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2835号 2021年11月25日

エンジニア必見!? IT業界でサバイブするための経験とは

(本日のお話 2155字/読了時間2分半)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は6件のコーチング。
また1件のアポイント。
夜は懇親会でございました。



さて、本日のお話です。

大学院がらみで
論文を読む機会が増えているのですが、

「IT人材のキャリア開発」

について、ある論文を読みました。

その論文からの学び、考えたことについて、
今日は皆様にご共有させていただければと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは、



【エンジニア必見!? IT業界でサバイブするための経験とは】



それでは、どうぞ。



■こんな論文があります。

『IT人材の長期戦力化に向けたキャリア開発
―中高年 IT人材 10 名のプロジェクト経験分析』
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2018/special/pdf/100-113.pdf


論文の趣旨としては、

・成長産業であるIT業界では、
 人材不足が問題である

・その中でIT人材を「長期戦力化」させるための
 育成施策を研究する

という目的です。


そして、

1,IT業界の協力会社から「この人は働き続けてほしい!」という
  45歳以上の中高年人材10名をピックアップ
  
2,その方がどのようなキャリア形成を歩んできたのか
  仕事経験のデータを収集し、分析する
  
というのが論文の内容でした。



■私はエンジニアではありません。

そしてお読みいただいている方も、
自分エンジニアじゃないから

「そんなの関係ねえ!」で、
はい、終了。

の方も、いらっしゃるかもしれません。


…が、結構面白いです。

業界を超えた「サバイブする心構え」を
教えてくれている気がします。



■特に、この論文の面白いところは


「IT35歳定年説などと言われる業界で

 企業が手放したくない人材になるための 

 王道ルートをデータ分析で探す」
 
 
みたいな内容が興味深い。

生き残るための智慧が
詰まっているような気がします。



■知られているように、IT業界では


・どんどん新技術が入っていき、
 スキルをアップデートし続けなければならない

・ゆえに、エンジニアの労働者数は
 30代をピークに下がっていく傾向

・プログラマの労働者数は
 20代をピークに下がっていく傾向があり
 10年前から変わらない、


というのが現状です。


その生き残りが大変な中で

「周りに評価されて
 サバイブしてきた人たち」
 
は、

・どのような経験を、いつしたのか?

・どんな能力を培ってきたのか?

・仕事への姿勢はどのようなものか?

等の共通項目を探るわけです。


そのプロセス自体が

”時代を越えて活躍できる
 優秀なIT人材の定義”

を行なうようで、面白いなあ、
と思ったのでした。



■…さて、では
論文の内容はどうなっているのでしょうか。

いきなり飛んで、
結論をお伝えしてしまいますが、
(詳細は読んでみてください)


”「この人は働き続けてほしい!」という
 45歳以上の中高年IT人材10名”

 
から見つかった、

サバイブ(=長期戦力化する)ための
仕事経験の共通項目として
以下の3つが見つかりました。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<サバイブする(長期戦力化する)
IT人材を育てる仕事経験の特徴>

~中高年IT人材10名の仕事経験データの共通点より~


1)柔軟な職域移動

・職域を柔軟にまたぎながらキャリアを培っている
 (例:ITスペシャリスト→人事/セールス
    ITスペシャリスト→部門管理者 等)

・付加価値の高い上流工程での従事経験を持っている。
 顧客との折衝能力などを磨いている


2)キャリア早期からの担当工程と役割の拡大

・入社3年目をピークとした担当工程の拡大
 入社5年目程度からのチームリーダーへの役割上昇
 それを経て12年目前後で上流工程への職域移動を実現


3)組織のとって未知度の高い業務経験

・現在の職域では対応できない未知度の高い業務経験を
 減ることによって、汎用的な問題解決能力を高め、
 「どんな状況でもやっていける」という自己効力感を高めていた
 
・そしてそれらが1)の柔軟な職域移動を
 下支えしていたことがわかった
 


※またキャリアを大きな流れ(15年等の単位)でみた時、
 開発・スペシャリスト系職域というIT技術者としての
 色合いが強い領域のみで活躍する人材は皆無であった
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

とのこと。



■何だかごちゃっと
書いてしまいましたが、

長期戦力化がなかなか難しい
とされているIT業界において


・柔軟な職域移動

・キャリア早期から担当工程と役割の拡大

・組織にとって未知度の高い業務経験
 

の3つ、言い換えると


1,自分の仕事を限定しない
2,常に幅を広げていく
3,新しくチャレンジングな仕事をし続ける


ことが長期戦力化につながる、

と言えるかと。



■そしてこれらの要素

「自分の仕事を限定しない」
「常に幅を広げていく」
「新しくチャレンジングな仕事をし続ける」

を考えてみると、

そうおわかりの通り、
何もIT人材だけに限らないよな、、、

と思ってしまいます。


もう当たり前すぎる話してしまいますが、
やっぱりどんな業界でも、

時代は流れ、
技術も進み、
社会は変化していくものです。


その中で自分自身を

「エンジニアだから」とか
「セールスだから」とか
「事務だから」と、

職域や肩書で役割を区切り、
自己限定する時代は、
もう終わりを告げつつあるのでは、、、

そんなことを感じさせられました。



■サバイブすることが
目的ではありませんが、

いつになっても
自分にとって最良の選択肢を取れるように、
サバイブ能力を培うことも
とても大事な要素だとも思います。


ということで、
能力や技術を獲得していくこと。
自分の幅を広げ続けること。

論文を読みながら
大事なことだな、と考えさせられた次第です。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

まわりを見渡し、自分に何ができるか考え、
それを実行したならば、前へ進むことができる。

ローザ・パークス(米国の公民権運動活動家/1913-2005)

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