今週の一冊『弱さを抱きしめて、生きていく』
(本日のお話 1856文字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は今年初のフルマラソンの参加でした。
なんだかんだ、胃腸や身体が相当疲れていたようで、
ずっと消化ができない状態が続いておりました…(汗)
人は、身体を酷使すると、胃腸の働きがなくなるため、
こういうことが起こるそうです(Gemini談)。
人の身体は不思議ですね。
次のレースに向けて、まずは回復に努めたいと思います。
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、最近読んだ本の中から、一冊をご紹介する「今週の一冊」のコーナーです。
今週の一冊は、元自衛官でXのフォロワーが30万人を超える、インフルエンサーの「ぱやぱやくん」のこちらの著書です。
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『弱さを抱きしめて、生きていく。 自己肯定感低めの元幹部自衛官が教える「心が疲れない54カ条」』
ぱやぱやくん/著
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近年では、「弱さとどう付き合っていくのか」というテーマの著書も増えています。
ビジネス文脈でも、「リーダーは弱みをさらけ出しなさい」とか、「自分の弱さを受け入れる」などなど。
自分を大きく見せるような「強さ」に社会が疲れているのか…、その理由は定かではないにせよ、『弱さ』というのは注目されているキーワードの一つであると感じます。
そんな中で、「自衛官だけど、自己肯定感低めで、弱いんです」というぱやぱやくんの親しみあふれるエッセイ風のメッセージが、読みやすい一冊です。
書評も高い評価で「不安になった時に読んでいます」「寄り添うような本です」などと、支持されている内容も多く、気になって読んでみました。
ということで、早速中身を見てまいりましょう。
■本書の概要
元幹部自衛官という「強さ」が求められる世界で生きてきた著者が、実は自己肯定感が低く、生きづらさを抱えていた自身の経験をもとに、語る本です。
そして「弱さを否定せずに生きるための考え方」を54の短いメッセージとしてまとめた一冊であり、前向きになれない自分を無理に変えようとせず、心を疲れさせないための視点で書かれています。
目次としては、以下のようなテーマが挙げられています。
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第1章:「自分への期待値」を上げすぎた人たちへ
第2章:弱さを抱きしめて、生きていこう
第3章:「心に降る雨」の準備、できていますか?
第4章:ムリゲー社会を生き抜く「心の回復スキル」
第5章:「他人軸の呪縛」から自由になる
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各章ごとに、自衛官としての経験を素材にしながら、読者がすっと受け取れる言葉で編み上げているのが魅力です。
■病み上がりの胃腸にやさしい「雑炊」のような温かい本
私が本書から学んだことは「言葉の使い方」です。内容とは関係ないようですが、めちゃくちゃ大事だな、と思いました。
多くの場合、ビジネス書で書かれていることは、新規性があることばかりが書かれているわけでもありません。
むしろ既視感があることのほうが多かったりします。
ある編集者曰く、「全部新しすぎる内容だと、読者が疲れてしまう。だから商業出版では、3割が新しい内容で、他は知っているというレベルのほうがちょうどよかったりする」と言っていたのが、妙に合点がいきました。
そうした観点で見ると、ぱやぱやくんの今回の書籍は、聞いたことがある話を、病み上がりで疲れた胃腸にやさしい「出汁の効いた雑炊」のような言葉で届けられているところが、何より魅力だと感じました。
たとえば、こんな感じです。
自衛隊時代に「何者かになろう」と思っていたけれど、「何者にもなれなかった」という痛い経験を経て、こんな風に言葉を届けています。
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私は人生の経験を通して、何者かを目指すよりも「何者でもない自分が、自分なりにやってみる」という考え方のほうがはるかに面白く、自分らしくいられると気付いたのです。
P178
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そうだよね、といえばそうなのでしょうが、この書籍のタイトルからも「ますらお系ビジネス書」に疲れた読者は、やさしく背中を押してくれるような言葉を求めているとも想像できます。
そんなときに、そっと背中を押してくれる、そんな一冊だからこそ、多くの読者に支持されるのではないかな、と思いました。
■まとめ:何を書くかではなく「どう書くか」
乱暴なようですが、本書を読んで一番思ったのが、この言葉でした。
言われているエッセンスの具体性や読みやすさが、素晴らしいと感じる一冊でした。
なるほど…!みたいなアハ体験的な気付きは、私の場合はそんなに多くはなかったのですが、「なんだか癒やされた」ような、そんな感覚を覚えた本でした。
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・「自信はきまぐれ」だと思ったほうがいいと思います。自信はネコのよう擦り寄ってくるときもあるし、外に行って帰ってこないときもあります。(P191)
・想像してほしいのですが、激務の部署で上司に詰められまくっている人が「強くなっている」と思えるでしょうか?
いじめられている人が「成長できた」と思えるでしょうか。
おそらく、答えはNOです。辛いことは辛いに過ぎず、人を成長させるものではなく、歪ませます。(P142)
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「読みやすい」「等身大のメッセージ」ということこそが、人の心に届くのだな、と感じさせられた次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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