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2359号 2020年8月5日

ボクシングのワン・ツーと、人生の基礎原則はよく似ている

(本日のお話  2770字/読了時間4分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は1件のミーティング。
また4件の個別コーチング。

夜、時間ができたので、
キックボクシングのジムに
2時間がっつり参加してきました。

やっぱり、運動はいいなあ。



さて、本日のお話です。

今私が通っているキックボクシングジムは、
時間帯によって、色々なクラスがあります。

昨日参加したのは、

・キックボクシング グループレッスン
・ボクシングクラス グループレッスン

という2コマ2時間でしたが、
その練習の中で、感じることがありました。

本日は運動を通じての気付きについて
皆さまにご共有させていただければと思います。

タイトルは、

【ボクシングのワン・ツーと、人生の基礎原則はよく似ている】

それでは、どうぞ。

■「ボクシング上手いですね」

約1ヶ月前に入会した
キックボクシングジムで
会員の方から頂いたお褒めの言葉。

中学時代、ハンドボール部
背番号14番(14人)、
体育の内申点は、だいたい「3」、

と、あまり運動に自信がなかった
自分にとって、褒めてもらえるのは
あの頃の自分が救われる気がして、
なんとなく嬉しいです。

■とはいえ、一応
褒めていただけたのにも、
やはり理由がありまして。

私(紀藤)の話ですが、
少し過去の思い出話をさせてください。



私大学時代2年ほどボクシング部に
所属していたことがありました。

大学のクラスメイトが、
ボクシング部の主将だったのですが、
人気がない部活で部員が私の学年では
彼一人のみという切ない状態。。。

そんな中、私がとある事件に
巻き込まれ怪我をしたことから、
「体を鍛えよう」と思っていたとき

「ヤス、入部する?」

と誘われ、そのまま
入部することになりました。

■入部したボクシング部は、
なんだかんだ体育会系の部活でした。

当時、王者のように君臨していた
M先輩は、入部直後こう言いました。

「お前ら、1年間はワンツーだけだ」

場がピリッとします。

ちなみに、”ワン・ツー”とは、
左(ジャブ=ワン)
→右(ストレート=ツー)
というボクシングの基本中の基本の型。

入部したあと、
中途入部の私は1学年下の人と一緒に入り、
ひたすらジャブを打ち続けます。

週3日の練習ですが、
その練習はひたすら、
なわとびとステップと「ジャブ」。

■最初10人くらいいた部員は、
この地味で退屈な練習に、

1人減り、2人減りだんだんと
少なくなっていきました。

部員が減っても、M先輩の指導は変わらず
練習は「ジャブ」のみ。

3〜4ヶ月位たったとき、
ようやく右ストレートを
教えてもらいました。

そしてその後の練習が
1年位続くのですが、特に変わることはなく、

「ワン・ツー」

という技術しか覚えることは
ありませんでした。

■それから1年後、試合に出ました。

武器は「ワン・ツー」のみ。

ひたすらそれを連打して、
3ラウンド戦いました。
(結局負けましたが)

■そして後日、
同じゼミの友人のA君(プロボクサー)

当時の試合のビデオをみせて、
彼に色々分析してもらいました。

その時言われた言葉が、

「本当に、ワンツーだけやね(笑)
俺なら一発ももらう気がしない。
単調だと、攻撃が読めるから」

加えて、

「まあ、ヤス(私)の試合じゃなかったら
見ちゃいられない試合だね」

と、結構傷つくコメントを
あはは!と笑いながら言われたのが
懐かしく(ちょっと胸がきゅっとしつつ)
思い出されます。

でも、同時に、

「とはっても、ワンツーしか
教えてもらってなかったからな」

と自分を納得させました。

■結局、ボクシング部の
在籍2年の間で基本、

「ワンツーのみ、
ひたすら繰り返した」

のでした。

■さて、ここまでが思い出話。

そして、この前提を踏まえて
ここからが本題です。

数え切れないほど
「ワンツー」をやってきたことは、
ここまででお伝えしてきたとおり。

友人のA君にも、厳しいコメントをされながら
それでもワンツーはやってきたのです。

そしてそれが、昨日のボクシングクラスで
地味で単純で普通の練習が、

「周りとの違い」

としてやはり出ていました。

相手がワンツーを同時に打っても、
必ず私の方が先にあたります。

やはり繰り返してきたものは、
20年経っても変わりませんでした。

単純で、地味で、でも大切なことの大切さを
改めて感じていたのでした。

(多分、なにかの運動を経験していた方は
感じることではないかと)

