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177キロマラソン体験記 ~ 超ウルトラマラソンを走ると、どんな感情が生まれるのか? 前半〜

1973号 2019年7月17日

(本日のお話 1995字/読了時間2分半)

■こんにちは。紀藤です。

この三連休で開催された、177キロマラソンが終了いたしました。

その影響で完全に動けなくなってしまい、
メルマガ配信が大変遅くなってしまいました。

今日は、「超ウルトラ177キロマラソン」に参加した体験談について、
皆様に感想と気づきをご共有させていただきたいと思います。

マニアックな体験談ですが、 皆様のご参考になれば幸いです。

タイトルは、

【177キロマラソン体験記 ~ 超ウルトラマラソンを走ると、どんな感情が生まれるのか? 前半〜】

それでは、どうぞ。

■きっかけとは、ひょんなことから始まるものです。

今回の『第四回 みちのく津軽ジャーニーラン 177キロの部』への参加もそう。

100キロウルトラマラソンに誘ってくれた友人が出ると言っていたし、
100キロマラソンは普通に走れるようになったし、
新しい経験、挑戦もしてみたいし、、、

ということで、エントリーをしたのが今回の大会に参戦した経緯でした。

舞台は、青森県弘前市から始まります。
「ねぷた祭り」でも有名な弘前市。

城下町としての風情が溢れる、綺麗な街並みです。
結構都会な雰囲気で、初めて訪れましたが、
なんとも住みやすそうなステキな街でした。

その弘前駅前をスタートして、
津軽半島(青森県の北端の左側の半島)に向けて、
ひたすら北上し、戻ってくるというのが簡単なコース。

海沿いの道もあれば、山の中を通る道もあります。
美しい津軽の景色が見どころです。

■スタートは7月14日(日)朝7時でした。

”177キロ”というと、
どんなペースで走るのか想像もつかないと思いますが、
それなりのペースで走っても、おおよそ100キロ14-15時間かかります。

今回制限時間は37時間でしたが、
例年完走率は約50%程度です。
(約200人参加中)



大会当日の気温は最高気温28度。

青森とはいえ、照りつける日差しと無風の中、
汗が止まりません。

そんなか、ひたすら北上しながら、
距離を重ねていきます。

走り始めは元気なのです。
その後、待ち受ける苦痛も、
体感として感じていなければ「自分ごと」にはなりません。

なので、20キロから60キロ地点くらいまで
一緒に参加した仲間と共に走りながら、

「177キロとか未知の経験ですよね。
どんな感覚になるのか、100キロから先が待ち遠しいですね~」

なんてお互いを励ます意味も込めて、
軽口を叩きあったりしていました。

(その後訪れる尋常じゃない苦痛も知らず、です。)

■177キロマラソンの場合、
最初に向かうのは『鰊御殿(にしんごでん)』と呼ばれる、
95キロ地点のチェックポイントです。

ここではスタート時に預けたドロップバックが、
大会のスタッフさんにより届けられており、
着替えや、栄養補給もできます。

仮眠のスペースもあります。
(”御殿”と言っても山小屋のような場所で、
20畳くらいの畳の部屋があるだけですが)

この場所に私は7月14日(日)夜21時くらい
(スタートから開始14時間経過次)に到着しました。

そこで気持ち的には、やっとここまできた、という感覚です。

小さい山小屋のような場所で食事をとり、
着替えて、そしていざ後半戦へと臨もうとしたのでした。

しかし、ここでレース前から風邪気味だった私の体調が、
劇的に悪化してきました。

寒気が止まらなくなったのです。
厚着をしても震えが止まらない。

確かに会場は寒かったのですが、
これはマラソンと関係ないぞ、何かやばい、
という気配だけは身体から伝わってきます。

寒いので、仮眠を取ろうにも、寒くて眠れない。

今までリタイヤはしたことなかったのですが、
ランニング人生で初めて、

「ここでリタイヤしようか、どうしようか」

と真剣に悩み、30分ほど考えました。

結果、

「ここで朝を迎えたら後悔することは間違いない」

と思い至りました。

歩いてでも先に進むだけ進んでみよう、と思いました。

前半悪くないペースで進んだので、
今なら歩いてでも完走できるはず。
持ちうる限りの厚着をして、そして走り(歩き)始めます。

この時、7月14日(日)夜23時。

■次のチェックポイントに向けて、歩みを始めます。

次の目的地は110キロ地点の
「総合文化センターパルナス」という場所。

しかし、そこに至るまで道のりが、
これまたおそろしい。

完全なる山道。
青森県の山道で、街灯は一切なし。
つまり「漆黒の闇」です。

ヘッドライトがないと、本当に真っ暗。
まじめに30センチ先も見えません。

その中を夜23-深夜3時まで、
震えながら走るのです。

遠くにいるホタルの灯りのような別のランナーの光。
しかし、そもそも参加者が200人程度ですし、皆自分との戦いで精一杯。

「お疲れ様です」という一言を残し、
淡々と抜きさられていく。

ただただ、孤独です。
そして、ツラい。

走るほど体力の消耗と、
脚の至る所の痛みを覚えます。
そこに吹き付ける小雨な混ざった強風。

この時、7月15日(月)深夜1時。

猛烈な睡魔に襲われて、
著しくタイムが低下していくのでした。

(続く)

長くなりましたので明日に続けます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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<本日の名言>

われわれには理解できないことが少なくない。
生き続けて行け。きっとわかってくるだろう。

ゲーテ(ドイツの詩人/1749~1832)
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