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2865号 2021年12月25日

痛みが悦びへ変わる!? 大人の学びの「変容学習理論」

(本日のお話 1888字/読了時間2分半)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は2件のアポイント。
ならびに10キロのランニング。

5月の100キロマラソンに向けて、
ぼちぼち走行距離を
伸ばして行こうと思います。



さて、本日のお話です。

ジャックメジローの

『変容学習理論』

というお話があります。

それが、私達大人が成長する上で
大切な概念を述べていると感じました。

今日はそのお話について、
皆さまにご共有させていただければと思います。

それでは参りましょう!

タイトルは



【痛みが悦びへ変わる!? 大人の学びの「変容学習理論」】



それでは、どうぞ。



■ジャックメジロー(1923-2014)という
「成人学習論」で有名な方がおります。

メジロー曰く

・子どもの学習は、

 両親や友人、メンター(先生)から
 規範をインフォーマルに学んだり、
 
 学校教育を通じた「形成的学習」を
 通じて学んでいく
 
 (つまり、0→1で学びを
  ”形成”していく)
  

・大人の学習は「変容的学習」に移行する。

 前提を受け入れるだけではなく、
 批判的に、反省的になり、
 
 新しい意味や、意味の捉え方を
 生み出すことで学ぶ
 
 
とのこと。

(簡潔にしましたが、
 おおよその意味はそんな感じかと)



■つまり、

「本当に、この前提って
 正しいんだろうか?」
 
「これまでの自分のやり方で、
 やっていけるのか?」
 
というように、

”自分がもっていた
 これまでの前提”
 
に対して

省察的になり、
意味を変えていることができる。

それが「大人の能力」であり、
大人の学習である、

というわけです。



※引用すると

”「学習」 というのは、
 意味を作っていくことに関わるものであり、
 
 「学習における最も重要な変容は、
 意味パースペクティブの変容である」”
 

”意味パースペクティブとは、

その中で私たちの過去の経験を新しい経験と融合させたり、
変容させたりしているような、認識的で、文化的で、心理的前提を
構成しているもの”

だそうです。


言葉を変えると

「ものの見方(パラダイム)が
 変容する」
 
というのも、
類似した考えとされているそう。



■…と、

前提が長くなりましたが、

この「意味パースペクティブ変容」が
変わることが、大人の学習であり、

『変容学習理論』

と呼ばれています。


そして、その特徴は、
こんな風に語られております。


”「パースペクティブ変容とは、

 従来の自分の考え方、感じ方、行動の仕方が
 うまく機能しないと感じる段階を出発点とし、

 自己の批判的吟味や、新たな自分の役割や
 自分の生き方の計画立案、

 その計画、役割を実行するための準備などを経て、
 新たな役割・関係性を自分のものとして
 生き始めることによって完結する過程”
 

だそうです。



■つまり、

・これまでの自分のままだと、
 上手くいかないようだぞ・・・
(=従来の自分がうまく機能しない段階)
 ↓
 
・これまでの自分のやり方を変える
 必要があるのかもしれない
(=自己の批判的吟味)
 ↓
 
・どうやって自分の役割や生き方を
 再構築すればよいのか
(=葛藤しつつ、
  新たな自分の生き方を計画する)

というイメージ。



■そして、

この『変容学習』のプロセスは

の一連の局面として
以下のように現れると
説明されています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『変容学習のステップ』(ジャック=メジロー)

1,混乱を引き起こすジレンマ

2,恐れ、怒り、恥辱感の感情を伴う自己吟味が始まる

3,想定や前提の問い直しがはじまる

4,自分だけでなく他者も、自分と同様であることを認識

5,新たな自分のための選択肢の吟味

6,行動計画の作成

7,計画を実行するための新しい知識や技能の獲得

8,「新たな役割」の暫定的な試行

9,「新たな自分」に能力感や自信を持つ

10,自分の生活の変容

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



■見ていただいた通り、

「変容学習」においては

・混乱を引き起こすジレンマ
・恐れ、怒り、恥辱感の感情
・想定や前提の問い直し

等、文字面を見ただけでも

”痛みが伴う”

ことが想像されますし、
実際にそうなのです。



■大人が学ぶとは、

何か新しい知識を獲得する(形成的学習)
だけではない。

これまでの自分の否定し
自らの見方を変容させ、
そして新しい自分を形づくっていく、

そんな

”これまでの自分の否定と
 新しい自分の再構築”
 
というものである。

まさに「変容」である、
ということかと思います。



■大人の学びは”痛み”を伴う。

しかし同時に10の一連の局面の
後半では、

・「新たな自分」に能力感や自信を持つ
・自分の生活の変容

とあります。


”痛み”から始まり、
そしてそれを経た上での
新たな自分とである”喜び”。


それが大人の学びだと捉えると、

新しいことにも挑戦し、
痛みも甘んじて受容できるように
なるのかもしれないな、、、

そんなことを思った次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

私たちは前進を続け、新しい扉を開き、
新たなことを成し遂げていく。
なぜなら好奇心旺盛だからだ。
好奇心があればいつだって新たな道に導かれる。

ウォルト・ディズニー(1901-1966)

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