■そして、思ったこと。

それは大学時代、
「退屈だけどひたすら繰り返した
ワンツーの価値」

です。

そして、

【大切なことは、退屈でシンプルである】

こと、思ったのでした。

■人は、つい
「すぐにできる必殺技」を求めます。

キックボクシングでも、
つい、必殺技のようなものを
覚えたくなったり、

あるいはテニスでも、
「エアケイ」のような
かっちょいい技を覚えたくなります。

でも、実力を上げて、
そして安定的に勝つためは、

単純で、地味で、退屈な、

「基本中の基本(ワンツー)」
をひたすら繰り返し、
それを身体知化すること。

当たり前を、
完全に自分と一体化させること。

基本とは原則です。

基本を固めることが
時を経ても成果を上げる上で
極めて重要なことである、

と思うのです。

■そして少し話が飛躍するようですが、

「人生の基礎原則」

でも同じことが言えます。

例えば、よく言われる

・「目標」を持つこと
・「自ら動く」こと
・「相手の話に耳を傾ける」こと
・「学び続ける」こと

などは、

仕事や人間関係を成功させる
「人生の成功のいち原則」のようなもの。

ゆえに、言われたら
「そりゃそうだよね、大切だよね」
と誰もが言う話でしょう。

否定する人はいないはず。

■しかし、これらのことは

単純で、退屈で、
あまりに普通のことです。

だから、ないがしろにされる。

「それね、知ってる知ってる、
普段から意識しているよ」

と出来た気になっていること、
実に多いと思うのです。

それはまるで、新入部員が
1ヶ月ワン・ツーをやって、
「だいぶできてきた」と
勘違いする様子に近いです。

■例えば、「目標設定」だってそう。

実は、物凄く深いです。

”仕事の今期の業務目標書いてます”

といって、
「目標設定でバッチリきてます」
というとしたら、実に甘い。

「仕事」の目標でも、

「会社から来た目標シートを
ただ書く」

が目標設定の完成形ではなく、

自分の価値観、人生の方向性、
3年後、5年後、10年後など見据えて
どれくらい考えたのか、と問うてどうか、

という視点もあるし、

仕事だけでなく、
家庭、趣味、健康、コミュニティ、学び、
など多面的に考えて一貫性を持てるように
目標設定ができているのか、

という観点もあります。

様々な観点から、

自分の「ありたい姿」を
どこまで深く語れるのか、
それを語れるくらい深く内省をしているだろうか、

そんな深みがある「あたりまえ」の世界です。

でもそして、
こういう単純でシンプルなことこそ、
実は波及効果が高い重要なことだと
私は感じています。

■改めて、

【大切なことは、退屈でシンプルである】。

退屈で普通で地味なこと。

ウルトラCの必殺技でなく、
その基礎原則を何度も何度も
自分に染み込ませていくこと。

『7つの習慣』で言われるような
当たり前のことこそに本当の価値がある、

ボクシングのミット打ちを経て

「ボクシングのワン・ツーと、
人生の基礎原則はよく似ている」

そんなことを思っている次第です。

私自身、基礎を大切にして
少しずつ積み重ねたいな、と思いました。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

いつか空の飛び方を知りたいと思っている者は、
まず立ち上がり、歩き、走り、登り、
踊ることを学ばなければならない。
その過程を飛ばして、飛ぶことはできない。

フリードリヒ・ニーチェ(ドイツの哲学者/1844-1900-)

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