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2553号 2021年2月15日

新しい組織・環境に馴染むには、まず「アンラーニング(学習棄却)」を行うこと

(本日のお話 2200字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は朝から某企業の役員の方を
お招きした勉強会の開催。

午後からは読書と研修の企画でした。

大学院受験まであと5日。

アドレナリンを放出させつつ追い込み、
楽しんでまいりたいと思います。



さて、本日のお話です。

先日読んだ『経営学習論 ー人材育成を科学するー』に、
興味深いお話が紹介されておりました。

これから誰もが新しい組織や環境で
活躍しうる時代に大切なキーワードです。

その名も

「アンラーニング(学習棄却)」

でございます。

今日はこのお話のご紹介と、学びと気づきを
皆様にご共有させていただければと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは、

【新しい組織・環境に馴染むには、まず「アンラーニング(学習棄却)」を行うこと】

それではどうぞ。

■何か中国の拳法っぽい映画で、
こんなシーンがあったのを覚えています。

(曖昧でゴメンナサイ。汗)

老師と若い弟子がいて、
彼らがこんなやり取りをしていました。

老師「お主は、まるで、
水が満ちたこの茶碗のようじゃ」

弟子「老師…どういうことですか?」

老師「ワシがいくら極意を伝えたところで、
今のお主は、受け取ることができまい」

(老師。そういって茶碗を傾けて水をこぼす)

老師「極意を会得したいのであれば、
まずお主の中にあるものを、すべて空にせよ」

、、、みたいな話だったような。

■さて、この話に象徴されるのが
今日のキーワードの

『アンラーニング(学習棄却)』

です。

ちょっとよくわかりづらいので
もう少し解説させていただきます。

上記の老師のメッセージを
言い換えてみると、要は

1)自分の中で「こうあるべきという正解」があるうちは、
いくら新しい考え方を伝えられても学べない

2)ゆえに新しいことを身につけたいのなら、
今のやり方を手放すこと

というお話です。

確かにすごくいい先生やコーチがいて、
その人が、もっとすごい成果を出せるやり方を
教えてくれるとしても、受け取る側が、

「いや、自分はこのやり方で
これまで成果上げてきたんです」

と内心、こだわりを捨てられないとしたら、
当然ながら、新しいやり方を学ぶことはできません。

ゆえに、

「新しいルールを学ぶためには、
これまでのルールを手放す」
(=アンラーニング(学習棄却))

する必要があるわけです。

意識上は、こだわっていない、と思っていても
無意識で、これまでの「囚われ」が影響するのが
このお話の難しいところです。

■確かに、「アンラーニング」大事だよね。

言われてみたらそうだよね。
はい、おしまい、、、

としてしまいそうですが(汗)
もうしばしお付き合いください。

というのもこの
「アンラーニング」というのは、

これからの私達の社会の流れを考えると
極めて重要なキーワードになると思われるから。

■まず、社会の話でいうと、
昨今はますます

”雇用の流動化”

が起きています。

副業、兼業、転職、、、
新聞やニュースでもよく見ます。

「一つの組織で、正社員で
定年まで勤め上げる」

ではなく、

「転職や副業等で
いくつもの組織に身を置き活躍する」

という人も今後ますます
増えていくと思われます。

加えて、

「セカンドキャリアで
どう自分を活かしていくのか?」

というシニアの方の活用・活躍という
テーマもあります。

これからどんどん出てくる、
一社で勤め上げた元気が良いシニアの方が、
新しい組織でいかに活躍するのか、という問題。

■「新しい組織・環境で活躍する」ということは、
お伝えしたとおり、

「これまでとは違う価値観・考え方・行動様式が
求められる」

ことを意味します。

例えば、

定年前で勤めていた会社のルールが、
町内会の運用ルールと同じはずもありません。

ゆえに、アンラーニングができず、
自分のこれまでのルールにこだわって、

「俺の会社は、こういうルールだった。
これが普通だろう」

と仮に声を荒げても、
空気を読めない融通のきかない人、

というレッテルを押されて
終了となってしまいます。

そう、何が正解かという真実はなく、

”その組織における正解”

がそこにあるから、
(まずは)私達はそこに適応をしていく必要がある

という側面があることは否めません。

(もちろん改革・変革のためにその人が採用された、とか
自分で起業をする、等であれば別かと思います)

いずれにせよ、そのような、

「新しい組織・環境に適応していくプロセス」

はおそらく、私達の多くとっても
起こりうるプロセスかと思われます。

■ゆえに『アンラーニング(学習棄却)』の必要性、

これまでの自分が依拠していた
価値観・考え方・行動様式に囚われるのではなく、

「新しいルールに”馴染む”ことが大切」

と理解しておくことが大事かと。

■同時に、
”新しい組織に「飛び込む側」”もそうですが
”新しい人を「受け入れる側」”にも
何かしらの工夫が考えられます。

特に組織においては新規参入者(転職者)
どのようにアンラーニングさせて、

そして馴染ませていくのか、
ということも大きなテーマになるかと。

その「受け入れ側」のポイントについて
以下の参考になるデータがあります。

これは

”「他の組織に転職をした」際に、
何が新しい組織に馴染ませるのか”
(=組織再社会化)

の実証研究によるデータより
お伝えをしています。

(※参考:『経営学習論 ー人材育成を科学するー』(著:中原淳)

■結論をお伝えすると、ポイントは、

『上司による”モニタリングリフレクション”を行うこと』。

これがアンラーニング(=学習棄却)に
正の統計的優位な効果を持つ、
ことが実証研究によりわかっています。

ちなみに、”モニタリングリフレクション”とは、

1)仕事の進捗管理を行う(=モニタリング)

2)内省を促す行動の支援(=リフレクション)

ことを意味します。

■新しい組織に飛び込んできた
新規参入者がいたときに、

・どのように仕事を進めているのかを
見てくれる人がいる

・そして仕事をすすめる状況に応じて、
やり方について評価される・されない等の
フィードバックがある

・また日々の行動をし、経験する中で
良かったこと改善することの内省をする機会がある

なる環境を用意することで、
「アンラーニング(学習棄却)」が効果的に進み、
同時に、組織でのルールが理解でき、

彼/彼女らも効果的・効率的に
組織に馴染む(=組織再社会化)ことができるのです。

■、、、ということで、本日は、

「アンラーニング」

をテーマにお話をお届けいたしました。

新しい組織・環境に適応する必要性が求められるのは
誰しもに起こりえます。

そんな中でこのキーワードについて

・”自分が経験する側”としても
・”新しい人を受け入れる側”としても

しかと認識しておきたいものだ、

そんなことを思った次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

創造性を得るには、
確実性を手放す勇気が必要である。

エーリヒ・フロム(ドイツの精神分析学者/1900-1980)

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