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196号 2013年12月12日

「あの人が言ったことは、私とは関係ない」と思う力

■おはようございます。紀藤です。

先日ふと読んでいたある方の自伝に、
面白い話が出てきました。

考えさせられる話でしたので、
今日はその話を共有したいと思います。


■その本に書いてあった話とは、
その著者がある、

「スパルタ系研修」

に参加したエピソードでした。

何の研修かは不明ですが、
その中で「ホメロセメロ」という研修があったそう。

どんな研修かというと、
チーム(10人くらい)で輪になって、
その中の1人だけが、その輪の中に座るそうです。

つまり、1人を9人が取り囲む形になるわけです。

そして、講師が「ホメロ!」というと、
9人がその1人を褒めて、褒めて、褒めまくる、
逆に「セメロ!」といえば、
責めて、責めて、責めまくる、
という至ってシンプルなゲーム。
(ルールとして、遠慮は絶対してはいけない、とのこと)


■そして、ゲームが始まります。

講師「ホメロ!」

参加者
「眉毛の形いいよねー!」
「ホント男前だよね!!」
「芯が強そうで頼もしい雰囲気だよね!」
「頭がよさそうだね!」

あることないこと、褒めて褒めて褒めまくります。

「ルールで言わされている」とわかっていても
「そうなのかな?」なんて思って、
気分がよくなって、嬉しくなってきます。

皆のことが、「いいヤツ」に見えてきます。


■そこで、突然講師が言います。

講師「セメロ!」

参加者
「なんか細い眉毛がキモいんだけど~」
「気取ってて見苦しい」
「頑固で、友達が少なさそう」
「いつも悪いこと考えてそう」

あることないこと、徹底的に責めて責めて責めまくるわけです。

しまいには、「バカ」だの「アホ」だの、
関係ないことまで言い出す人がいる始末。
(手を抜いてはいけないのがルール)

すると、どうでしょう。
先まで気分がよく皆に好感を持っていたのに、
イライラして、皆に腹が立ってくる。

皆のことが、「嫌なヤツ」に見えてくる。

あまりにも理不尽な事ばかり言われるので、
その彼が怒りのあまり、
周りの人に食ってかかろうとしました。

その時、講師の人が言いました。

「怒っちゃダメだ。皆はただ何となく言っているだけ。そこに意味はない。」


■つまり、周りの人が放った言葉は、

【相手の気分、気まぐれでしか過ぎない】

と知りなさい、そして
周りの言葉に左右されない心の安定を身に付けなさい、
というのがこの研修で学ぶこと、という話でした。

私はこの話を聞いて、このようなことは、
日常生活でもよく起るのではないか、
と思いました。

同じ人に同じことをしても、
褒められるときもあれば、怒られることもある。

しかしながら、その度に一喜一憂していたら、
心が疲れ果ててしまいます。

誰が何と言おうとも、
常に自分の心が変わらず「晴れ」でいられることは、
強く、楽しく生きていく上で、大切なスキルではないでしょうか。


■では、そんな「晴れ」の気分でいるためにはどうしたらよいか。

そんな時、「7つの習慣」の著者コヴィー博士は、
「第一の習慣 主体性を発揮する」において、

【刺激と反応の間にスペースを空ける】

というアイデアを提案しています。

「刺激(=相手の言葉)」に対して
「反応(=どう捉えるか)」は私達が選ぶことができる、という話。

私たちは人間なので、

・相手は気分で言っている、と想像することもできるし、
・ルールで言われていると、客観的にみることもできるし、
・そんな中で、自分は腹が立ったり、喜んでいると見つめることもできる(=ばからしいと思える)。

こんな「人」だからこそできる能力が、
私達には備わっている、とコヴィー博士は強調します。

それを使って、
自分がどう「反応」するかを選べる、というのが
【刺激と反応の間にスペースを空ける】ということです。


■私たちは人間関係の中で生きており、
色々な人が、色々な感情で毎日を過ごしています。

だからこそ、毎回全てのことを
真剣に受け止めすぎていたら、心も体も持たないでしょう。

だからこそ、時と場合に応じては

【あの人の言ったことは、自分とは関係ない】
(=刺激と反応の間にスペースをあける)

と良い意味で、
割り切って考えるスキルも大切なのでは、
と私は思うのです。
(もちろん、真剣な言葉は受け止めなければいけないのは
 言うまでもありませんが、念のため。)

とにもかくにも、
安定して、「晴れ」の気分で
幸せな毎日過ごしたいものですね。


■今日のお話は、

・「ホメロセメロ」という研修のゲームがある。
 相手はルールに従い、褒めて、責める。
 
・人は言われたことに対して、褒められると嬉しくなり、
 責められると怒ったり不快に思いがち。
 それが本当、本当でないに関わらず、反射的にリアクションをしがち。
 
・しかし、相手の言葉で毎回一喜一憂していたら、
 疲れ果ててしまう。実際に、相手は「何となく言っている」可能性も高い。
 
・であるならば、「あの人の言ったことは、自分の気分とは関係ない」
 と割り切って考えるスキルを身に付けることで、
 毎日を安定して、晴れやかに過ごせるのではないか
 
という内容でした。


今日も皆様にとってよい一日になりますように。

【本日の名言】 あなたの許可なくして、
誰もあなたを傷つけることはできない。

              エリナ・ルーズベルト

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