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4509号 2026年6月30日

ファイル管理法の「4つの鉄則」はコレだ! —約60年間の研究が示す答えとは

(本日のお話 2678字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は、IT企業の新入社員向けの「プロアクティブ行動」の
フォローアップの研修を行わせていただきました。

「フィードバック探索」などの重要な方法を、
6つのステップに分けて実施の練習をする、という内容です。

皆さま、同期同士での練習などを含めてやっていただきましたが、
フィードバックする・されることの意義が伝わっていただいたようで
嬉しく思った次第です。

その他、夜は、妻の誕生日のお祝いなどでした。



さて、本日のお話です。

先日、フォルダ分けに関する論文をご紹介しました。
今日も「ファイル管理」というマニアックな領域を続けます(笑)

なんと、1960~2018年までの約60年にわたる
230以上の文献を統合したメタレビュー論文があります。
(そんなにファイル管理で研究があるのか…というほうがびっくりですが…)

「どうやってグループ化すればよいかわからない」
「共有フォルダの命名ルールがバラバラで困っている」

…そんなフォルダ管理の悩ましい声に答えるための
「4つの鉄則」とは一体何なのか?

早速、中身を見ていきましょう。

それでは、どうぞ!

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<今回の論文>
・タイトル: The Ubiquitous Digital File: A Review of File Management Research
(ユビキタスなデジタルファイル:ファイル管理研究 of レビュー)
・出版: Journal of the Association for Information Science and Technology, 71(1), E1–E32(2020年)
・著者: Jesse David Dinneen、Charles-Antoine Julien
・所属: ヴィクトリア大学ウェリントン 情報管理スクール(ニュージーランド)/マギル大学 情報研究スクール(カナダ)
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■30秒でわかるこの論文のポイント

・「ファイル管理(保存・整理・検索・共有)の4つ」は、
コンピューター利用において最も根本的で
ユビキタス(いつでも・どこでも・誰でも使える)な活動のひとつ

・人間の脳は「キーワード検索」より、
「フォルダを辿るナビゲーション」の方が認知負荷が低く、
神経科学的にも証明されている

・タグ付けより一貫した命名ルールとフォルダ階層が、
最終的に最も失敗しない管理方法である

・共有スペースでは、
削除基準・命名規則・組織化ポリシーの「明文化」が
破綻を防ぐ唯一の手段

■なぜ「ファイル管理」が研究されてきたのか

コンピューターを使う人は毎日、ファイルをダウンロードし、
移動させ、名前をつけ、検索し、共有し、削除しています。

これほど日常的な行為であるにもかかわらず、
「ファイル管理」という活動に特化して文献を包括的にレビューした研究は、
これまで存在しませんでした。

本論文は、1960年から2018年にわたる230以上の文献を統合した
この分野初の体系的なレビューです。

個人情報管理、人間とコンピューターの相互作用、情報検索など、
複数の研究領域にまたがって蓄積されてきた知見を、
「ファイル管理」という一つの軸で再定義したところに、
この論文の価値があります。

■研究の方法

Web of Science、Scopus、Google Scholarといったデータベースを活用し、
「personal information management」「file management」などのキーワードで
文献を検索。最終的に約230本の論文・書籍・会議録を選定しました。

■わかったこと1:ファイル行動は「4つの動き」で成り立っている

レビューを通じて、
ファイル管理におけるユーザー行動は大きく4つのテーマに整理されました。

⑴ 保存(Storing)
ユーザーは平均4,700〜15,000個ものファイルを保持しています。
独自のルールで命名を行いますが、名前の重複は日常茶飯事で、
それが後の検索やナビゲーションの妨げになっています。

⑵ 組織化(Organising)
主にフォルダ階層が使われますが、
その深さや分岐の多さはユーザーによって驚くほど多様です。
分類の手間を嫌い、「とりあえずここに投げ置く(ダンプ)」
という行動を取るユーザーも少なくありません。

⑶ 検索・回収(Retrieving)
検索ツールがどれほど進化しても、
ユーザーは一貫して「キーワード検索」より
「フォルダを辿るナビゲーション」を好みます。
ナビゲーションの方が認知負荷が低く、
脳の空間認知領域が活性化するためです。

⑷ 共有(Sharing)
共同管理スペース(チームドライブなど)では、
他人が作った見慣れないフォルダ構造の中で
ファイルを紛失するリスクが高まります。

所有権の曖昧さや削除ポリシーの欠要が、
慢性的な課題として上げられています。

■わかったこと2:230の研究が導いた「4つの鉄則」

この論文は「こう管理しなさい」という
絶対的な処方箋を直接提示するものではありません。

しかし、科学的知見を統合した結果として、
認知負荷が低く失敗しないファイル管理の方向性が見えてきます。

◯鉄則⑴: 「フォルダ分け」を主軸にせよ

「検索機能が発達したからフォルダは不要」というのは誤りです。

人間の脳は、空間的にフォルダを辿る方が圧倒的に得意で、
検索はあくまで「どこに置いたか忘れたときの最後の手段」として使うのが最も効率的です。
(3~4階層までが、1フォルダあたり21以内がおすすめ)

◯鉄則⑵: タグは無理に多用するな

タグには「1つのファイルを複数カテゴリに属させられる」メリットがありますが、
毎回適切なタグ名を考える行為が脳にストレスをかけます。

実験でも、ユーザーは最終的にタグよりフォルダを好み、
タグを1つしかつけない傾向が確認されています。

◯鉄則⑶: 名前の付け方に「一貫したルール」を持たせよ

ファイル名には、[日付][プロジェクト名][ドキュメントの種類・目的]_[バージョン/パート]を含めることがオススメ。
意図通りにするために、数字や記号(アンダースコアや半角ハイフン等)を先頭に活用することも効果的です。
(例:20260630_出版プロジェクト_見出し原稿_v2)

◯鉄則⑷: 共有スペースでは「明文化されたルール」を必ず作れ

他人が作ったフォルダ構造は、自分にとって理解しにくく
、回収の失敗率と作業時間が大幅に増加します。

チーム内で「削除の基準」「命名規則」「組織化のポリシー」を
あらかじめ合意・明文化しておくことが、
共有スペースの崩壊を防ぐ唯一の手段です。

■まとめと感想

おそらく、こうした話は「当たり前の人にとっては当たり前」の話で、
組織の中でも、語り継がれてきているものだと思います。

しかし、私はこの「フォルダ管理の4つの鉄則」を社会人になって
しばらくするまでは知りませんでした(少なくとも十数年は…汗)。

そのときのフォルダ検索に翻弄されていた、
あの頃の忸怩たる思いが、
今この論文に目が行ってしまったのかもしれません。

ファイル管理という行動が
「保存・組織化・検索・共有」という4つの観点から成り立っていること。
そして、それに基づく4つの鉄則があること。

どれも地味な作業ですが、
それが長期的な効率を支える基盤になるのだということを、
今回のレビューは改めて教えてくれた気がします。

ということで、もしファイル管理に曖昧な点がある方は、
本論文をご参考に整理してみると、
効率が上がり、ストレスも減るかと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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