会が多いのですが、
その中で「うーん、、、」と毎回、頭を悩ませてしまうシーンがあります。

これは何度出会っても、このシーンに出会うたび、
なんとも歯がゆく、やるせない思いを感じてしまいます。

本日は、最近感じたそんな出来事と、そこから感じたことを、
皆様にご共有させていただきたいと思います。


タイトルは、


【「インサイドアウト型人事」と、「アウトサイドイン型人事」、それぞれとお話をしておもう日本企業の課題】。


それでは、どうぞ。


■基本、「サービスを購入する側」は、
有利な状況なりやすいものです。

例えば、私が日々直面する

”サービスを購入する「人事」×サービスを提供する「研修会社」”

も同じような構造。

特に大手企業などでは、
当然「競争が激しい」ため、

”提案合戦”

が年末になると繰り広げられます。

これは、需要と供給のバランスから当然のことであり、
そして否定するものでも全くありません。


■しかしながら、そんな”提案合戦”に参加する中
相手の人事の方のスタンスに差がある、と感じることがあります。

それは、ある観点でみた時、
ざっくりわけて「2つ」タイプがあると思うのです。
(あくまでも、私の感覚ですが)



まず、1つ目。

『インサイド・アウト型』

の人事の方。

非常にシンプルで、

”自分なりに、現状何が問題で、
将来どうしたいかという意志がある”

場合です。

「人材育成/組織開発」は、
働き方改革、離職防止、次世代リーダー、シニア層、
また上司部下の関係性、パワハラ、、、
本当に多くの問題、変数があります。

何から手を付けたらよいのか、
絡み合ったあやとりのように、本当に難しいもの。

しかしながら、そんな混沌とした中でも、
「何が一番の問題なのか」、を自分なりに考え、

『自分なりの課題意識、そして優先順位』

がある、あるいは持とうとしている。

結果、言葉がシンプルです。
「こんな課題があります」あるいは
「こんなことに悩んでいます」という内容が、明確です。

つまり、「私事(自分ごと)」になっている、
そう感じる方です。

これは、「7つの習慣」風に言えば、

『インサイド・アウト型』(=まず自分が変わる、自分から始める)

スタンスである、といえそうです。


■他方、

『アウトサイド・イン型』

の人事の方です。
(これも私の勝手な解釈です)

敢えて、極端にお伝えいたしますと、

「何か、いいものくれるんでしょ。
 さあ、どうぞ。教えてください(椅子に深く座って、のけぞる)」

という方。

基本的な「問題解決」の考え方として、
『診断なくして、処方なし』などと言われますが、

何が「課題」か明確でなければ、
適切な「解決策」を提示するのは難しいもの。

それは敢えて、「チャレンジ」をしているのかもしれませんが、
ただ、その「課題」に対してのスタンスが、
「自分が主ではない」「自分が当事者ではない」と感じる場合があるのです。

難しい問題に、頭を悩ませ、
「私事」として考えようとしていたら、
その言葉に重みが出てくるもの。

真剣に「何が根本的な課題なのか」を考えているかどうかは、
なぜでしょう、何となく伝わってくるものなのです。

しかし、それが全く伝わってこない。

なんだかいい条件のところを並べて、
そこから見繕おうとしている。。。

そして、そういうスタンスの方は、
なぜだか横柄で、業者を「道具扱い」することが多いよな、

と感じたりするのです。

そういう状態は、「7つの習慣」風に言えば、

『アウトサイド・イン型』(=周りが変わることを待つ、周りが主である)

に近い、ともいえるのではないか、
と思ったりするのです。


■これは、あくまでも私の個人的な感想。

しかし、こういう方と出会うと、
「うーん、、、」と頭を抱えると共に、

そのスタンスでは、「なんとかして協力しよう」と、
周囲の方も(業者、人事部内、現場を含めて)ならないでしょうし、
結果も、「ただやっただけ」になりがちではないか、と思うのです。



そして同時に、これは人事の問題でなく、
全ての働く人に言えることだとも感じます。

自分が担った仕事に対しても、「逃げ」のスペースを作っている。

そして内心、

・誰かがが解決するもの
・ウルトラCの解決策を待っている
・そもそも危機意識、問題意識がない
・自分のものという「私事感」がない

という「他人事感」を持っている。

または、

「会社が大きすぎる」
「これをいっても、どうせ変わらないから」
「上に潰されるだけだから」
「多く意志決定者がいすぎて難しいから」
「これを言って衝突すると、自分の進退に影響があるかも」

と、「積極的に関わること」を避けようとする。

こういうこと、少なくない方が、
持ってしまうスタンスではなかろうか、と思うのです。

そして正直なところ、これは個人の意志の問題もありますが、

『日本企業の構造的な問題』

である、とも思うのです。


■どこかで、誰かが何とかしてくれる。
自分じゃなく、誰かがやるもの。

でも、そうやって、船は沈んでいくのです。

そして、今新聞やメディアでも、賑わわせているように、
人口減少、産業構造の変化による構造的な変化により、
「日本は沈みゆく船」「日本の未来は危ない」と言われることもある。


しかし、自分の周りの問題は、
やっぱり自分の問題であり、
自分が真剣に考え、第一声を放つこと。


どんなに小さなことでも、

『私事として、自分が”主”になり考える姿勢』、

それこそが、自分を変え、周りを変え、
そして、それが組織を変えることになる、

綺麗事のようですが、真面目にそう思います。


真剣な雰囲気は、周りも伝わります。

そして、自分に任せられる仕事や、
自分自身の成長として、そして周りの変化として返ってきます。

誰かが、声を上げるから、物事を変えることができる。




そういう意味でも、人事の話に戻すと、

「何か、いいものくれるんでしょ。
 さあ、どうぞ、教えてください」

ではなく、

「コレコレを課題に感じていて、こんな風にしたいと強く思っているのです。
 何か良いアイデアはありますか?」

というスタンスが大事だよな、と思った次第。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今日も、皆様にとって素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>


欲せよ、第一人者であることを。

ダンテ・アリギエーリ

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