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3231号 2022年12月27日

グルポン合宿の体験記 ー診断型組織開発を実践する(1日目)ー

(本日のお話 2153字/読了時間3分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日月曜日より、
南山大学、立教大学、玉川大学合同の
組織開発の合宿に来ています。

もちろん、諸々の感染対策はしつつ、
大学生、大学院生40名ほどが介して学び合うのは、
実に刺激的です。

今日はこの経験からの学びについて
皆様にご共有させていただければと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは



【グルポン合宿の体験記 ー診断型組織開発を実践する(1日目)ー】



それでは、どうぞ。



■1年前に、

「グルポン」

と呼ばれる
組織開発の3日間のワークに
参加をいたしました。

その時はオンラインでしたが
あんまり上手くいかなかった、、、
(学びは多かったですが)

というちょっとした悔しさから
今回は「対面」で合宿を行うということで
”おかわり戦”でまいりました。


※昨年のお話はこちら↓

【組織開発は「痛み」を伴うプロセスである ~合宿を振り返り思うこと~】
https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/10521/



■ちなみに、グルポンとは、

”Group on Group”

の略でございます。

6グループに分かれたチームが
クライアント役とコンサルタント役を
同時に体験するという
組織開発の学びの手法の1つ。



たとえば、

「A→B→C→D→E→F→(Aへ繋がり和になる)」

と円環の構造を作り

・「Aグループ」が「Bグループ」の
 コンサルタント役(チェンジエージェント役)をやる

・次のターンでは
 「Aグループ」は「Fグループ」の
 クライアント役となる、

という形で交互に体験をしていきます。



■面白いものでグループは

一つのチームとして
成長、発展していきます。

しかし、チームには大体
見えない”プロセス”が
働いています。


・いつも話し始める人が同じ

・話を振る人、それを聞くという
 固定化されたパターンがある

・あの人が発言をすると、
 大体その通りに着地する
 

みたいなイメージです。
 
そして

多くの人がそのプロセスの存在を
何となく肌で感じている。

しかしそれは、
どんどん前に進んでいく時間や
プロジェクトの中で明確には語られない。

ゆえに、向き合う機会もない。
ただし、チームの結果に
影響を与えている。。。



■そうした見えないプロセスを

”チェンジ・エージェント役”



クライアントに伴走しながら見える化し
そしてより効果的なチームに近づくために
介入をしていく、

それが「組織開発」であり、

今回の「グルポン」合宿なのでした。



■そして、その中でも

『診断型組織開発』とは、

以下のようなステップと
特徴を持った組織開発のことを言います。


(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<「診断型組織開発」の流れ>

1)エントリーと契約:
・クライアントのニーズを把握し、
 進め方やお互いの役割を合意する。
 
2)データ収集:
・インタビュー、質問表、観察などで
 プロセスに関するデータを収集する。
 
3)データ分析:
・データを整理する
 (診断モデルに基づいて整理がなされる場合がある)
 
4)フィードバック:
・データをクライアントにフィードバックし、
 対話を通じてプロセスについての気付きを促進する。
 
5)アクション計画:
・焦点づけられ、共有されたプロセスを変革するための
 アクションを計画する
 
6)アクション実施:
・計画されたアクションを実行する

7)評価:
・合意された変革目的が
 どれくらい達成できたかを評価する
 
8)終結:
・変革目的が達成された場合は集結する

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)

特に、

観察やインタビュー
質問紙などで「データ収集」をし、
「データ分析」する。


それを
「フィードバック」して、

その組織の伸びしろを共に見つけ
そして「アクション実施」していく、

この部分が”診断型”となります。



■詳細については
ここでは割愛したいと思いますが、

今回合宿に参加していて
個人的に興味深いと思ったことの一つが、

月並みではありますが、

”オンラインと対面の違い”

でした。



去年も参加した
同じプログラムなのに、

オンラインと対面では
やっぱり全然違うものだ、、、

と感じています。



■たとえば、

オンラインでは
グループワーク20分とあったら

そこでバシッとクライアントとの
お話も「終了」します。

そして次に合うときも
よーいドン!でまた20分。

その中で組織開発をやろうとします。



■ただ、対面では、
「行間」の時間があるのです。

20分始まる前の移動時間。

そこでもクライアントとの対話があるし、
そこに存在する空気感もあります。

それがオンラインよりも
圧倒的にわかりやすいです。


ワークとワークの間での
「ぶっちゃけ今のワークどうでした?」
とクライアントにちょろっと聞いてみる、

ということも可能です。



そうした非公式な対話や
行間の観察は、

実際の意思決定やワークの効果を
高めていると感じます。



■確かにアジェンダ通りにいけば、

その議題が終われば
前に進むかもしれません。


。。。とはいえ、
実際はそうはいかないのがチーム。


それは、人には感情があるし
チームにも雰囲気や流れがあるし
目に見えないプロセスがあるからです。


そして
その隙間を埋めていくのが


・”そのプロセス前後を含めた観察”だったり

・”会議と会議の間のやりとり”だったり

・”ちょっとした声かけによる信頼関係の構築”


だったりするのだろう、

そんなことを感じております。



■改めて、

こういった組織開発に携わると
そこに関与する自分の課題も
見えてくるものですが

優秀で熱心な大学生とともに
たくさん学びの機会を得ている
数年ぶり(もっとかも)の合宿でした。

人は人との出会いから学ぶものだな、
としみじみ思っております。

ということで、また明日も
続けたいと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

あまり人生を重く見ず、
捨て身になって何事も一心になすべし。

福沢諭吉
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