メールマガジン バックナンバー

3490号 2023年9月14日

優れたリーダーが用いる「4つの”構え”」とは

(本日のお話 1805字/読了時間2分半)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は3件のアポイント。
その他、プロジェクトの打ち合わせなど。



さて、本日のお話です。

今月号のハーバードビジネスレビューに
リーダーシップについてのある記事がありました。

その内容が興味深く、
また実践的なものであるように感じましたので、
今日はその記事からの学びを、ご共有させていただければと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは

【優れたリーダーが用いる「4つの構え」とは】

それでは、どうぞ。

■本日ご紹介する論文は、

『有能なリーダーは4つの「構え」を自在に操る』
デイビッド・ノーブル ,キャロル・カウフマン(2023)
https://dhbr.diamond.jp/articles/-/9930

です。

この論文の要旨は以下のような話です。

・リーダーが危機的な状況に直面したとき、
”過去のコミュニケーションスタイルに頼り、
反射的に行動してしまうこと”が傾向としてある

・しかし、事業環境が変化する中では、
自分が慣れ親しんだスタイルの選択肢を持つことが
優れたリーダーシップを発揮する上で重要である

・著者らは、
リーダーが対人コミュニケーションの選択肢を生み出すための手法
「4つのスタンス」を開発し、それを活用することが提案した

という話です。

■まず、本書では

「人の目標達成能力は
考えうる多様な道筋を描くことで高めることできる」

という米国の心理学者の
チャールズ・R・スナイダーの研究をもとにして、

”目標達成への選択肢が4つ以上ある”

ためにリーダーが取れる
選択肢を増やすことを検討した、と言います。

そして調査の結果、
以下の4つのスタンスが、
優れたリーダーシップの4つの「構え」であるとしました。

以下、論文より引用をいたします。

(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<「4つのスタンス」の活用ガイド>

【リーンイン】
◯特徴:
・積極的なスタンスで問題を解決する。
・意思決定をする、方向づける、誘導する、挑戦する、対峙するなどの行動がこれに当たる。

◯いつ利用すべきか
・メンバーが方向を見失って受け身になっているとき
・無秩序で急速な変化が起きている時
など

【リーンバック】
◯特徴:
・分析的なスタンスで、データを収集し、状況を観察し、問題を整理する。
・分析する、質問する、場合によっては決定を先延ばしにするなどの行動がこれに当たる

◯いつ利用すべきか
・チームメンバーがより多くの情報を必要としている時
・感情に訴える表現よりも、客観的なデータに反応しやすい人と仕事をしているとき
など

【リーンウィズ】
◯特徴:
・協力的なスタンスで、思いやりや関係構築を重視する。
・共感する、激励する、コーチングを行うなどの行動がこれに当たる。

◯いつ利用すべきか
・士気が低い時
・チームメンバーが外交的で、人のつながりが重視される時
など

【ドントリーン】
◯特徴:
・ドンとリーンは具体的な行動に出ることはなく、静かに自分を律する中で、
新しい解決策が潜在意識から湧き上がる余地を作る。
・熟慮する、可視化する、腹式呼吸で気持ちを落ち着かせるなどの行動がこれに当たる

◯いつ利用すべきか
・メンバーが自らなにかに取り組む必要があり、リーダーの存在が歓迎されないとき
・チーム全体が興奮状態にあり、落ち着かせるための小休止や一時中断が必要なとき
など

※引用『有能なリーダーは4つの「構え」を自在に操る』
デイビッド・ノーブル ,キャロル・カウフマン(2023)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)

とのこと。

■なるほど、、、。

そして、これを
実行するためのポイントとして

「自身のデフォルトスタンスを見極める」

ことを著者らは挙げています。

これはリーダーだけではないと思うのですが

”誰しもがやってしまう、
いつもの自分のパターンがある”

ようです。

■例えば、

【リーンバック(分析・情報)】がデフォルトだと

・分析で相手の理性に訴えられていても、心が離れていないか
・大量のデータに溺れていないか

というリスクがあると指摘します。

あるいは

【リーンウィズ(関係構築)】がデフォルトの場合だと

・やっかいな会話を避けがちになる
・相手に対する思いやりから業績不振を容認しがち

という傾向があるかもしれない、と指摘します。

そうしたスタンスが、
成果を出す上で弊害になるのであれば
「調整」をする必要があると述べています。

■いつものときは
自分のデフォルトスタンスを武器として
ガンガン使って成果を出すのは
「強みを活用するリーダーシップ」とも言えるものとも思えます。

ただ、難しい状況において、
そのパターンが使えない時、

あるいはメンバーや状況が
自分のデフォルトパターンとの相性が
よろしくないときには、

「自分のデフォルトパターンを調整する」

ことが有用のようです。

もちろん、言うは易く行うは難しで

普段と違うことを実行する難しさや
恐れや不安などもあることもあるので
一つのチャレンジではあるのでしょう。

しかし、

・自分のデフォルトスタンスという
選択肢しか持っていない

・いくつかのスタンスを
必要に応じて意図的に使えるようにする

とすることで

リーダーシップの幅が広がり
より組織にとっても効果的な行動を
実行することができるようになる、

とのことですし、試してみる価値はあるな、と思いました。

■自分のスタンスを知り、
自己認識を高めること。

そしてそれをうまく
「調整」できるようにする。

シンプルですが、
大事なポイントなのだろうな、

そんな事を学んだ論文でした。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

=========================
<本日の名言>

私は、敵を倒した者より、
自分の欲望を克服した者の方を、より勇者と見る。
自らに勝つことこそ、もっとも難しい勝利だからだ。

アリストテレス
==========================

365日日刊。学びと挑戦をするみなさまに、背中を押すメルマガお届け中。

  • 人材育成に関する情報
  • 参考になる本のご紹介
  • 人事交流会などのイベント案内

メルマガを登録する

キーワードから探す
カテゴリーから探す
配信月から探す