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3561号 2023年11月24日

「強み論文100本ノック」はじめます

(本日のお話 3154字/読了時間2分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は家族で公園へ。
また17kmのランニングでした。

やはり体を動かすと、
心も体もリフレッシュされて非常に気持ちがよいな、と思いました。
つかれたときほど、ランニングは有効だな、と感じます。



さて、本日のお話です。

私事ですが数日前に、

”「強み論文」について100本読んで、noteにまとめること”

をプロジェクトとしてやってみよう思いつきました。
題して『強み論文100本ノック』です。

ほぼ思いつきですが、その背景には色々思うところもありまして、
今日は、そのことについて言葉にしてみました。
(ちょっと熱苦しい話ですが、、、
もしよければ、お付き合い頂ければ幸いです)

それではまいりましょう!

タイトルは

【「強み論文100本ノック」はじめます】

それでは、どうぞ。

■「なぜ強みが大事なのか?」を深く説明できないもどかしさ

私の話になり恐縮ですが、2018年に人材開発・組織開発の会社を起業しました。
当初の理由は何か崇高な目的があるというより、
「営業だけではなく人前で話したり、経営的な目線を持ちたかった」という、
自己のキャリアの欲求の現れだったようにも思います。

さて、そうした活動の中でストレングス・ファインダーは自分も好きだったので
「ストレングス・ファインダーの認定コーチ」を取得したり
「システムコーチング」の資格を取得しました。

しかし、この資格を取得し、
実際に企業にお伝えすると、少し困ったこともでてきました。それは

「なぜ強みが大事なのか、深く説明することができない」とか
「なぜ対話が必要なのか、深く説明することができない」

というものです。

目に見える商品、ハード面の人事制度改革などで
実際に賃金フェーズを動かしたりすれば、何をするのかがわかりやすいです。

あるいは企業戦略の策定とかマーケティング施策というのも、
”何のテーマか?”が絞られているため、わかりやすいといえそう。

しかし、上述の「強み」、あるいは対話や関係性、リーダーシップと呼ばれる
ソフト的なアプローチは重要だと思う人がいる一方、伝わらない人にとっては

「それで会社が儲かるの?」
「それで営業成績伸びるの?」

と一蹴されてしまう内容でもある、と言えそうです。

ゆえに、営業活動をしていても
「対話や強みなどのテーマが好きな人探しの旅」になってしまう、、、
という感覚を覚えていました。

■強みの意義を「科学的」に伝えたい
しかし、実際に声を聞いてみると

「自分の強みを意識するようになってから、仕事をするのが楽になった」とか
「強みについてお互い対話をすることで、お願いがしやすくなった」とか
「仕事上のストレスが以前より減った」という生の声は届いているのです。

こうした「物語」は一つの説得材料にはなります。

しかし、別の見方をすれば
「それって、たまたまその人がそうだったんじゃないですか?」という
批判的な視点で見ることも可能です。

そこに対して、ううっ、となってしまうのが、口惜しいことでした。

「「強み」なるものが、経営的な観点”でどの様に役に立つのか?」
これを、もっと研究などのアカデミックな知見から語れたら説得力を持つのに、
と感じていたのでした。

ゆえに「物語」ベースだけではなく「科学的な根拠を持って伝えたい」、
といつしか思うようになりました。

科学にも限界があるしエビデンスが全てではない一方、
ある程度のエビデンスがあると、人を説得し、巻き込むことに役立つはず。
自分の狭量な視点かもしれませんが、そのように感じていたのでした。

■武器を与えてくれた立教大学大学院 経営学専攻リーダーシップ開発コース(LDC)
そんな中、とある大きな出会いがありました。
それが立教大学大学院 経営学専攻リーダーシップ開発コース(LDC)です。
ホームページでは、

”「豊かな経営学知識」に基づきながら、
「次世代のリーダーシップ開発(人材開発・組織開発)」を
企業・組織で推進することのできる高度専門人材を育成することを目的にした、まったく新しい大学院です”
立教大学大学院 経営学専攻リーダーシップ開発コース(LDC)

