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1916号 2019年5月17日

「オーセンティック・リーダーシップ」の考えから学ぶ、『自分をさらけ出すこと』が生み出す価値

(本日のお話 2356字/読了時間4分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は、1件のアポイント。
並びに打ち合わせ1件と、
午後からは企画資料の作成などでした。

また夜は、セミナーを受講。

”「世界最高峰のマネジメント誌『ハーバード・ビジネス・レビュー』が贈る、
 「E I〈Emotional Intelligence〉感情的知性」シリーズ最新刊『オーセンティック・リーダーシップ』発売記念、『いま、なぜオーセンティック・リーダーシップが求められるのか?』”

という講演(タイトルが長い、、、汗)を、
聞きに行ってまいりました。


本日はその講演のお話から、
皆様に学びをご共有させていただきたいと思います。

タイトルは、


【「オーセンティック・リーダーシップ」の考えから学ぶ、『自分をさらけ出すこと』が生み出す価値】


それでは、どうぞ。


■皆様は、「オーセンティック・リーダーシップ」なる言葉、
聞いたことがありますでしょうか?


…おそらく、あまり聞いたことがない、
という方、多いのではないかと思います。

最近は、どんどん色んな「リーダーシップスタイル」が出てくるので、
何がなんだかわからない様子を醸し出していますが、

「オーセンティック(authentic)」

を調べてみるとこのように説明されていました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<authentic>
{形}本物の、正真正銘の、真正の、真の、れっきとした~

◆何かが偽物や複製されたものでないことを意味する。
 つまり、それまで誰も考え付かなかったようなものがoriginalで、
 その後似たような製品が競って作られる中で、
 本物の製品として君臨しているものをauthenticで表現する。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

だそうです。

言い換えると、「偽りのない自分でいる」というイメージでしょうか。

講演でのお話を引用すると、
「オーセンティック・リーダーシップ」のキーワードは

『自分をさらけ出す』

とのこと。

”さらけ出すリーダーシップスタイル”、
これが昨今、注目されている、というのです。


■過去の”権威型リーダーシップ”、

「リーダーの強くなければならない」
「リーダーは偉くなければいけない」
「的確な指示・命令してこそリーダーたるものだ」

という考え方は、多様化する現代では、
機能しなくなってきていると言われます。

むしろ、論理や戦略以外の「感情的知性(EI)」、

・他者の気持ち・感情を理解する
・自分の感情を自分で理解する
・自分の感情を適切に表現、コントロールする力

これこそが、今のリーダーに必要な要素である、
と注目されている、、、

「理想の上司=高田純次」と挙げられるような今、
この流れはなんとなく想像ができるのではないでしょうか。


■そしてこの「オーセンティックリーダーシップ」について、
日本ラグビー協会でコーチングディレクターを務め、
リーダーシップに関する著書や監訳書を多数出版されている中竹竜二氏が、
以下のように語っていました。

それが、

『自分を偽ることによって、我々は、無駄なエネルギーを使っている』
(特に偉くなればなるほど)

というお話でした。

皆様もそうだと思うのですが、私達はどこかで

「自分を良く見せたい」
「自分が優秀だと思われたい」
「自分、どう思われているかな」

という気持ちが、必ずあります。

で、どんな人でも、どれだけ偉い肩書を持つ人でも、やっぱり人間。
「完璧な人間」ではないことなど、自分一番よくわかっています。

しかし、偉くなると特に、その「肩書」や「立場」ゆえ、
どうしても自分をよく見せようとしてしまう。


■すると、どういうことが起こるのか。

ある調査結果によると、立場が偉くなるに従って、

「”嘘”をつく傾向が高まる」(!)

というのです。

なかなか衝撃ですが、ちなみに、ここで言う”嘘”とは、
誰かを騙す、という悪質なものではなく、

「知ったかぶりをする」

というような”小さな嘘”、の話。

つまり、カッコつける、
良く見せようとする言動が増える、
できる風に演じる、ということです。


しかしこれらの行為は、

”隙がない自分”、”何でも知っている自分”、”できる自分”
を周りに見せるため、労力を使っています。

すなわち、頭の機能を本来やるべきことと、
「別のこと」に使っているわけです。

これは大きい視点で見れば、
「生産性を下げている」とも言えるのでしょう。


■加えて、中竹氏は、多くのコーチを育てる中で、
あることがわかったそうです。

一言で言うと、

『I don't know. I can't do it. これが言えるコーチは伸びる』

、、、と。

「知らない」「できない」。
偉くなっても、これを、率直に言えるかどうか。

このことが普通にできるのは、
「よく見られたい」という自分の気持ちを手放していることを表します。

『自分をさらけ出す』ことを意味します。

しかし、自分からこの『さらけ出す』ことをすると、
メンバーも安心し、そしてその本人も「よく見られたい」気持ちを、
手放すことができるようになる、と周りに伝播していくのです。


■中竹氏は、

【「自分をさらけ出す勇気」は伝播する】

といいます。

組織のリーダーが、自分の良いところも悪いところも含めて、
『さらけ出す』ことができたのであれば、
チームメンバーも「さらけ出す」ことに繋がります。

そして、全体が
「無駄なことにエネルギーを使わなくても良くなる」
ことへとつながっていくのです。



「さらけ出すこと」は、一方、
周りから攻められるリスクもあります。

「ちゃんとしてくださいよ」
「何やってるんですか」
「ガッカリしました」

そんな風に、晒すことで攻撃対象になる、
”的”を晒すことにもなりえます。

それを私達は解っているのです。

だからこそ、逆に「さらけ出す」という事は、
弱みを見せているようでいて、実は、勇気があり、強いことであると、
私たちは本能的にどこかでわかってもいるのです。

しかし、その姿勢を見たとき、
周りにも一歩踏み出す勇気にも繋がるのです。


■「さらけ出す」という、
たった一つのシンプルなあり方です。

でもそのことによって、

1,無駄なこと(偽ること)に労力を割く必要がなくなり、
  本当に大切なことに仕事に集中ができる

2,メンバーに、周りに「さらけ出す勇気」を伝播させ、
  皆が働きやすく、生産的になる

そんな小さいようで大きな価値が生み出せることが、
「オーセンティック・リーダーシップ」の力であり、
「さらけ出すこと」がもたらす価値であろう、

そんなことを学んだ次第です。

最後までお読みいただきありがとうございました。
本日も皆様にとって、素晴らしい1日になりますように。

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<本日の名言>

偉大で幸福な人間とは、自分が自分であるために、
支配することも服従することもいらない人間である。

ゲーテ
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