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2777号 2021年9月28日

「成功体験」を振り返る重要性

(本日のお話 2444字/読了時間4分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日月曜日は、3件のアポイント。
また夕方からは大学院の打ち合わせ2件。



さて、本日のお話です。

キャリア研修でも、
リーダーシップ研修でも、

「成功体験を振り返る」

なるワークを行うことがあります。

シンプルなようですが、
実に効果的なこのワークについて、

ある書籍の中で、
説得力を持って語られており、
「確かに!」と実に納得をいたしました。

ということで今日は

”成功体験を振り返る重要性”

というテーマで

皆さまに学びと気づきを、
お届けできればと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは、

【「成功体験」を振り返る重要性】

それでは、どうぞ。

■こんな調査があります。

「5年目までの
若手社員の育成担当者」

を対象に調査を実施したところ、

”育て上手の担当者には、
育成支援に特徴がある”

ことがわかりました。

それは以下の3つでした。

1、成功・失敗の原因を本人に語らせる

2,成功・失敗のパターンを認識させる

3,成功しても、より良い方法を考えてもらう

とのこと。

(※参考:松尾睦(2019)『部下の強みを引き出す 経験学習リーダーシップ』ダイヤモンド社より)

■社員の能力向上に
役立つ支援とは何か?

職場の学習における研究で、
その大きな一つは、

「内省支援」(=振り返り)

であることが、
明らかになっています。

※詳しくはこちら↓↓
素朴な疑問。上司が何をすれば「部下の能力」が伸びるのだろうか?
ー「職場学習」の研究から紐解く
https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/9981/

■そして、そんな
「内省支援」の中で、
特に上述の3つのように、

「成功・失敗の原因やパターンに自覚的になる」

ことの支援が、
育て上手の担当者に共通するという事実は
興味深いものがあります。

■ここで特に注目したいのが、

「失敗した原因を語らせる」

ことだけではなくて、

『成功した原因(理由)を語らせる』

ことかと。

では、なぜ
「成功した原因(理由)」を語らせることが
大事なのでしょうか?

その事を考える上で、
上述の書籍よりエピソードを引用、ご紹介いたします。

(ここから引用)
-ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

同様の方法は、育て上手のスポーツ指導者も採用しています。

北島康介選手や、荻野公介選手を育てた水泳コーチである
平井伯昌氏の言葉を引用しましょう。

「試合で泳いだあと、
成績が悪かったり、ミスをしたときには
『どうしてダメだったのか?』
誰でもがそう考えるはずだ。

もちろん、そうした反省も必要であることは確かだ。

だが、もっと大切なのは、
調子が良くて記録も上がった時に

『どうして良かったのか?』

と考えることである。

(中略)

選手の泳ぎはいつも順調に行くわけではない。
必ず崩れるときがくる。そのときに、

『なぜ、あのときできたのか』

それがわかっていないと、
調子をもとに戻せなくなってしまう。

一番大切なのは、悪くなったときの
『リカバリー能力』なのだ。」

※引用:松尾睦(2019)『部下の強みを引き出す 経験学習リーダーシップ』ダイヤモンド社より
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)

とのこと。

■つまり

「どうしてうまく泳げたのか?」

という「成功の理由」を
振り返ることで、

”スランプから脱出できる”

というわけです。

また、トップ営業マンとは
お客様が買ってくれたときに

「何故買ってくれたのか?」

を聞き、その理由を
振り返り、教訓にできるといいます。

まとめると
「成功の理由」を振り返り、
理解をすることを通じて、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1)「失敗パターン」から脱出できる

2)「成功の再現性を高める」ことができる

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

といえます。

■そして、言わずもがな、

これは同じことが
仕事でも言えます。



例えば、営業で言えば、

私(紀藤)自身の事例だと、
こんなかんじでしょうか。

<成功パターン「新規の案件が獲得できた」を振り返る>

◯なぜうまく行ったのか?を振り返る

・問い合わせが来て1時間以内に対応した

・1週間以内にアポイントを取り、
顧客の課題をヒアリングした

・その上で、一両日中に課題を反映した
企画提案書を提出した



◯改めて検証する

・顧客に「なぜ発注をいただけたのか?」を伺った結果、
「対応が丁寧でレスも早かった」という回答を頂いた。

◯教訓を得る

・レスの速さ、提案スピードは信頼につながる

■または、

別の例(研修運営)だと
こんな感じかもしれません。

<成功パターン
「参加者の発言も多く、”仕事への関連度”のスコアも高かった>

◯なぜ成功したのか?の理由

・「参加者1人ずつと対話」をし、
関係を作ることができたため

・各ワーク前の説明を、
「例示を示し説明したこと」で
ワークへの信頼が得られた

・「活用の具体例を多く出した」ことで
参加者が自分事に置き換えやすくなった

・事前の巻き込みができていた

…というように。

■上記は一つの例であり、
ごく一部の条件ではありますが

「どうしてうまく行ったのか?」

を都度振り返ることで、

”成功の理由”という
パズルのピースを一つずつ揃えて行くことが
出来るように感じます。

うまくいく理由とは、

”いつ何時も当てはまる
絶対的な答え”

などはなく

『状況において変わる、
その時々の答え』

の積み重ねでしかありません。

それでも、

経験したいくつもの状況を
振り返リ続けることで

成功に通ずるいくつかのパターンは
見えてくるものだと感じます。

■そして、それらを言語化し、
ピン留めしておくことで、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1)「失敗パターン」から脱出できる

2)「成功の再現性を高める」ことができる

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ことが可能になります。

■年を重ねるほど、

他者からフィードバックは
もらえなくなっていくものです。

しかし、

【「成功体験」を振り返る重要性】

を認識しつつ、

”「どうしてうまくいったのか?」を
振り返り、言語化する”

習慣をつけることで、

・自分自身の成長
・部下の成長

いずれにも役立てることが
できるのであろう、

そのように思った次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

成果をあげる人とあげない人の差は、才能ではない。
いくつかの習慣的な姿勢と、基礎的な方法を身につけているか
どうかの問題である。

ピーター・ドラッカー(オーストリアの数学者/1909-2005)

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