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2089号 2019年11月9日

一般人のサバイバル戦術とは「良いものを引っ張ってきて、それなりにまとめる力」である

(本日のお話 2355字/読了時間3分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日は、終日研修のオブザーブ。
ならびに、夜は英語塾の参加でした。

いよいよ来週から本格的に、
「スパルタ英語塾」が開始されますが、
仕事も一段落したので、”選択と集中”で、
一気に時間を投下していきたいと思います。

やったるぞー。



さて、本日の話です。

最近、いろいろなものに手を出して、
器用貧乏になっているな、と感じることもありますが、
同時に「ガンガン幅を広げる器用貧乏の特化」は、
それはそれで、大いなる価値になるのではなかろうか、
と思ってきました。

今日は、私が個人的に思う、
「未来へのサバイバル戦術」として考えていることを、
皆様にも共有させていただければと思います。


タイトルは、


【一般人のサバイバル戦術は、「良いものを引っ張ってきて、それなりにまとめる力」である】


それでは、どうぞ。


■少し前に何かの本で読んだ、
ある逸話があります。

それは「情報にアクセスできないこと」がもたらす、
大いなるデメリットについての話でした。



インドかどこかのとある田舎での話。

その村で、大変頭の良い少年がいたそうです。

彼は数学が得意で、
教科書も、先生もいないのに、
自分でいろいろな数学の式を発明し、
周りを驚かせていたそうです。


そんなある日、その少年が、
大変興奮した様子で、こう言いました。

「僕は世界を変える数学の大発見をした!」

そう言って語り、村ではわからないので
街に行き数学の先生に見せたところ、
意気揚々と見せたその発見とは、

「連立二次方程式の解の公式であった」

そう。

もしこの少年が、
正しい情報にアクセスし、
優秀な先生と一緒に時間を過ごすことができたなら。

きっとすでに解明されている学問はどんどん吸収し、
その才能と能力を、もっと高度なものに
使うことができたであろうに、、、。


という内容のお話でした。


■うろ覚えのストーリーですが
この話、「現代の私達」にも、
全く同じことがいえると思います。


大体、私たちが考えた
「多くの発見(アイデアや工夫)」も、
重要なものであればあるほど、

より賢く、聡明で、天才的な誰かが、
すでに「そのやり方」を発見し
それを実用的な形で形式化していたり、

、、、ということが、
ほとんどの場合起こっているものです。


もちろん、
数学の解き方や、
化学の発見など研究分野だけではなく、

・新規営業のツボとコツ、とか
・PowerPointのまとめ方の法則、とか
・相手に上手に話を伝える技法、とか
・部下を効果的にマネジメントするための理論、とか、
・部屋の片付けの素晴らしい方法、

などなどを含め、


『思いつくほとんどの知見は、すでに体系化されている
 (ただ知らないだけ)』


というのが実際なのでしょう。


■ただ、
「体系化された知恵にアクセスししていない」ことは
インドの少年のように、自分にとって存在してないと同じ。

そして多くの人が、

「なにかに困っているんだけども、
 どこに答えがあるかわからない」

と、答えへのアクセスの仕方がわからず、

同じことをぐるぐる繰り返し、
同じ失敗から抜け出せず、
袋小路に陥っている、、、というのは、
個人でも、組織でもよく起こる現代の症状ではなかろうか、

と思うわけです。


そして、

”価値ある情報はあるはずなのに、実は知らない”

人が多いからこそ、

実は、ここに大いなるマーケットと、
自分自身がキャリアで生存していくための、
”サバイバル戦術”があると思います。


■それが名付けて、


【良いものを引っ張ってきて、それなりにまとめる力】


だと思うのです。


一部の天才的な人、優秀な人の除き、
基本的に(私のような)凡人ができることほど、
たかだか知れています。

創意工夫や、知恵を絞ったところで、
(卑下するわけではなく)
思いつくところは、それなりのレベルでしかない。


ですが、例えば、
何度も研究されつくしたワークショップや、
知恵の塊のような人が練りに練った理論体系などに、
高いお金を投じてでも参加すると、

その道のプロが、専念に専念を重ねて、
磨き上げた珠玉の知恵が、
おおっぴらに公開されていたりするわけです。


それは「書籍」もそうだし、
なにかの「研修」もそうだし、
成し遂げてきた人の「コンサルティング」などもそう。


『既に答えは誰かが持っていて、どこかに転がっている』


のです。


■であるならば、自分自身が、

器用貧乏と言われようが、
中途半端と言われようが、
真似っ子だと言われようが、

まずは、その道のプロの研修や、
知恵に触れ続け、そこに投資をし続け、

それを自分の中に吸収し、
自分なりに知恵をまとめたり、
必要に応じて、世界にアクセスできるようにする。

そのような、

「アウトレットモール的な立ち位置」
(=純正の、ピカピカの一流品ではないけれども、一定の効果は得られる)

立ち位置として、
自分の価値を提供することができれば、
”一般人のサバイバル戦術”になり得るのではなかろうか、

と思ったのです。


■私は、現在「人材育成」の仕事を、
皆さまに提供させていただいていますが、

言ってしまえばその内容も、
どこかで誰かが言っていた、
考えられたやり方の組み合わせでしかありません。

しかし、
そのバリエーションが多くなればなるほど、
引き出しが増えれば増えるほど、
他の追随を許さない差別化要因にもなりうる、

と思います。


そしてそれは、どんな領域でも
同じことが言えるのではないでしょうか。


自分が軸足を置いている領域に関して、
そこだけで勝てない才能のレベルであれば、

「コーチングだったらコーチングだけ」

と限定された1つの領域にどっぷりつかるのではなく、
幅広く器用貧乏になっていくことが、
逆張り的な意味で、有用にもなりうる時代ではなかろうか、

そんなことを思った次第です。


皆様は、どれだけの良いものを知っていますか?
そして、それを引っぱり、活かす力がありますか?

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<本日の名言>
僕は断言しますが、旅をしないものは―
少なくとも芸術や学問に携わる人間の場合は―
実にあわれむべきです。

モーツァルト(オーストリアの作曲家/1756-1791)
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