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485号 2015年3月4日

目標は高く持ったらダメ

■おはようございます。紀藤です。

昨日は、リーダーシップに関する説明会の開催。

愛知からはるばるお越し頂いたAさんを始め、
たくさんの方にお越し頂きました。

その後は、お客様とランチ。
(I様、お忙しい中ありがとうございました!)

そして、いつもながらのお客様とのご商談。

■さて、今日のお話です。

言わずと知れた、野球界の生ける伝説イチロー選手。

彼が小学校5年生の時から、
「夢を具体的に記していた」という話、
皆さまも聞いたことがあるのではないか、と思います。

そんなイチロー選手の「目標設定術」について、
専属打撃投手を務め
最も身近で支えてきた奥村幸治さんが、
語ったとあるお話がありました。

「なるほどなあ」と思わされる内容でしたので、
共有したいと思います。

では、どうぞ。



「イチロー選手の目標設定術」

オリックス・ブルーウェーブ入団3年目
1994年の時のこと。

イチロー選手は周囲の雑音を避けるため
スポーツ新聞には目もくれなかったが、
私にとって彼の成績は常に注目の的だった。

その中で私が特に注目していたのが、
4月に29本、
5月に30本を超えていたヒット数だ。

彼の頭の中にはヒット数についての考えはなかったようなので、
私は何気なく、
「1か月にヒット30本という目標は難しいの?」
と尋ねた。

「その目標いいですね」

イチロー選手の返事は早かった。

その目標をクリアするには、
1日に1本、調子がよい時は2本打つことをイメージすれば、
決してクリアできない数字ではない。

1日に確実に2本ヒットを打つのは難しくても、
それならできるかもしれないと考えたのだろう。

蓋を開けてみれば、
7か月にわたるシーズンを経た時点で、
当時の日本プロ野球史上最多安打となる
210本まで到達したのだから
本当に驚くばかりだった。

もっとも、イチロー選手は常に
「1本1本の積み重ね」
ということを意識していたので、
210本という数字はあくまで結果にすぎない。

彼が目標設定をする上で、私と話したことがうまくマッチしたということだろう。

目標を設定するにあたって、
イチロー選手は20代にして
既に明確な考えを持っていた。

「目標は高く持ったらダメなんですよ」

初めてこう言われた時、私は正直戸惑った。

なぜなら一般的には
「目標は高く持て」と言われているからだ。

彼はこう続けた。

「目標が高すぎて手に届かなかったらどうするんですか。
 そこで諦めてしまうでしょう。
 それは目標としておかしいんじゃないですか。
 まず自分がクリアできるところに目標を設定して、
 それをクリアできたら次の目標を立てればいい。
 目標をクリアするたびに達成感を味わうことで、
 さらにプラスに物事が考えられるようになっていくんですよ。
 逆に達成できない目標だったら
 追い込まれるばかりで何が楽しいんですか。」

イチロー選手の言う「楽しい」とは
世間的な和気藹々としたものではない。

勝負の世界において、彼のいう本当の楽しみとは何か。

それは自分自身に欠けているものを
一つ一つクリアしていくことで、
自分を成長させていくことにあった。

(後略)

(到知 2015年3月号特集「成功の要諦」より)


■いかがでしたでしょうか。

「目標は高く持ったらダメ」

「目標をクリアするたびに達成感を味わうこと。
 それでプラスに物事が考えられるようになってくる。
 達成できない目標だったら、追い込まれるばかりで何が楽しいのか。」

まさしく、「目標」について、

的を射た発言で、ギクリとさせられてしまいました。


■人は機械ではありません。

だから「目標を掲げた」というだけで、
勝手に歩いていけるものでもないと思います。

よほど精神力が強靭であるか、
または自分を追い込むのが大好きなM的気質の人(失礼)でない限り、
遥か彼方にわずかに豆のように見える
エベレストのごとく目標に向かって、
ひたすらに歩みを続けられるような人は、
なかなか、いないのではないでしょうか。


■私自身も年間営業目標という、
私にとって大きな、大きな目標を持っていますが(苦笑)、
それも、その莫大な目標数字(!)を見るのは、
まるで遠い山を見ているよう。

でもそれを、
四半期の目標に分け、
そして1か月の目標に分け、
そして今日1日何をするのか、まで落としていく。
そして、

「”今日は”これをやるんだ!」

という現実的な、達成可能な目標まで落として、
始めて温度感を持ち、
自分のやる気を刺激してくれるようになる、
そう思うことがしばしばあります。


■”目標は高く持たない。目の前の小さな目標を積み重ねる”

この言葉をモットーに、
今日できることは小さな目標だとしても、
それが、はるか彼方にある
大きな大きな目標達成に繋がっていることを信じて、
今日もがんばりたい、と思う次第です。


最後までお読み頂き、誠にありがとうございます。
今日が皆様にとって、素晴らしい1日になりますように。

【本日の名言】 もともと地上に道はない。
歩く人が多くなれば、それが道になるのだ。

               魯迅

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