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429号 2014年12月5日

一回教わっただけで、完璧にできることを期待する病

■おはようございます。紀藤です。

少し前にテニスで、
初めてのプライベートレッスンというものを受けました。

「ストロークは、八の字を描くように!」
「テイクバックをもっと早く!」

などと、マンツーマンで2時間みっちり指導してもらったことで、
見違えるほど上達することができました。

しかし、翌週になると、
言われたこと、コツを覚えているものの、
やろうとしてもできません。

もどかしくて、コーチに相談します。

「先週はあんなに上手くいったのに・・・
 どうすればいいかわかっているはずなのに、できなくなってしまいました(涙)」

コーチは笑いながら、答えました。

「いやいや、そんなもんだよ!
 一回教えて、コツをつかんだ後に、 
 繰り返し、繰り返し何度も思い出しながらやる。
 それで初めて”自分のもの”になるんだよ。」

「一回教わっただけで、もし完璧にできたら、 
 それこそ、みんな、錦織になっちゃうよ(笑)」


■このやりとりを通じて、
「確かに当たり前のことだよな」と、
上達しない自分にちょっと安心すると同時に、

【一回教わっただけで、完璧にできることを期待する病】

にかかっていた自分に、「はっ」とさせられました。
(あえて「病」といったのは、
 忘れた頃にすぐぶり返す、という意味を込めて)

人間は機械ではないので、
「このアプリをインストールしたら、次の瞬間から、完璧に出来るようになる」
なんてことは(言うまでもないことですが)ありえません。

何度も何度も何度も失敗して、ちょっとずつ出来る確率が高まる。

それが実際のところでしょう。

何かを1回教わったら、
すぐに出来る、または出来るべきである、と感じてしまう。


■テニスのストロークの話を例に出しましたが、
それが「時間管理のテクニック」であろうが
「早起きの習慣」であろうが、
「相手の話を傾聴する」であろうが、
同じようなものではないでしょうか。

教わったからすぐにできるものではなく、

【何度も失敗しながら、繰り返し続ける】

ことで、ようやく今までのやり方から脱却し、
新しいやり方が身に付くものなのだと思います。

「7つの習慣」では”習慣”について、
このようにいっています。

”習慣の引力も非常に強い。
ちょっとやそっとの意志ではとても断ち切れない。
生活を多少変えるだけで断ち切れるものではない。
「リフトオフ」には並外れた努力がいる。
しかし、引力からいったん脱出できれば、
まったく新しい次元の自由を手にできるのである”

人が成長するときに、多くの場合、
「魔法の杖」というものはありません。

根本的に変わっていくためには、
地道で着実な日々の努力をどうし続けられるか。

結局はそれが大事なのだろうな、と強く思う次第です。


最後までお読み頂き、ありがとうございます。
今日が皆様にとって、素晴らしい一日になりますように。

【本日の名言】 人は繰り返し行うことの集大成である。
それゆえ、秀でるためには、
一度の行動ではなく習慣が必要である。
                
                  アリストテレス

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