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2648号 2021年5月21日

「聞く」を積極的行為と捉え直してみる ー対話と議論の違いー

(本日のお話 1585字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は、2件のアポイント。
並びに、大学院の打ち合わせでした。

このところ、ずっと
グループワークをする機会が増えており、
その中で「聞く」大切さを感じています。

そんな大学院のプロジェクトを進める中で

仲間から「見習うべき姿勢だな」と
思った出来事がありましたので

今日はその話を皆様に
ご共有させていただければと思います。

タイトルは

【「聞く」を積極的行為と捉え直してみる ー対話と議論の違いー】

それでは、どうぞ。

■1ヵ月ほど前の大学院の授業の話。

「グループワークを通じて、
皆が、今なにを感じているか」

についてワークシートを
提出しました。

そのワークシートの回答を見て、

「皆さん、いろいろ書かれていましたが、

”みんなグループ役立ちたい、
受け入れられたい”

というコメントが多かったですね」

と、先生よりフィードバックがありました。

そのお話が、
「あーわかるわー自分もそんなの書いた」
と思い、記憶に残っています。

■仲間に受け入れられたい。
認められたい。

そう感じるからこそ、
意見が言える。

これは、組織や多くのチームで働く人は
多かれ少なかれ感じる気持ちでは
なかろうかと思います。

周りなんて、全然関係ねー
俺は俺の道をいく!

という人もいるでしょうが、

やっぱり他者の目は、
気になるのが人間ではないかと。

■人は人に受け入れられたい。

そんな中で、重要なアクションが
「受け手(聞く人)」であろうと思います。

「うん、うん」
「確かにね、それはそうかもね」
「逆に、それもありかもね」

といったリアクションが
聞き手からあると、実にほっとします。

■特に真剣な対話の場において

自分の発言に対して、
みんなが真顔で考えていると、

「あれ、自分の発言について
(こいつ馬鹿なんじゃないか?)
と思われてはいまいか」

と自虐的に思ってしまったり

「この発言は、ちょっと
今更感、ありすぎただろうか」

「自分だけが文脈
理解できていなかったのか、、、」

なんて不安にさいなまれること
しばしばあるもの。

無表情、あるいは
難しい顔をしながらの「聞く」と

共感、うなづきの
受容・承認がある「聞く」では

影響が全然違うよな、、、
と思うわけです。

■同じ「きく」でも

「ちょっとわかんなかったんだけど
もう一回言ってくれる」

とぶっきらぼうに
あるいは真顔で論理的に”きく”をされると
ちょっと萎縮します。

あるいは

「・・・」

と真顔でノーリアクションだと
不安になります。

逆に、

「なるほどねー!
それって、こういう理解で
合っているかな?」

と柔らかな笑顔を携えて”きくをされると
実に安心をするのです。

そう考えると、

「聞く」=受動的な行為 ではなく

「聞く」=能動的な行為

と考えられるでしょう。

■また、

人と人の”話し合い”は
いくつかのパターンがある、
と言います。

その一つの分け方が

『対話』と『議論』の違いです。

その違いは

◯「対話」=
雰囲気:自由なムード
話の中身:真剣な話し合い

◯「議論」=
雰囲気:緊迫したムード
話の中身:真剣な話し合い

(※ちなみに「雑談」は、
雰囲気:自由なムード
話の中身:たわむれのおしゃべり)

という分け方もあるようです。

(※参考:『ダイアローグ対話する組織』中原淳/長岡健 著)

■そして、私達は、

会議であれ
ディスカッションであれ
グループワークであれ

日々の仕事はこうした
”話し合い”を通じて進めていくわけですが、

必ずしも全てが緊迫したムードで
真剣に話す「議論」だけではありません。

むしろ、お互いの意見を理解し合う、

「対話」(=自由なムード×真剣な話し合い)

の中にこそ、

新たな視点の獲得や
まだ見ぬ可能性や選択肢が
生み出されるものです。

そんなシーンにおいて、
「積極的な聞く」、つまり、

「うん、うん」
「確かにね、それはそうかもね」
「逆に、それもありかもね」

という、

相手を受容・承認する
”きく”は、その場の空気を作り、
対話を促す上で実に重要な役割を果たしてくれる、

ゆえに、

普段意識されることはないけれど
想像以上に、場にもたらす「貢献度」は
大きいのだろうな、、、

と思うのです。

■”聞く”というと

ただ黙って耳に
情報を入れるもの、

と思いがち。

話し手が主役で、
聞き手は待ってる、みたいな。

しかし”聞く”行為を
積極的に、場に貢献するものである
と捉え直した時、

沈黙して聞く、でもなく

真顔で情報を頭の中で
処理するみたいな聞くでもなく

”話し手を意識した、共感的な「聴く」”

という行為は

意見を引き出し、
チームのアイデアを広げてくれる

自転車のオイルのような
柱時計の潤滑油のような
実に「貢献度の高いアクション」なのだなあ、

と思ったのでした。

■と、大学院の仲間がオンライン越しで

様々な意見に対して
微笑み、頷きながら

「なるほどね!」
「たしかにね」
「その視点なかったー」

と受け入れてくれる様子を見て、

【 「聞く」を積極的行為と捉え直してみる】

ことが大事だよなあ、

それこそが対話を促すんだなあ、、、
と感じた次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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