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3150号 2022年10月6日

"やらされ感"が"やる気"につながっていくメカニズム ー外発的動機づけの内面化プロセスー

(本日のお話 2405字/読了時間4分)

■おはようございます。紀藤です。

さて、本日のお話です。

昨日は「自己決定理論」なる
お話についてお伝えさせていただきました。

※こちら↓↓
"自分でやろう!"という動機づけのために必要なこととは?
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/4312318/

今日もこの内容の続きについて
お伝えできればと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは

【"やらされ感"が"やる気"につながっていくメカニズム ー外発的動機づけの内面化プロセスー】

それでは、どうぞ。

■「人は言われたことはやりたくない。
でも自分で決めたことはやる(やろうとする)」

基本的に、人の動機とは、
このようなものであると言えます。

自分自身が、

興味をいだいていて、
好奇心が掻き立てられて、
新しく挑戦してみたいと思える、

みたいなことであれば、
まさに”内発的動機づけ”が沸き起こり、
自分でやろう!と決められるのでしょう。

■、、、といいつつ。
こういうケースもあると思われます。

「いや、別にやりたいこととかないっす」

ちーん。

という感じですが、
さて、こういった時どうすればいいのか、
という話。

しかし、このケース、
市井ではよく見受けられると思われます。

小学生では
「宿題やりたくない、遊んでいたい」
でも宿題やらなきゃいけない。

でも、自分から「やろう」という気持ちには
なかなかなれない。(ありますね)



社会人になってからも、
「これがチームの目標だから」と言われるが、
いまいち乗り気にならず、でも仕事なのでしぶしぶやる、

みたいに。

■では、そんな人達は、
「内発的動機づけ」に向かうことができるのでしょうか?

そんな中で興味深い考えがあります。

『外発的動機づけの内面化プロセス』

という考え方です。

平たく言えば、

”最初は外部からやらされていたけど、
だんだん面白くなってきて、
自分で決めてやるようになる”

ということ。

正式に言えば、

「外部にあった規制を
個人が自分の内に取り込み
自己決定できるようにするプロセス」

です。

■例えば、

先述の小学生の宿題でも、

・最初はやりたくない。
でもやらなきゃいけない。
母に言われてしぶしぶやる。(=外部からの規制)

・しかしプリントをやって
先生や母親から「できたじゃん!すごい!」
と言われていたらその気になってきた。(=規制を自分の内に取り込む)

・ゲームみたいな感覚になってきて、
自分から進んで次のプリントをやるようになった(=自己決定する)

というイメージ。

■そして、この
「外発的動機づけの内面化」は
以下のようなプロセスで進むとされています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『”外発的動機づけ”の内面化のプロセス』

(↑↑自己決定は低い)

<1)外的調整(External Regulation)>
・外発的動機づけの典型的なケース。
人々の行動は特定の外的条件によって制御される。
具体的な報酬を得るため、あるいは罰をさけるために人は行動する。

<2)取り入れ的調整(Introjected Regulation)>
・個人が外部の規制を取り込み、それを同じ形で維持している状態。
つまり「言われたことを消化せず、丸のみしている」状態。
失敗したら「上司から言われたんで」となるパターン。

<3)同一化的調整(Identified Regulation)>
・個人が行動することの価値を確認し、受け入れている状態
外部からの規制を、自分なりに解釈し内面化している。
例)自分の健康のために、自分で運動しています。

<4)統合的調整(Integrated Regulation)>
・外発的動機づけの最も完全な形。
行動の重要性を認識するだけではなく、
その認識を”自己の価値観やアイデンティティの他の側面と統合”している。

(↓↓自己決定は高い)

※参考)Deci.Ryan(2000)
”The What and Why of Goal Pursuits: Human Needs and the Self-Determination of Behavior”

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)

とのこと。

※ちなみに、上記を
「無動機」と「内発的動機づけ」で挟んだモデルを

『自己決定連続体』(The self-determination continuum)
(Deci&Rian,1985)

として紹介されています。

・無動機 or 外発的動機づけ or 内発的動機づけ)
・動機に影響を与えているものは何か(因果関係)
・関連するキーワードはなにか

について「動機づけの全体像」が
可視化されておりわかりやすいです。

■と、なんだか、
かたい言葉での説明になってしまいましたが、

要は

”最初は外部からの規制から始まっても、
だんだんと自分の中に取り込まれていく”

プロセスがある、ということです。

■そして、興味深いポイントが、
大きく2つあります。

まず1つ目が、

”「外発的動機づけの内面化のプロセス」は
自然な発達傾向である”

とされていること。(Chandler and Connell,1987

外から強制されていた行動も、
年齢とともに次第に内面化されていくことがわかっています。

たとえ最初は強制力から始まっても、
人はそれに適応し、自分のものにすることができるようです。

そして2つ目は、

”「外発的動機づけの内面化のプロセス」には
効果的に機能させるための支援が必要”

とされていることです。

具体的には、

基本的心理的欲求(有能感、自律性、関係性)が
満たされることで内面化が進みやすくなる、

というのです。



例えば、

小学校高学年の生徒の保護者に対して

親が子どもの学業に対して
自律的支援、対人的な関与、最適な構造化を
行っているかを調べたところ、

学校関連活動の規制を内面化している度合いに
直接影響を与えていることがわかった

という研究もあります。
(Grolnick and Ryan,1989)

つまり、

「自律支援」(自分でできるように支援
「対人的な関与」(応援や支援、ポジティブなフィードバック)
「最適な構造化」(自分でできるような習慣づくり」

などを行うことが、動機づけについても
ポジティブな影響を与えた、ということ。

■誰もが最初からやる気に
溢れているとは限りません。

内発的動機づけは
確かに望ましいし、期待したいところですが、

もしそれが難しい場合、
最初は報酬や罰からスタートしたとしても

きちんとした支援があれば、
それはその人の「内面」に組み込まれていきます。

そして最終的には「内発的動機づけ」へと
近づいていくのです。

■なんてルートもあると理解すると、

「やりたいこと、別にないっす」

という場合に対しての対応幅も
広げられそうな気がしますね。

ご参考になれば幸いです。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

「欲は少ないほどよく、まじめにやれば幸福になれる」と
昔から言われてきたが、”欲が少ない”ということ自体が、
間違った真理であった。

リヒテンブルク

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