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2997号 2022年5月6日

どんな学びの場が、キャリア確立に繋がるのだろうか? ~「実践共同体」の研究より~

(本日のお話 1833文字/読了時間2分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は15キロのランニング。
また夕方からは大学院の授業でした。

100キロウルトラマラソンまで、あと16日。
体重を残り1.5キロ、
落としていきたいと思います。



さて、本日のお話です。


GW中に大学院の授業、
それとは別に「読書勉強会」という有志の集まりに
参加させていただきました。

そこで思ったのが、
「多様な人達と学ぶ」

のは実に自分の成長を促す力があると、
改めて感じております。
(ちょっと疲れますけどね)


さて、そういった「学び合いの場」を

『実践共同体』

と呼んだりしますが、

このことについて古今東西、
多くの研究がなされております。

そして先日、論文を読む中で
日本の論文で、面白いお話が紹介されていました。

今日はそこからの学びを
皆さまにおすそ分けさせていただければと思います。

それではまりいましょう!


タイトルは、



【どんな学びの場が、キャリア確立に繋がるのだろうか? ~「実践共同体」の研究より~】



それではどうぞ。



■2007年に発表された、


『企業で働く個人の「キャリアの確立」を促す学習環境に関する研究  
 一実践共同体への参加に着目して一』(荒木淳子,2007)


があります。


なんだかタイトルを見た感じ、
かたそうな感じがしますが、
この内容がなかなかおもしろい。

読みながら「へー」っと思いつつ
読み進めておりました。



■どういうお話かというと、

平たく言えば、

「個人のキャリア確立に
 学びの場が役立ちそうだけど、
 実際のところ、どんなのが役に立つのか?」
 
という問いをアンケート調査や、
インタビュー調査で研究した論文です。


「キャリア」とは、
誰にとっても他人事ではない話ですから、
とても気になるところかな、と思いますがいかがでしょう。

(、、、え、興味がない?
 そう言わず、しばしお付き合いください笑)



■この研究で問うたことは、
いくつかありますが、こんなテーマが
主な”探究のための問い”でした。

(仮説)
「個人のキャリア確立は
 ”実践共同体への参加”と”リフレクション(振り返り)”によって
 引き起こされる」

これを、検証しようじゃないか、というお話。



■このことについて、
アンケート結果から

「実践共同体(学び合いの場)への参加経験」と
「キャリア確立」の関連をデータ分析で調べてみました。


すると、

”実践共同体に参加した経験は、
「今後のキャリアに対する意欲と展望因子」に影響を及ぼす”
 
という結果がわかったのでした。


■もうちょっと具体的に言うと、
以下の質問について、影響を与えていたとのこと。

・「私は、これからの仕事において
 自分なりに望む目標や目的を達成していけると思う」
 
・「私は、現在の仕事においてうまくやっていけそうな感じがある」

・「私は、これから仕事において
 自分なりの専門領域を確立していけると思う」
 
(これが「今後のキャリアに対する意欲と展望因子」です)

、、、うん、

やっぱり学びの場への参加は
キャリア確立につながるんだ!

とある程度いうことができるかと思います。


■また加えてインタビュー調査として
こんな調査もしました。

ちょっと乱暴にまとめてしまうと、

「様々な実践共同体について、
 キャリア確立にどのような違いがあるのか?」

という問いです。


■以下3つのパターンの実践共同体があります。

1)所属組織な専門領域が
  同質なメンバーの実践共同体
 (=似たもの同士の集まり)
 
2)所属組織や専門領域が多様なメンバー
  + 気楽な情報交換 の実践共同体 
 (=いろんな人がごちゃまぜ)
  
3)所属組織や専門領域が多様なメンバー
  + 共同で解を出すことが求められる 実践共同体
  (=いろんな人がごちゃまぜ + 共通の目標)
 

この様々な実践共同体(学び合いの場)で
キャリア確立の点数を比較してみたところ、

上から

1)ー0.814点
2)0.534点
3)1.644点

となったとのこと。

母集団が少ないので、
これを即理論化、一般化できる話ではないですが、

傾向として

「異質性」✕「ガチな学び合い」

という組み合わせが、
最もキャリア確立を促してくれることが
示唆されそうなのは、興味深いです。

(同時に納得でもあります)



■100年時代と言われて久しい中、

リカレント教育、とか
大人の学び直し、とか

様々な方面で「学ぶことの大切さ」が
語られています。


正直、これは面白いといえば面白いですが、
大変っちゃ大変です。

お金もかかるし時間もかかるし、
何より学ぶことにも意欲が必要です。


■ただ一つ思うのは、

こういった学びの目的は、
明日すぐにどうかなるものというよりも、


”来るべき時に対する備え”


みたいなものとも思うのです。

今すぐにはどうにかなる、というのは、
多分ならないのでしょう。


、、、でも、ある時に
転機(異動、景気の変動、組織の解体)など
ゲームが変わった時に、

準備ができているか、できていないかで
その生存確率は大いに変わってくる、

とも思うのです。



■私(紀藤)の話で恐縮ですが、
もちろん社会の中で良い影響を与えていきたい、
という意欲はあるものの、

それ以上に、来るべきときに
価値を発揮し続けられる人間でありたい、

という不安のために学んでいる、
という側面も多分にあります。


ただ「キャリア」とは
私たち一人ひとりに関わることですし、

そんな「キャリア確立」に
学び合いの場(実践共同体)が関わっている、という話は、

自らの仕事人生を考えるための
手札の一つとして一つ認識をしておくことで
自分自身にも活かしやすくなるのではなかろうか、

この論文を読みながら
そんなことも考えさせられました。


、、、と偉そうにいっておりますが、

あと1年続く学びを頑張るために、
自らを奮い立たせようとしてみた、の巻でございました。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。


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<本日の名言>

人生を建設するには、
一つ一つの行動からやっていかなくてはならない。

マルクス・アウレリウス(古代ローマの皇帝/121-180)

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