とありました。

説明会を聞くと、自分が求めていた「
経営学とアカデミックな視点」が手に入るのではと期待させられました。

そして、その扉を叩き、無事合格し、
2年間の濃厚な学びを経て、今年の3月に修了しました。
(このお話についてはまた改めて。
ここでは語り尽くせないくらい素晴らしい学びの経験でした。本当にお勧めです)。

その中で、手に入れた武器はたくさんあるのですが、その中でも、

「巨人の方に乗る(Stand on the shoulers of giants)」

という姿勢は大きな武器になりました。
(ちなみにこの言葉は、論文検索のGoogleScolarの検索窓のすぐ下に
表示されている言葉です)

自分が知らないと思っていることも、
世界には多くの研究者、先人・巨人がいます。

それらの方が「世界中の研究者たちが、その人生を捧げて、数々の研究をしている」という事実を、大学院の2年で痛いほど理解しました。

たとえば、ある研究では
「振り返りを行うことが、学習にどういった影響を与えるのか?
ひいては、業績にどのような影響を与えるのか?」というものもあります。
「強みに注目した対話によって、上司と部下の関係が改善された」
という研究もあります。

自分が知りたかった「科学的根拠」なるものは、
世界の何処かの誰かが、何かしらの形で紐解こうと探求をしている、
そして多くの場合、誰かがそれを研究結果として残しているという事実を知ったことが、
私の中で大きなパラダイムシフトでした。

ゆえに、大学院入学前と修了後で、行動として変わったことは、
気になったことがあると「こうした研究論文はないだろうか?」と
検索するようになりました。

■「強み」について調べていく中で、自信と確信が生まれていった
そうして、「強みの活用」についても、思えば2年ほど前から事あるごとに検索し、
メルマガとして発信してきたのですが、一覧にしてみたところ、
約50本ほどの記事になっていました。

<強み論文メルマガ一覧>

このプロセスを通じて、自分に起こった内的な変化は
「強みの活用というテーマに対するより深い理解と自信」でした。

色々な疑問をぶつけられても、先人の肩に乗ってその分野を見渡していく旅路の中で、「ある程度のことなら自分なりに答えられるという自信」や、
「自分は大切なことを届けているのだという確信」が高まったように思いました。

「強みに関する論文」は海外では、
特に2010年代前半ごろから、経営と接続された文脈での内容も
増えてきたように見えます。

しかし、そうした論文は少なくとも日本の人事や経営の中では
まだまだ知られていないように見えますし、
それらはほぼ知られていないように思います。

今、日本では「強みの活用」については
萌芽期からだんだんと成長期に向かっているように感じます。

強みの活用で代表的なアセスメントツールのストレングス・ファインダーの受検数は
日本が世界で2位だそうで、公認コーチも増え続けています。
しかし、日本は謙虚の文化の裏返しとして、
承認や強みに目を向けることが、とても苦手な国民でもあるように感じます。

■「強み活用」の科学的根拠をまとめてお届けしたい
、、、と長々と伝えてしまいましたが、
そんな中で、もし自分が読んだ論文を、何かしらの形でお届けできたら、
同じく「強み」に関して興味を持ちつつある人にとっても役立つ(かも)しれないし、

自分がこの分野で専門性を高める上でも良い経験になるだろう、
そんな事を思ったのでした。
わかりづらいこともあれば、面白くないこともあれば(汗)、
ウロウロすることもあると思いますが、これから100本目指して、
強み論文の探求の旅を続けて参りたいと思いますので、
もしよろしければ、お付き合いいただけますと大変うれしい限りです。

※本日のメルマガは「note」にも、より詳しく掲載しています。
よろしければぜひご覧ください。

「note」の記事はこちら

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<本日の名言>

巨人の肩の上に立つ

アイザック・ニュートン
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