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3288号 2023年2月23日

ロープレで感じた「キャリアカウンセリングとコーチング」の違いとは

(本日のお話 1912字/読了時間2分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は2件のアポイント。
また16キロのランニング。

そして、夜は知人のキャリアコンサルタントの方に
ロープレ(実技)のご指導を頂きました。
(Oさん、ありがとうございました!)



さて、本日のお話です。

先日「キャリアカウンセリング」の
ロールプレイングを行う中で、

「コーチング」との違いを含めて
その違いに新鮮さを覚えておりました。

今日は少しマニアックな話でありますが
その両者の違いについて、
感じたことをご共有させていただければと思います。

それでは、早速まいりましょう!

タイトルは

【ロープレで感じた「キャリアカウンセリングとコーチング」の違いとは】

それでは、どうぞ。

■少し前のお話。

コーチングを
民間の資格講座で学ばれた後に
キャリアコンサルタントを受験された方に
お話を聞く機会がありました。

その方はその違いについて、
こんな風に語られていました。

「すごく大雑把ですが私が思うに、

コーチングは、

”目標やこれからどうしていくのか”

など未来志向で進んで行く、
つまり行動を重視し、
テンポが早いことに対して

キャリアカウンセリングは

”過去何があって、
なぜ今そのように思うのか”

と過去やそう思う背景に焦点を当てて進みます。
つまり、ゆっくり進むことがよい、

とされるように思います」

とのこと。

■そして、その方が

キャリアカウンセリングの
ロールプレイングをやった際、

”厳しいフィードバックをもらった”

と付け加えて、こうも言っていました。

「私がコーチングのように

・現状とありたい姿を確認して
・それに向けての目標設定

と質問をしていったら、

評価者の方に、

”傾聴が足りない”
”掘り下げがたりない”

と厳しい評価だったんですよね」

だそう。

■カウンセリング、コーチング、

どちらも共通する対話のスキルがあります。

例えば

・信頼関係構築
・傾聴
・質問(開かれた質問、閉じられた質問)
・感情の反映
・要約

などの基本的なかかわり技法は
共通しているのです。

使う技法は共通している

しかし、違うところは

『前提とする文脈』

にあるようです。

■先日、私(紀藤)も

ロールプレイングに
その道の専門家の知人の方に
お付き合いを頂いた際に、

フィードバックを頂き、
そのことについて合点がいきました。

例えば、

・コーチングでは、クライアントも
「今後どうしていこうか?」というモードで
来られる場合が多い

それに対して

・(キャリア)カウンセリングは、クライアントの元気がなく
「トーンダウンしている」状態で来られる場合が多い

という違いがある。

(確かに、ロープレの最初から
クライアントの空気がなんだか”重い”のです)



あるいは、

・コーチングでは
「現状とゴールのギャップ」と
「これからの選択肢」に焦点を当てる

に対して

・カウンセリングでは
「これまでの経験」とそこから構築されてきた
自分の価値観・信念を紐解きくことに焦点を当てる

という違いがある、

と感じたりします。

■もちろんコーチングにも
(そしてカウンセリングにも)

様々な考え方、流派がありますので
上記は一概には言えません。

ただし、大きく
そんな匂い、方向性の違いという

『前提とする文脈』

が違うと感じたのでした。

■それによって、
「同じ対話を通じた支援」であっても

・「傾聴」の深さ

・「質問」で有用とされる質問

・「フィードバック」の活用度合い

についても、

「Good」と評価される行動が
変わってくるわけです。

■これも一例ですが、

コーチングでは

「ここまでお話してみて
どうですか?」

と、自らの話をしたことから
自らで気づきを促す質問(=オートクライン)

が重宝されます。

ただし、
キャリアカウンセリングでは
(少なくとも試験では)
その質問は効果的ではない、とされます。

それよりも

「それはあなたにとって
どのような意味があるのですか?」

と、その人の
「経験の原点」に迫るような質問が
よりも評価される、

とのことでした。

■こうした経験を通じて
改めて思うこと、

繰り返しになりますが

「対話を通じた支援は、

”文脈ありき”
”相手ありき”

のものである」

ということ。

■カウンセリング、コーチング

それぞれの団体も、
よって立つ”文脈”によって
それぞれの是とされる行動があります。

それは多くの人の知見から
結晶化されてきたものです。

ゆえに、

それらを尊重ししっかりと学び
自分の血肉としつつも、

同時に目の前の相手(クライアント)もまた、

「一人ひとり違う経験と
価値観を持つ人間」

と忘れず、

教科書的な手法も参考にしつつ
自分なりの専門性を磨いていくことが

こうした対人支援の一つである
カウンセラー、コーチには
求められてくることなのであろう、

そんなことを思いました。

そして自分もそのために

「場数」

を何よりも経験していきたい、
そんなことを思った次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

あなたが他人とのつき合いで成功をおさめるその第一歩は、
あなたの他人を見る見方にあるのです。

ロバート・コンクリン
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