メールマガジン バックナンバー

1882号 2019年4月14日

「相手の心」を知るためにできる、唯一つのこと

(本日のお話 2566字/読了時間4分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日は会社のホームページ、ならびに、
メルマガの新ホームページを作成の準備。
並びにミーティング1件でした。

夕方からは妻とともに、前から行きたいと思っていた
「お台場ジョイポリス(屋内型遊園地)」に行き、閉店まで遊び倒しました。

この歳になっていますが、遊園地がものすごく好きです。
大人になったら趣味が高尚なものになるかと思いましたが、
結局、あんまり人は変わらないものですね。



さて、本日のお話です。

現在、自社のホームページを作ろうとする上で、
「メルマガ読者お方やお客様の気持ち」を考える事が増えています。

そのプロセスの中で改めて思った大切なことがありましたので、
本日はその気付きについて、皆さまにご共有させていただきたいと思います。

タイトルは、


【「相手の心」を知るためにできる、ただ一つのこと】


それでは、どうぞ。


■営業の研修で学んだ言葉の中に、

『当て推量は厳禁』

という考えがありました。

この言葉の意味は、

”クライアント(お客様)の状況や考え、言葉に意味について、
「こうだろう」と勝手に推測してはならない”

ということを表します。


■営業は「お客様の期待・ニーズ」に応えることが役割であり、
「商品・サービス」はあくまでも、問題解決や理想の状態に近づけるためのツール。

ゆえに、営業のプロセスはどこから始めるべきだろうかと考えた時に、
「お客様のニーズを正しく知ること」が王道の考えとなるわけです。

その中で『当て推量は厳禁』という言葉をわざわざ語るのは、

”クライアントの考えについてこうだと決めても、
 だいたい間違ってしまうものである”

ことがあるからであり、
それを戒めるためにわざわざ言葉にしたのです。
(と、私は解釈しています)


営業が「こうに違いない」と思っていても、
それはどこまで言っても、一部の情報だけ見て判断しているには違いなく、

「自分自身の考えが正しい」と思えば思うほど、
正しくお客様の状況を理解できず、
結果、失敗に終わってしまうことがままあるのです。

これは私自身も経験してきて、よーく身に沁みるていることでもあります。


■ちなみにこの話は、営業シーンだけではなく、
「人間関係」にまつわる、他の場面でも同じことが言えます。

・上司と部下において
・友人の間において
・夫婦間に置いて
・同僚との間において

色々な「当て推量」をし、痛手を被ってしまう話を、
コーチングやコンサルティングをする中でも、
非常によく目にするのです。

”痛み”を感じる悩みとして

「経営陣が現場を解ってくれない」
「部下が考えていることが全然わからない」
「自分の意図が相手に伝わらない」
「あの人が嫌がらせをしているように感じる」

、、、

”自分のことを理解してもらえない”、または
”相手のことが理解できない”、

このような悩みは、本当につきないと感じています。


■そして、この”悩み”を身に覚えた時、
その”悩み”を解決しようと、あれこれ想像するわけです。

「きっとあの人はこう考えているに違いない」
「あの人の性格上、こうであるに違いない」
「今どきの人は、内心こう思っているんだろう」

そうやって、理解できないものを、
自分なりの経験や価値観に照らし合わせて、
こうではなかろうか、ああではなかろうか、と理由を探そうとする。

そして、自分の中で符号があったときに、
「そうに違いない!」として決めつけてしまうわけです。


そして、自分の中ですっきりする。

自分の中で理屈が整えばそれでわかった気になるので、
”理解できない気持ち悪さ”がなくなるから、楽なのかもしれません。


■しかしながら、それはあくまでも、

「自分が考えたストーリー」であり、
「解釈」でしかないのです。

「事実」と「解釈」は違うものなのに、
そう、決めつけてしまうのです。


しかし不思議なもので、
先程の「当て推量は厳禁」ではないですが
「自分のストーリー」は往々にして間違っているのです。

自分の経験・価値観と、
相手が歩んできた経験・価値観は違うのです。

過去育った環境も、体験したことも、
部活も、読んできた本も、友達も違う人同士。
今おかれている環境だって、自分が知らないことだっていくらでもある。

それらの変数を加味すると、自分の想像などごく一部でしかないのです。

それで相手のことを「こうに違いない」と考えるのは、
やっぱり、現実的ではないし、”愚かである”とさえ、思えてしまいます。


■例えばもし、

「相手が冷たい」=「自分のことが嫌いに違いない」

と自分が感じていたとしても、
実際はその「冷たい」の背景には、
自分の想像しない色々な要素があるものです。

・もともとそんな性格なのかもしれないし
・嫌いなのではなくて、仕事の進め方が合わないだけかもしれないし
・プライベートなことで心配事を抱えているのかもしれないし
・健康上の悩みを抱えているのかもしれない

のです。

「事実」を知るには、
「解釈」を一旦置いておく必要があるのです。


■もちろん、沢山の人の人生に触れ、経験が積み重なれば、
予測の精度が高まることはあるかもしれませんが、
しかし、原則としては、

『相手の心を推し量ることはできない』

ことを重々理解することが重要だと思うのです。

それがいくら近い距離の人でも、
いつも一緒にいる人でも、”人と自分は別”なのです。

だから、本当に思っていることを知るためには、
「相手に耳を傾けること」、このことしかできないのです。

耳を傾けても本音が出てこないことはいくらでもありますが、
少なくともその姿勢は、とても重要です。



■私のエピソードではありますが、
昔、誰もが知る超有名企業の元社長とお話をする機会がありました。
そして偶然、私自身の当時の仕事の悩みを話したのでした。

その時に私が語ったのが、

「経営者が現場のことを理解しようとしない。
 長い目で全然考えていないように思う。
 みんなそれじゃダメだよね、って言ってますね」

みたいな話だったのです。
(今思えば、考えも言い方も極めて愚かですが、、、汗)

すると、その経営者の方は言い方こそ柔らいものの、
厳しい重みを持った口調で、


『君は直接、社長の考えや気持ちを聞いた?
 経営者は、少なくとも君が見ている以上のものが見ているよ』


と言われて、狼狽した記憶があります。

今思うと、その意味が以前よりはわかるような気がします。

”自分より多くの経験をしている先人の心を、推し量るほど、愚かなことはない”

のです。


■相手のことは、わからないのです。

だからこそ、聞いてみること。
少なくとも、勝手に「当て推量」をして決めつけないこと。

ゆえに、


【相手の心を正しく知るためにできる唯一の方法とは、「耳を傾けること」】


このことだろう、そんなことをよくよく思います。

やっぱり「耳を傾ける」ことは王道です。
勝手に決めつけない。
耳を傾ける。

とても大切である、改めてそう思う次第です。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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<本日の名言>

もし事実と理論が合っていないとしたら、
捨てるのは理論のほうね。

アガサ・クリスティ

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