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2312号 2020年6月19日

「汝の時間を知れ」、とドラッカーは言った

(本日のお話 2833字/読了時間5分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は2件のアポイント。

ならびに友人のコンサルタントに
自分の「業務分析」を手伝ってもらいました。
(Mさん、ありがとうございました!)

その中で、
「時間の使い方」について
ピーター・ドラッカーの言葉とともに
気づくことがありましたので、

皆さまに
ご共有させていただければと思います。

タイトルは、

【「汝の時間を知れ」、とドラッカーは言った】

それでは、どうぞ。

■「汝の時間を知れ」。

これは、
ピーター・ドラッカーの著書
『経営者の条件』の言葉。



数々の著書を出したドラッカー氏。

多すぎてどれから読めばいいか
よくわからない、という方は
きっと、私だけではないはず。
(たぶん)

■以前「ドラッカー塾(ダイヤモンド社)」に
参加したとき、

「ドラッカー難しそうな本が多すぎて
どれから読めばいいかわからないんですけど、、、
『もしドラ』は読みましたけどw」

と語ったところ、
講師の国永先生が

「ドラッカーは社会のことを書いている本も多いですが、
”個人が成果を上げたい”と考えたときに

個人のパフォーマンスに焦点を当てた本として、
ドラッカーが『経営者の条件』を書いているので、
これはおすすめですよ」

と丁寧に教えていただきました。
(国永先生、その節はありがとうございました)

■その著書の中で、

”汝の時間を知れ”

という言葉が残っていたのは
ぼんやりと記憶していたのでした。

そんな最中、
友人でお世話になっている経営者で
コンサルタントの方に昨日
「業務分析」を手伝っていただき、

”汝の時間を知れ”

の言葉の意味を改めて感じることとなります。

■皆さまは、「業務分析」なるもの
やったことはありますでしょうか。

やり方としては、
実にシンプルです。

以下の3ステップ。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
<業務分析の3ステップ>

1、タスクを洗い出す

2,各タスク1回あたりに必要な時間を計算。
1ヶ月に何回そのタスクをやるのか考え
かかっている時間を割り出す

3,円グラフにして可視化する

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

以上。

しかし、問題なのは、

”1人でやろうとすると
めちゃくちゃ億劫”

ということ。

思考があっちこっちに行き、
全然進まないし、
嬉々としてやるものでものない。

ゆえに、壁打ちとして
誰かとやるのがお勧めである、とのこと。

■そして、早速進めます。

まず今行っているすべての仕事を
一気に書き出していきます。

マーケティグ→営業→納品

という業務フローに従って
書き出す、書き出す。

ホームページの修正
導入事例の作成
イベントの開催
メルマガの作成
営業の商談
申込書・見積書
研修プログラム開発、
研修準備
社内ミーティング
メルマガ作成

、、、

でる、でる。

私の場合、
合計120項目ほどになりました。

■そして次に

”各項目に、1作業あたり
どれくらいの時間を使っているのか”

を考え、エクセルに記入します。

そして、

”1ヶ月で何回くらい
そのタスクを行っているのか”

を書き入れ、

計算式で上記を掛け算して、
1ヶ月あたりの時間を出します。

そして最後に、
円グラフにして
可視化してみました。

■、、、すると、
自分の1ヶ月の
おおよその時間の使い方が
わかりました。

いろいろな気づきがあります。

・本来もっと注力すべきところに
時間を使えていない
(営業やっているつもりが実はやっていない)

・気をとられていた
煩わしいと思っていた作業の時間は
実は大した時間があるわけではない
(苦手だから、大きく見えていた)

・他の人にお願いできそうな作業と
自分がやるべき仕事が明確になる

などなど。

■そして、一緒に付き合ってくれた
コンサルタントの友人が言った、

「これ(業務分析)って
めちゃめちゃ大事ですよね。

でも一人だと難しいし、
ほとんどの人がやっていないと
思いますよねー」

という言葉が
胸に残りました。

とても、納得しました。

■その後、本棚にある
ピーター・ドラッカーの著書

『経営者の条件』

を取り出して、
パラパラとめくってみます。

すると、こんなことが
書かれていました。

(ここから)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

”成果を上げる者は、
仕事からスタートしない。

時間からスタートする。

計画からもスタートしない。

時間が何にとられているかを
明らかにすることからスタートする。

次に時間を管理すべく、
時間に対する非生産的な要求を退ける。

そして最後にそうして得られた自由になる
時間を大きくまとめる。

したがって、

時間を記録する、整理する、まとめる

の三段階にわたるプロセスが、
成果を上げるための 時間管理の基本となる。”

※引用:『経営者の条件 第2章 汝の時間を知れ』(ピーター・ドラッカー)より
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

、、、

この「汝の時間を知れ」の
ファーストステップ、

「時間を記録する」

がまさしく今回行った
「業務分析」なのでした。

■忙しい、忙しい、、、と思って、
ひたすら来る球を打ち返していても、
成果は上がりません。

重要ではないメールを
100発打ち返しても
それがインパクトある成果には、
つながらないということ。

「インパクトがある仕事に
時間を使えているか」

このことが重要なのです。

■ゆえに「汝の時間を知れ」よろしく、

「実際に自分が、
何に、どれくらい
時間を使っているのか」

このことを改めて整理することは、
いくら掘り下げても掘り下げ切れない
大事な知的内省であろう、と思います。

■リモートワークで

「生産性が上がったの?
下がったの?一体どっち?」

という議論は今、
各社の人事の方と話をしていて
よく話題に上がります。



6月3日の日本経済新聞では、

”生産性「下がった」6割超 間違いだらけのウェブ会議”
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59586800W0A520C2000000/

という記事が紹介されていました。

この記事によると、

”3000人のビジネスパーソンに聞いたところ
62.8%が「生産性が下がった」と感じている”

という話でした。

そして、生産性が下がると感じている
主な原因は、

1,オンラインでのコミュニケーションが
うまく行かないと感じる

2,誘惑に負けない自律心(セルフマネジメント)
の難しさ

という話が焦点でした。

■ですが、この記事で
個人的に思ったことが、

知的労働で成果を図る
ホワイトカラーの仕事において、

「自分が何に時間を使っているのか」

「成果を上げるために
最も重要なタスクはどれなのか」

「リモートワークで
それがどれくらい増えたのか
あるいは減ったのか」

という「生産性に対する根本的な問い」までは
落とし込めていないのだろう、

とも思いました。

それは、これまで考えていなかったら
基準がないから、

リモート後に生産性が上がった、下がったを
厳密に図ることもできない、

ということになります。

そんな事も含めて、

「汝の時間を知れ」
の言葉をみると、深みを感じますが
皆様はいかがでしょうか_

■皆様は、今自分が

何にどれくらい
時間を使っていますか?

そして、

自分が収入を得ていることに対して
(期待されている成果に対して)

密接に関わるタスクに
どれくらい時間を使えているでしょうか?

考えてみると
新たな発見があるかもしれませんね。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

私が知っている成功者は、
すべて自分が与えられた条件のもとで、
最善を尽くした人々であり、
来年になればなんとかなるだろうと、
手をこまねいてはいなかった。

エドワード・W・ホー(米国の政治家/1849-1925)

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