今週の一冊 『M&A後の組織・職場づくり入門――「人と組織」にフォーカスした企業合併をいかに進めるか』
(本日のお話 1907字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日土曜日は、25キロのランニング。
神奈川県山北町というところに、
約1000メートルの山があるのですが
そこをランナー仲間と共に、早朝から往復。
5月の100キロウルトラマラソンに向けて、
少しずつ足の負荷を増やしております。
朝から山頂にて富士山を眺めて、
非常に気持ちの良い土曜日でした。
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊は
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『M&A後の組織・職場づくり入門――「人と組織」にフォーカスした企業合併をいかに進めるか』
齊藤 光弘 (著), 中原 淳 (著), 東南 裕美 (著), 柴井 伶太 (著), 佐藤 聖 (著)
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です。
■「色々な会社の文化が混ざっているから、
難しいこともあるんですよね」
お仕事で関わらせていただく
いくつかの会社の人事の方から、
そんなお話を聞くことがあります。
それは、
仕事の進め方が違うという
業務プロセスの話もあれば、
人事制度や業務システムなど
ハード面が統合されていないという
お話しだったり、
元◯◯だからという、
派閥的なものもある、、、等、
違った組織が一緒になった場合、
そこには様々な可能性と同時に、
課題も生まれるように思われます。
きっと、読者の皆様も、
そのような企業合併(M&A)に影響を受けた方、
いらっしゃるかと思います。
■ちなみに、
「M&Aなんて
うちには関係ないよ」
と思われている場合でも、
今後はどうなるのかはわかりません。
傾向として
・中核人材の確保のための買収
(アクハイアリング = Acquisition(買収)+hire(雇用))
・後継者不在による事業承継の問題
(事業承継ができず、M&Aする)
・企業の新規事業創出の課題
(新規事業をM&Aにより創出する)
・ノンコア事業(中核ではない事業)の再編・売却
等の流れは増えています。
ゆえに、自分たちが
その渦に巻き込まれるというのも
他人事ではないのかもしれません。
■さて、そして今回の書籍
『M&A後の組織・職場づくり入門
―「人と組織」にフォーカスした企業合併をいかに進めるか』
において、
”M&Aにおける諸問題と
それらの問題点の解決策”
を現場目線で活用できるような
人・組織づくりという視点で描かれています。
*
特徴的なのは、
1)一般的なM&Aについての課題と
関連する情報を整理している
2)315名のM&Aに関わった人たちの調査から
定量データとして分析している
3)M&A後のプロセス(PMI=Post Merger Integration)を
人・組織づくりの理論から解説しているところ
かと思います。
■例えば、
「1)一般的なM&Aの話ステップの説明については、
日本の社会の今後の見通し、
日本企業の経営的な課題等の解説に加えて、
M&A後のプロセスはどう進めるのかという
『PMIの5つのステップ』
準備ステップ
↓
変革実施ステップ(~100日)
↓
定着ステップ(~1年)
↓
発展ステップ(~3年)
↓
クロージングステープ(それ以降)
などのフレームを通じて
整理をされています。
また、
「2)データ分析」
の話で言えば
・「自分の強みや成果について対話が多いと、
シナジー創出の度合いが高まる」
・「会社による組織の統合支援が高いと
組織ロイヤルティが高まる」
など、
対話の大切さや、組織的な支援の重要性が
データとして語られています。
また
「3)M&A後のプロセスの人・組織づくりの理論からの解説」
についていえば、
たとえば、
『ダイバーシティ・マネジメント』において
・表層の多様性(年齢、性別、人種、民族等)
・深層の多様性(態度や心情、価値観、考え方)
の両面から考える必要がある、
というダイバーシティの捉え方についての示唆、
あるいは
『「言語感受性」の重要度』
について触れられたりしています。
”社会構成主義”という
言葉によって世界が作り出されるという考えがありますが、
特にM&Aなどの様々な感情が生まれ得る出来事の場合。
「買ったor買われた」などの言葉が、
合併した2つの組織における心理的な溝を生み出してしまう、
などが起こるなどの危険性など解説されています。
■実際に
”M&A”というものに、
関わられている方(巻き込まれた方)
は一部かもしれません。
しかし、これから先、
異なる仕事の進め方をしてきた人
異なる歴史を持った人、
異なる価値観を持った人同士で
共に歩んでいく、
共に何かを創造していくという機会は
必ず増えて行くと思います。
そういった文脈において
誰もが必要であると思われる
”違った人たちが共に歩み
新しいものを創造していくために
大切な考え方とプロセス”
がまとめられていると感じました。
私も頭の整理がされるとともに、
学びになった一冊でございました。
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<今週の一冊>
『M&A後の組織・職場づくり入門――「人と組織」にフォーカスした企業合併をいかに進めるか』
齊藤 光弘 (著), 中原 淳 (著), 東南 裕美 (著), 柴井 伶太 (著), 佐藤 聖 (著)
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