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1027号 2016年12月6日

私たちの一声は、大きな大木に打ち付けられた小さなハンマーのようなものだ

(今日のお話 2103字/読了時間2分)
■おはようございます。紀藤です。

昨日は1件のアポイント。
ならびに社内打ち合わせなど。

また夜はしばらくお休みしていたDMM英会話(オンライン英会話)にて、
セルビアの格闘家(?)の方とお話。


日本人とセルビアの違いについて話をする中で、
「充実した生き方とは?」
という議題で盛り上がりました。


今日はそのお話の紹介と共に、

「幸せ」

という話で、思うところを
皆さまにご共有させていただきたいと思います。


それでは、どうぞ。

■セルビアの格闘家、シムズさん。

昨日のDMM英会話の先生は、
元軍人で、マーシャルアーツの格闘技を30年やっている、
色んな顔を持つ方でした。

そんな彼からセルビアについて
色々なお話を聞かせてもらいました。


ちなみに「セルビア」について
少し補足させていただきます。

セルビアは小さな国で、
侵略、紛争などの問題を歴史的に抱えてきた国です。
(そして世界的テニスプレイヤー ノバク・ジョコビッチの国!)

今は平和を維持しつつ、
農業や鉱業が主な生業(なりわい)。


そして、そんなセルビアのGDPは425億ドルです。

日本と比較して見るとわかりやすいですが、
日本のGDPが5兆499億ドル(2016年)なので、

”経済的な力でいえば、日本の約100分の1”

ということになります。

月の給与は日本円にして、平均2万円。


日本とだいぶ違うようです。


■そんなシムズさんに、

「今、DMM英会話の講師以外に何をしているの?
 セルビアの働き方はどんな感じなの?」

と聞いてみました。

すると、彼の回答はこんなものでした。


「今は、ITマネージャーをしている。

 10台くらいのパソコンをメンテナンスしていて、
 それなりに楽しくやっているよ。退屈なときもあるけど。

 働く時間は朝7時からスタートして、昼15時には終了。

 仕事が終わった後は、バスケをやったり、
 30年やっているマーシャルアーツ(総合格闘技)を練習したり、
 人に教えたりしている。

 給料は高くないけど、時間はあるし、家族との時間も多いし、
 読む本もいっぱいあるし、満足しているよ」


そんな話でした。

そして対して彼に、
日本の働き者っぷりを話すと、

「いやあ、バランス悪いよね。
もっと家族との時間、必要でしょ?」

そう一言、口にしたのでした。


■いかがでしょうか。


人によっては「いいなあ」と
いう感じかもしれませんね(苦笑)



私も、この話を聞いた時に、

今の価値観が多様になっている
今の時代だからこそ、


”仕事”だけではなく、それ以外の要素、
例えば、””夫””や””趣味に生きる人””など、
自分が保つ役割を真剣に考えることは大事で、

かつそれぞれの役割でどうなっているのが
自分にとって「幸せ」なのか、自分で定義づけること、

これらのことは、
思った以上に重要なのではないか、

そのように率直感じました。


■とはいえ、国が違えば、文化も違う。
そして、世界に与える影響も当然違うので、

「セルビアを真似しよう!
貧しくとも、心豊かな日本へ。
時短だ、時短だ!」


などと安易にいうつもりはありません。


しかしながら、今日本の世の中でも

「働き方改革しよう」
「出生率をあげよう」
「女性活躍推進だ」

などと問題意識は高まっています。

だからこそ、セルビアのシムズさんが、
率直に言った感想「その働き方どうなの?」に対して、
もっと真摯に向き合う必要があるのだろう、
そう思ったのでした。



そして、加えて言うならば、
ちょっと大きな視点から考えても、
今の日本の問題に取り組むことは非常に重要であると思います。


世界から見れば、
日本は未だGDP3位の国であり、
かつアジアの先進国であり、影響力を持つ国です。

そんな中、日本の働き方が、
もっと柔軟に、もっと前例を超えて、
いろんな国の当たり前を取り込みつつ、
進化させることができたのなら。

そのプラスの影響は、
まるで静かな湖面に落ちた水滴のように、

私達個人から、組織、
そして国、世界へとプラスの影響を拡げる可能性も持つ、

そして未来の自分達の子供がつくりだす社会に対する、
プレゼントにもなるのかもしれません。



■もしかすると、
「そんなのは綺麗事。現実は甘くない」。
そう、思われる方もいるかもしれません。

しかし、ある会社では、
急な顧客対応が前提の仕事であるにも関わらず、

マネージャーが
「ノー残業デー17:30帰りをなんとか実現しよう!」
と考え、上司、部下を巻き込み、
どうすればよいか?を真摯に考えた結果、
皆で前例を超えた仕組みを変え、実現しました。


「絶対に、100パーセントできない」
「1ミリも変えることができない」

なんてことは
きっとないと思うのです。


自分たちの行動は、
大きな大木に打ち付けられた、
小さなハンマーの一撃のようなものです。


でも、
何度も何度も何度も打ち付けるうちに、
次第に影響を与え、そして、
その一撃の積み重ねを見る周りも、
一人また一人と仲間に加わる。

そうして組織や社会のルールは、
少しずつより良いものに昇華されていくのではないか、

そんなことを思った次第です。


■と、話がかなり広がってしまいましたが、

セルビアのシムズさんが問うた、
「その働き方、問題じゃない?」という話は、
日本の社会の問題。

社会の仕組みで、
あまりに大きそうな話に思えるかもしれません。

しかしながら、

【私たちの一声は、大きな大木に打ち付けられた小さなハンマーのようなもの】

です。

一人一人が真摯に取り組むことで、
よりよい方向に変えていくことができるのではなかろうか、

そんなお話でした。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
本日も皆様にとって素晴らしい一日となりますように。

【本日の名言】 世界全体が幸福にならないかぎりは、
個人の幸福はありえない。

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