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437号 2014年12月18日

日本の教育と、日本の未来

■おはようございます。紀藤です。

手術後4日目です。
私は医師の指示通り、ただ寝ているだけですが、
少しずつ体が良くなっていくのを感じます。

昨日は、寝るのが仕事ということで、
基本寝て、時に起きて本を読む、という1日でした。

そんな中、昨日読んだ本から、
『池上彰の「日本の教育」がよくわかる本』より、
一つ、ご共有させて頂きます。

■さて、「日本の教育」は世界の中では、
このような評価を受けているとのこと。

OECD(経済協力開発機構)によると、
「日本の教育は、量と質の双方から見て、極めて優れていると絶賛している」
とのこと。

ちなみに、1億人を超える国で識字率100%という国も日本以外ないそうです。

素晴らしいですね。
日本に生まれたことを誇りに思います。

・・・といいたいところですが、
この話は、このように続きます。

・しかしながら、小・中学校への公的支出はOECD平均より低い。
 「塾」などの民間支出によって補われている。
・加えて、日本の幼児教育・保育への一人あたりの支出もOECD平均より低い。
 私費負担割合は、OECD加盟国34カ国中、最も低い。
・教育機関への公的支出が国内総生産(GCP)に占める割合は、日本は3.6%。
 (OECD平均は5,4%)。
 これは比較可能な30カ国中最下位。日本は4年連続最下位である。
・高校が無償でないのは、先進国では日本のみ。
 (国連で、高校の無償化は人権規約の中で定められているが、日本は留保にしている)

とのこと。

つまり、「国として教育をサポートする」、というよりも、
「家庭が身銭を切って子供を教育する国」という評価のようです。


■ちなみに、
このような事実がどんなことがもたらすかというと、
池上氏はこのように述べます。

「塾への費用を払えて、私立に通わせる余裕がある家庭の子は、
 高い学力を身に付ける可能性が高まる。 
 収入の高い家の子は、将来収入の高い親になる可能性が高まる。
 逆に、収入の低い家の子は、収入の低い親になり、
 その子供もまた十分な教育を受けられずに収入が低くなる。
 格差は再生産され、固定化されていく。」

とのこと。
(恐ろしいです・・・。 他人ごとではない、と感じます)


■少し重たく、説明くさいお話が続いてしまいましたが、
ここからが私が今日、皆様に最もお伝えしたいことです。

上記の内容を踏まえて、
「教育にもっとお金をかけるべきなのはわかる。
 でも、今の財政状況も厳しい・・・。
 じゃあどうすればいいのよ?」
ということで、池上彰さんが、
OECD事務総長のアンヘル・グリア氏が2011年に来日した際に、
「教育投資」と「財政問題」の両立について質問をしたそうです。

するとアンヘル・グリア氏の答えは、
次のようなものでした。

【目の前に危機があるからと言って、今日の教育予算を切ることは、 
 明日の日本の成長を切ることになる】

無知な私ではありますが、
このことを聞いたとき
「本当にその通りだ」と強く納得していまいました。


■「今がしんどいからといって、未来への投資をしなければ、
 未来の自分の可能性を犠牲にすることになる」

これは、何も教育問題だけでなく、
あらゆることに通ずることである、というのは、
誰もが理解できることではないでしょうか。
(「7つの習慣」ではこのことを”P/PCバランス”と呼びます)

知っていても知らなくても、
既に決まっている仕組みやルールが
私たちの日常に影響を与えているのは、言うまでもなく事実。

そして、それを変えられるのは、
やっぱり政治なのでしょうね。

ちょうど総選挙がありましたが、
この「教育の話」を考えながら、
私達自身、勉強して意見を持ったり、発信したりすることが、
大切なのかもしれませんね。

とにもかくにも、
国の教育においても、自分自身においても、
「今がしんどいからといって、未来への投資を考えない」
という愚を侵さないようにはしていきたいものです。


最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今日が皆様にとって、素晴らしい一日になりますように。

【本日の名言】 自分がわずかなことしか知らないということを知るためには、
多くのことを知る必要がある。                
                 
                   モンテーニュ

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