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2511号 2021年1月5日

研修の学びを、参加者の武器にしてもらうには『「教育」と「学習」の違い』を明確にすること

(本日のお話 1768字/読了時間3分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日よりお仕事始めの方も多かったようですね。
改めて、本年もよろしくお願いいたします。

また私は2件のアポイントと、
夜は「人材開発・組織開発の勉強会」の開催でした。

(年始早々お集まりいただきました皆さま、
誠にありがとうございました!)



さて、早速ですが本日のお話です。

先日より

『企業内人材育成 ー人を育てる心理・教育学の基本理論を学ぶー』
(編著:中原淳)

を読み進めながら、
改めて企業内人材育成を
学び直しております。


その中で、
「学習モデル」(私たちの学び方)と
呼ばれる理論があるのですが、

その中の話が、我々が
新しい知識やスキルを学び、
そして使えるようになっていく上で、
大切なものだと思いました。

もっと言えば、

「人を育て、武器を与える」

上で人材育成担当者にとって
極めて重要な考えだと思いました。

今日はそのお話について
皆さまにご共有させていただければと思います。


タイトルは、


【研修の学びを、参加者の武器にしてもらうには、
『「教育」と「学習」の違い』を明確にすること】


それでは、どうぞ。



■企業研修をしていて、
アンケートでしばしば目にする項目に、


「考え方はわかったけども、
実際に現場で使えるかどうかは不明」

とか

「実際に、自分の部署での活用する方法を
具体的に構築するレベルまで行なわなければ
実践的とはいえない」


というコメントを見ることがあります。

つまり、

”「基礎」としての考え方はわかったけれど
「実践」の方法がわからない”

ということ。



■ただ、そういう研修に限って、
「3時間のセミナー研修」
だったりして(汗)

これ、人事や講師側だと、

「うーん、その時間内で、「基礎的な考え方」から、
人や立場、状況によって違うであろう
「応用・実践の考え方」を全部伝えるのは
極めて難しいよな、、、」

という思ったりもします。


一方、実際にそのような
「どうやって使うのか教えてほしい」
という気持ちが起こるのもよく理解できる。

でも、それらの応用は、
実際に自分でやってみないと、
わからないことでもあるよね。

はて…どうしたものか。

というジレンマ。


■さて、このごちゃっとした状況で、
どのように考えるのがよいのでしょうか?

どう整理すれば、
研修を提供する側も、参加者側も納得して
前に進むことができるのか?


そのために役に立つ一つの観点が、


【「教育」と「学習」の違いを理解する】


ことだと言われています。



■ちなみに、

「「教育」と「学習」の違いは何ですか?」

と問われたら、皆さまは
なんと答えられますか?

、、、


正直、考えたことがない人が
多いのではないかな、と思います。
(少なくとも私はそうでした苦笑)


まあ、なんとなく、

教育は「教える」、
学習は「学ぶ」。

だよな。

教える側と、教わる側?
そんなざっくりした違いがあるイメージ。



■しかし、
この「教育」と「学習」の違いについて明確に理解することが、
学習者が学んだ内容を自分の武器にする上で
とても大事なことのようです。

この分野の研究者、
人工知能研究者のレイブと
人類学者ウェンガーによると、


『学習と教育の認識のズレが、問題を引き起こしている』


とのこと。


■ちょっと曖昧なので
具体的な例を出してみます。

「学習活動」と「教育活動」が
どのように違うのか?

例えば「提案型営業力を身につける」という
目標があったとして、

・「学習活動」とは、
→ 個人や組織が、”提案型営業”を身につけるためにすべきこと

・「教育活動」とは
→ 上記を支援するために人材育成部門ができること

となります。


すなわち、

「「学習」は、個人の現場で起きている」

ものであり

「それを支援するものが「教育」である」

という前提があるのです。

(この大いなる違い、わかりますでしょうか)


■もしこの前提がないと、

「研修で学んだから、実践できるよね」

という大いなる勘違いを
してしまったりする。

そんなバカな、、、と思いそうですが
実際こういう風に思っている人、
結構いるのです。



■考えてみれば、
一度、基礎を講義で聞いたから、学んだからと言って、
すぐに出来るはずはないのは、当然の話。

でも、


1)「教育」と「学習」は違う

2)「学習」は個人や組織の現場で起こるもの
3)「教育」はそれを支援するもの


という理解を”明確に”していないと、
肝心要の「学習」を疎かにして、

「研修(教育)を受けたら終わり!」

と教育のみで完結してしまう。
完全に片手落ちです。

それでは、本人の血肉となり、
自分自身の武器にする大切なプロセスの
「学習」という過程がなく終わってしまう。


だからこそ、


【研修の学びを、参加者の武器として昇華させるには、
『「教育」と「学習」の違い』を明確に理解させること】


が重要なのです。



■先日参加したある研修で
最終日の最後に講師の方が、


「皆さん、とにかく『DSS』ですよ!」


と言っていました。

曰く、

・Do
・Something
・Soon
(意味=とにかく何かすぐやれ)

とのこと。

まさしく、そう。

「教育」で教わった知識・スキルを
DSSして「学習」へと落とし込み、
現場を通じて、自らの武器とする。


このスタンスが
とても重要なのだろうな、
そのように思う次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。


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<本日の名言>

してみて、良きにつくべし。
せずは善悪定めがたし。

世阿弥(能楽の作者・役者/1363-1443)

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