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2926号 2022年2月24日

ポジティブさは「向日効果」を作り出す ~ポジティブ組織研究より~

(本日のお話 2217字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日の祝日は、
ポジティブ心理学についての読書と、
子供と公園へ散歩などでした。



さて、本日のお話です。

最近「ストレングス・ベースのコーチング」についての
書籍を読みふけっております。

『Strength-Based Leadership Coaching in Organizations:
An Evidence-Based Guide to Positive Leadership Development (English Edition) 』
(著:ダグ・マッキー)

この本が非常に素晴らしく、
エビデンスベースで強みの活用を語ってくれています。

またこの本の内容は追って皆さまにも
ご紹介させていただければと思います。



ちなみに、ストレングス・ベースの考え方は
「ポジティブ心理学」から端を発するのですが、

そのミシガン大学の
「ポジティブ組織研究協会(Center for Positive Organizational Scholarship)」
のハンドブックの中で紹介されている

「ポジティブさがなぜ大切なのか?」

というお話が、
シンプルだけど大切なことだな、
と感じることがありました。

本日はそのお話について
皆さまにご共有させていただければと思います。

それではまいりましょう!

タイトルは、

【ポジティブさは「向日効果」を作り出す ~ポジティブ組織研究より~】

それでは、どうぞ。

■「ポジティブ」であること。

明るい雰囲気がする人。
前向きな人、元気な人、
一緒にいて、気持ちが良い人。

こういった方が
その場にもたらす効果は
なんとなく感じられている方も、
少なくないのでは…と思います。

■同じ事象でも、

ポジティブなことに焦点を当てるのと
ネガティブなことに焦点を当てるのでは、
事象の解釈の仕方も変わってきます。

そして物事をどう解釈するかは
自分の感情にも影響があり、

それはひいては幸福度
(今風に言うとウェルビーイング)にも
影響を与えていく、とも思われます。

■そして、先述のミシガン大学の

「ポジティブ組織研究協会」
(Center for Positive Organizational Scholarship)

は、

・ポジティブ組織研究(POS)は幸福論に基づき、
人は人として最高の状態を目指しているという前提に立っている。

・組織の中での高潔さを研究するということは、
個人の他者への支援行動、強み、感謝(恩返し)、知恵、許し、希望、
勇気などに焦点を当てる

等々、

組織理論の中で、
これまで光が当てられてこなかった領域について、
焦点を当てようということで設立されました。

そこから、

・ポジティブ心理学
・ポジティブ組織研究(POS)
・ポジティブ組織行動(POB)

など領域が広がってきたそうです。

■「ポジティブって大事だよね」

とただ言っているだけだと
頭がお花畑なだけだよね、なんて
ツッコミが入るかも知れませんが、

”ポジティブさの研究”

においては

「対立、貧困、搾取、失業、戦争といった
ネガティブな現象に埋め込まれている

ポジティブなプロセス、成果、解釈に
焦点を当てようとしている」

ということは、

その価値を認識する上で、
大切なことなのでは、と感じます。

■ちなみに、この
「ポジティブさ」がもたらす効果として、

『向日効果』

なるものが紹介されていました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・ポジティブさに焦点を当てることで、「向日効果」が作り出される。
向日効果とは、全ての生物がポジティブなエネルギーに向かい、
ネガティブなエネルギーからは遠ざかる傾向があることを指している。

・ポジティブなエネルギーとは、普段太陽の光から感じられるものであるが、
人間間の親切さにおいても感じられる。

・人間も、ポジティブさに向かう自然な傾向があると考えることができる。
・幸せと安寧を生じるので、ポジティブさは尊いのである。

参考:『Positive Organizational Scholarship: Foundations of a New Discipline

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

とのこと。

■確かに、これ、
自分にも当てはまるな、と感じます。

例えば、誰かと接する時に、

「いやいや自分なんて」
「大したことないんっすよ」

と謙遜するように言ったとします。

もちろん、人だから
そう思うこともあるでしょう。

実際に、私もあります。

(特に大学院に入り、
世界が広がってからは更にその傾向あり汗)

ただ、その

「ネガティブな部分に焦点を当てても、
周りにとって(そして自分にとっても)
あまり良い影響がない」

ことがある、と(私は)思うのです。

■この話で思い出すのが、

大学院のチームプロジェクトが
1年間に2回あったのですが、

その際に2回とも、周りのメンバーからの
”伸びしろ”のフィードバックとして
こんな言葉を頂きました。

「誰かのことを褒めている時に
自分なんて…みたいなオーラがするのが
やす(私のこと)はもったいないと思った」

「データ分析苦手です、というときに、
”そこまで自分のことを下げなくても”と思う
言い方をされていたと感じました」

などなど。

(ちなみに妻からも
「やすさん(私)は、人のことを褒める時に
常に比較している雰囲気を感じる」
とよくフィードバックを受けます汗)

つまり「自分」に対しても、
ネガティブな姿勢でいるとそれが伝わるし、
それは必ずしも望ましい影響を生まない、

と感じたというお話。

■、、、つまり、

「他者」に対してはもちろん、
「自分」に対しても、

ネガティブな部分ではなく、
ポジティブな部分にフォーカスした方が、

人間間においては人と人をつなぎ
幸せや安寧を生み出す「向日効果」を生み出す、
という意味で大事なんだろうな、

と思ったのでした。

■色々と抑圧、葛藤を感じたとて、

その中のポジティブな側面に
光を当てようとすること。

この姿勢は学習可能だと思いますし、
そうすることで得られることも
多いように感じます。

、、、ということで、

私も自分自身意識して、
ポジティブ研究の学びをより活用したいな、
と感じている次第です。

ポジティブさ、大事ですね。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

世の中に実に美しいものがたくさんあることを思うと、
自分は死ねなかった。だから君も、死ぬには美しすぎるものが
人生には多々ある、ということを発見するようにしなさい。

ヘルマン・ヘッセ(ドイツの文学者/1877-1962)

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