メールマガジン バックナンバー

92号 2013年7月12日

「軌跡」と「目的地」の可視化の効能

■おはようございます。紀藤です。

連続の猛暑日も、明日で一旦区切りになるようですね。
今日も暑いので、外に出る際はお気を付け下さい。

さて、このメルマガのタイトルは
「7つの習慣」としておりますが、
皆さまは、何か心がけて習慣化しようとしていることはありますか。

例えば、本を読む、走る、勉強する、
掃除をする、日記を書く、など、
ご自身で取り組まれている方もいらっしゃると思います。

私の場合、以前から何度かお話をしているのですが
「英語学習」を一つの習慣としています。
外資系ですが、日本語しかしゃべれませんので、戒めとして(汗)

この学習はしっかりと習慣化できているのですが、
「なぜできたのか」について考えたときに、
「習慣化の仕組み」のヒントを感じたので、今日はそのお話を共有致します。


■これまた何度も登場しているのですが、
私は「バーチャル英会話」というオンライン英会話を利用しています。

このサービスには
「英会話レベルの表示」と、
「講師のフィードバック」という仕組みがあります。

その仕組みが、
生徒をうまくつかまえるために、
(失礼しました、もとい、「習慣化するために」ですね)、
非常によくできているのと感じるのです。

どういう仕組みかというと、
毎回のレッスンが終わる度に、
講師の方が「レッスンの所感」と「今の私のレベル」を
記入してくれます。

「英会話レベル」と「講師の所感」は記録として残っており、
折れ線グラフとして見ることができます。

自分の今の状況、レッスンを重ねてきた回数、
どのように成長してきたかを、
一覧で常に見ることができるわけです。

いわば「自分が歩んできた軌跡」、と言えるものですね。


■英語だけに関わらず、勉強や学習の成長感とは、
お湯をゆっくり温めていくようなもので、
正直、劇的な変化などは日々感じられません。

かつ、勉強をどれくらいやったかなど覚えておらず、
記録していなければ、勉強をしてきた感覚すら忘れていきます。

そして、なかなか成長しない自分に焦りを感じたりするわけです。

しかし、「自分が歩んできた軌跡」があれば、
違ってきます。

例えば先ほどの仕組みがあれば、

「私は今まで30回はレッスンをやってきた。
 だから30回×45分 = 1350分は少なくとも何とか話そうとしてきた。
 まあまあ、がんばってるんじゃん」
と思いやすくなるのです。

そして講師も「よかったところ」を、
しっかり褒めてくれて、その記録も残っている。
また常に、次の課題を出す、
というように次の目標を与えてくれます。


■つまり、

・「進んでいるという事実」が見えること
・次のステージがイメージできること

この2つが活力となり、自信となり、
未来を描かせてくれ、走り続けるモチベーションを与えてくれるのではないか、
と私は思うのです。


■ちなみに、組織の戦略の実行について書かれた
『戦略を実行できる組織、出来ない組織』においても
「可視化する」重要性を伝えています。

その本では、目標を達成するにあたって、
「スコアボードを設けること」が一つの重要な要素である、
と述べています。

今、自分がどこに向かっていて、
現在どの位置にいるのか、それを示すこと、
個人だけでなく、チームも、目標に向かって意欲的に走ることが出来る、
というような内容です。

この内容を含む4つの規律を1500社以上に試したところ、
実際に明らかな効果が見られた、というデータもあるのです。


■また、これに関連する話で、一つ面白いお話があります。

あるマラソンランナーに、目的を言わずに、何も持たせずに、

「とりあえず、ただ走り続けてくれ」
という話をしたそうです。

すると、彼は約40キロを超えないうちに、
走れなくなってしまったそうです。
(フルマラソンランナーです)

しかし、彼は、本当は40キロどころか、
100キロでも走った経験があり、
それは、彼にとってはごく当たり前に走れる距離でした。

「自分はどこへいくのか…」
「いつまで走るのか…」、
「ゴールに対してどのあたりなのか…」

それがわからないことが、
私たちのモチベーションだけでなく、精神と肉体にどのような影響を及ぼすのかを、
表すエピソードではないでしょうか。


■何かを成し遂げようとするときに、
思いだけで走り続けることが出来れば、
それに越したことはありません。

しかし人間ですから、時には怠けてしまいますし(特に私)、
モチベーションも常に最高値を保ち続けるのはなかなか難しいです。

ですが、成長していること、
ゴールに近づいていることがわかることは、
私たちにエネルギーを与えてくれます。

であるならば、
そうさせてくれる「仕組み」を使わない手はないのではないか、
と思うのです。


■今日のお話は、

・「目標達成」や「学習効果」を出すためには継続が重要である。

・継続は難しい。しかし継続を助けるいくつかの「仕組み」がある。

・その一つが「可視化する」ということ。

・今までの軌跡と、目的地を可視化することで、
 自分への自信と、目標を目指すモチベーションが刺激される。

・何かを継続してやるためには、やる気だけに頼るのではなく
 「仕組み(スコアボード)」を利用しない手はない。

という内容でした。


今日も皆様にとって良い一日になりますように。

【本日の名言】 スコアボードの根本的な目的は、
プレーヤーに勝利へのモチベーションを与えることである。

                ジム・スチュアート

365日日刊。学びと挑戦をするみなさまに、背中を押すメルマガお届け中。

  • 人材育成に関する情報
  • 参考になる本のご紹介
  • 人事交流会などのイベント案内

メルマガを登録する

キーワードから探す
カテゴリーから探す
配信月から探す