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1950号 2019年6月22日

人に寛容になるためには、「色んな人生」を丸ごと好きになる努力をすること

(本日のお話 2036字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

ただいま徳之島に来ております。
鹿児島県と奄美大島の間に位置するこの島。
明日、この島にてトライアスロンの大会の参加です。

しかしながら天気は大雨。。。
危険な香りがします。

とにもかくにも、ベストを尽くそうと思います。



さて、早速ですが本日の話です。

昨晩から徳之島に入り、ホテルにあるテレビを見ていました。
(我が家はテレビを廃棄してしまったため、普段テレビは見られないのです)

その中で、『SWITCH』と言う、
有名人がインタビューをし合うという番組をやっていたのですが、
そこで俳優の堤真一さんと、小説家の重松清さんがお話をしていた内容が、
大変印象的、かつ学びに溢れたものでした。

本日はその内容と、そこから思った気づきを、
皆様にご共有させていただきたいと思います。

タイトルは、


【 人に寛容になるためには、「色んな人生」を丸ごと好きになる努力をすること】


それでは、どうぞ。


■数々の名作の小説を生み出して重松清さん。

私も読んだ小説はたくさんありますし、
涙した本、えぐられるような気持ちになった作品も、
いくつもあったと記憶しています。


重松さんの小説の特徴は、

”人の心の深い部分を秀逸に描ききる”

という、その視点の深さと、
多くの人が共感できるその表現力にあると私は感じています。

(ちなみに、私のお勧めの一番の小説は『とんび』です。
 父と息子の関係を描いた、本当に涙なくしては読めない小説。
 まだの方は、ぜひ読んでみてください)

  
その他にも、『流星ワゴン』、『ナイフ』、『その日のまえに』などなど、
私(紀藤)の本棚を、彩ってくれている作品たちです。

そして、私だけでなく、
多くの方の心を掴むからこそ、
その小説が長年に渡って支持され、数多の賞も授与されているのでしょう。


■そんな、日本を代表する小説家の重松清さん。

俳優の堤真一さんが、TV番組の『SWITCH』にて、
こんな質問をしていました。


「誰でも”1つは小説を書くことができる”と思うんです。

 だって、その人自身の人生を書けばそれは1つの小説になるから。

 しかしながら、重松さんにお伺いしたいのが、
 
 どうしてあのように、多様な人生を、
 いくつもいくつも描くことができるのでしょうか?」


、、、そんな質問をされていました。

確かに、重松清さんは、
同じテーマではなく、本当にいくつもの人物の人生、
価値観、考え方が乗り移っているかの如く、
登場人物のカラフルに描かれたリアルさを持ち、描くのです。


すると、重松さんはこのように答えました。

「それは、フリーライターをやっていた経験だと思います。

 女性雑誌で、「〇〇な人を紹介する」と言うような企画があったのですが、
 その企画で、”いろいろな人生”を2ページから4ページで書く、ということを
 かなりの10年以上やっていました。

 そこで、何百人もの人にインタビューをして、
 人の人生のストックがそこで溜まったのです。」


「また、その企画で短いページで、
 ”その人の人生”を魅力的に伝える必要があります。

 すると、その人の人生が自分の好みであろうがなかろうが、

 『その人の人生を強制的に好きになる』

 という気持ちで書かないと、伝わないのです」

、、、

そのようなお話をされていました。
(私のうろ覚えの記憶なので、雰囲気だけご参考にされてください)


■そしてこのことを聞いたときに、


・人に対して寛容である
・誰かに対して優しくある
・誰かに対して常に謙虚でいる


ための、とても大切なエッセンスが含まれているな、と思ったのです。

「人に対する器の大きさ」と言うのは、
重松さんの「その人の人生を好きになろうとする」、
そんなスタンスから生まれてくるのではなかろうか、

と思ったのです。


思うのですが、人は、

”自分が正しいと思った瞬間に、その視野が狭くなり、
 誰かを否定したり、自分の正しさを主張しようとする”

と感じるのです。


ですから、自分以外にもたくさんの人生があり、
正解と言うのは自分が考える1つだけではない。

人生にも考え方にも、いくつものパターンがあり、
それがそれぞれ素晴らしいものだ、

こういったスタンスを忘れなければ、
きっと人は常に謙虚でいられるし
独善的になることも少ない、、、

と私は思うのです。



■そんな事を考えてみると、
たとえ、重松さんのように何百人と会い、

”人生を聞く事”

はできないとしても、

身近な人を深く知ろうとする事から始め、
できるだけたくさんの人に会い、多くの人生を知り、
多くの価値観を知り、その人達が何を大切に生きているのかを

「とにかく聞く」
「とにかくインタビューする」

そして、

「その人生を丸ごと好きになろうと努力する」。


そんなつもりで人と対峙する事は、

人に対して寛容になるための、
極めて重要な方法の一つではなかろうか

と思ったのでした。


、、、色々な価値観、人生観に敏感になること。

たくさんの人生のストックを得ることで、
きっと、奥深く、理解がある、
優しさをたたえた人になれるのではないだろうか、

そんなこと思った次第です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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<本日の名言>

画竜点睛といってね。
結婚も確かに点睛の一つだよ。
夫を持ったり、子どもを持ったりする度に、
人間の心の眼は開けてゆくものだよ。

川端康成
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