メールマガジン バックナンバー

『M&A後の組織・職場づくり入門――「人と組織」にフォーカスした企業合併をいかに進めるか』

今週の一冊 『M&A後の組織・職場づくり入門――「人と組織」にフォーカスした企業合併をいかに進めるか』

2936号 2022年3月6日

(本日のお話 1907字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、25キロのランニング。

神奈川県山北町というところに、
約1000メートルの山があるのですが
そこをランナー仲間と共に、早朝から往復。

5月の100キロウルトラマラソンに向けて、
少しずつ足の負荷を増やしております。

朝から山頂にて富士山を眺めて、
非常に気持ちの良い土曜日でした。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は

=========================

『M&A後の組織・職場づくり入門――「人と組織」にフォーカスした企業合併をいかに進めるか』

齊藤 光弘 (著), 中原 淳 (著), 東南 裕美 (著), 柴井 伶太 (著), 佐藤 聖 (著)



=========================

です。

■「色々な会社の文化が混ざっているから、
難しいこともあるんですよね」

お仕事で関わらせていただく
いくつかの会社の人事の方から、
そんなお話を聞くことがあります。

それは、

仕事の進め方が違うという
業務プロセスの話もあれば、

人事制度や業務システムなど
ハード面が統合されていないという
お話しだったり、

元◯◯だからという、
派閥的なものもある、、、等、

違った組織が一緒になった場合、
そこには様々な可能性と同時に、
課題も生まれるように思われます。

きっと、読者の皆様も、
そのような企業合併(M&A)に影響を受けた方、
いらっしゃるかと思います。

■ちなみに、

「M&Aなんて
うちには関係ないよ」

と思われている場合でも、
今後はどうなるのかはわかりません。

傾向として

・中核人材の確保のための買収
(アクハイアリング = Acquisition(買収)+hire(雇用))

・後継者不在による事業承継の問題
(事業承継ができず、M&Aする)

・企業の新規事業創出の課題
(新規事業をM&Aにより創出する)

・ノンコア事業(中核ではない事業)の再編・売却

等の流れは増えています。

ゆえに、自分たちが
その渦に巻き込まれるというのも
他人事ではないのかもしれません。

■さて、そして今回の書籍

『M&A後の組織・職場づくり入門
―「人と組織」にフォーカスした企業合併をいかに進めるか』

において、

”M&Aにおける諸問題と
それらの問題点の解決策”

を現場目線で活用できるような
人・組織づくりという視点で描かれています。



特徴的なのは、

1)一般的なM&Aについての課題と
関連する情報を整理している

2)315名のM&Aに関わった人たちの調査から
定量データとして分析している

3)M&A後のプロセス(PMI=Post Merger Integration)を
人・組織づくりの理論から解説しているところ

かと思います。

■例えば、

「1)一般的なM&Aの話ステップの説明については、

日本の社会の今後の見通し、
日本企業の経営的な課題等の解説に加えて、

M&A後のプロセスはどう進めるのかという
『PMIの5つのステップ』

準備ステップ

変革実施ステップ(~100日)

定着ステップ(~1年)

発展ステップ(~3年)

クロージングステープ(それ以降)

などのフレームを通じて
整理をされています。

また、

「2)データ分析」

の話で言えば

・「自分の強みや成果について対話が多いと、
シナジー創出の度合いが高まる」

・「会社による組織の統合支援が高いと
組織ロイヤルティが高まる」

など、

対話の大切さや、組織的な支援の重要性が
データとして語られています。

また

「3)M&A後のプロセスの人・組織づくりの理論からの解説」

についていえば、

たとえば、

『ダイバーシティ・マネジメント』において

・表層の多様性(年齢、性別、人種、民族等)
・深層の多様性(態度や心情、価値観、考え方)
の両面から考える必要がある、

というダイバーシティの捉え方についての示唆、

あるいは

『「言語感受性」の重要度』

について触れられたりしています。

”社会構成主義”という
言葉によって世界が作り出されるという考えがありますが、
特にM&Aなどの様々な感情が生まれ得る出来事の場合。

「買ったor買われた」などの言葉が、
合併した2つの組織における心理的な溝を生み出してしまう、

などが起こるなどの危険性など解説されています。

■実際に

”M&A”というものに、
関わられている方(巻き込まれた方)
は一部かもしれません。

しかし、これから先、

異なる仕事の進め方をしてきた人
異なる歴史を持った人、
異なる価値観を持った人同士で

共に歩んでいく、
共に何かを創造していくという機会は
必ず増えて行くと思います。

そういった文脈において
誰もが必要であると思われる

”違った人たちが共に歩み
新しいものを創造していくために
大切な考え方とプロセス”

がまとめられていると感じました。

私も頭の整理がされるとともに、
学びになった一冊でございました。

==========================
<今週の一冊>

『M&A後の組織・職場づくり入門――「人と組織」にフォーカスした企業合併をいかに進めるか』

齊藤 光弘 (著), 中原 淳 (著), 東南 裕美 (著), 柴井 伶太 (著), 佐藤 聖 (著)



==========================

365日日刊。学びと挑戦をするみなさまに、背中を押すメルマガお届け中。

  • 人材育成に関する情報
  • 参考になる本のご紹介
  • 人事交流会などのイベント案内

メルマガを登録する

キーワードから探す
カテゴリーから探す
配信月から探す