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1556号 2018年5月21日

1年前の自分に、勝てているだろうか ~野辺山ウルトラマラソンを経て、感じたこと~

(本日のお話 2854文字/読了時間3分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日日曜日は、長野県野辺山にて、
朝5時から

「第24回 星の郷八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン」
http://www.r-wellness.com/nobeyama/

に仲間達10人と共に参加をしてきました。

制限時間が19時ですから、
参加者は約14時間走り続けることになります。



もしかすると、

「たかだかマラソンじゃないか、、、」

と思われるかもしれませんが、
ただただ走り続ける、というレースの中に、


・”自分の心との戦い”

・”負けそうになる気持ちを奮い立たせる精神力”

・”自分の可能性へのチャレンジ”


など、「人生の縮図」とも言える、
たくさんの要素が詰まっていると、
私は感じています。


だから、「マラソン」というのは、
感動が大きいし、スポーツと一括りにできない、
精神の美しさを感じる競技である、

と私は思っています。



ということで、本日は
この野辺山ウルトラマラソンに参加をし、
感じたことについて、また当日のレポートについて
皆様にご共有させていただきたいと思います。


タイトルは、


【1年前の今の自分に、勝てているだろうか 
 ~野辺山ウルトラマラソンを経て、感じたこと~】。


それでは、どうぞ。



■昨年のタイムは、12時間26分。


制限時間は14時間ですので、
自分なりに、健闘をしました。


だから、私個人としては、
今年のレースも、「完走は、当たり前」という前提の上で、
加えて、


1,去年より、自己ベストをどれだけ伸ばせるのか

2,仲間が、どれだけ完走できるのか


これらが気になっているポイントであり、
私の目標でした。




「2、仲間の完走率」については、
レースが始まれば、一人一人の戦いなので、もう祈るしかありません。

特に私が誘った2名は、フルマラソンも
完走をしていないのにもかかわらず、

”最もハードはウルトラマラソンの一つ”である、
今回の「野辺山ウルトラマラソン」にエントリー。

勇気があるというか、無謀というか、
とにかく、そのチャレンジ精神は素晴らしい。

健闘を祈るのみ、でした。


■そして、私自身の一番の目標。

それが、


「1,私の自己ベストをどれだけ伸ばせるのか」


でした。


たとえ、練習に時間がとれていなくても
なんとか、過去の自分を超えたい。


それが私の願いであり、
できる限り、そこに想いをかけ、
一歩一歩、魂を込め、歩みを進めよう、

そう決意しレースに望みました。


■それにあたって、
レースに参加する前の晩、
私は、ある準備をしていました。


それは、1年前の自分を想像して、


『1年前の、自分が走ったタイムを、
 1キロ毎×100キロ分、レース表に書き写す』


ということ。

去年の自分が走った同じコースを、
明日の自分が走る。

そんなことをイメージしながら決意したのが、


【敵は1年前の自分である。1年前の自分に、勝とう】


そう思ったのでした。

、、、


■そして、翌日朝5時。
レースがスタートしました。


1年間、何がフルマラソンに出たり、
トライアスロンに出たり、
振り返れば、スポーツも新たに色々やってきました。


1年前の今日は、
このレースのために、
「毎週フルマラソン」を走りました。


1年前の練習に比べて練習ができたか、というと、
決してできなかった。

言い訳はいくらでもありますが、準備不足です。


でも、そのかわりに、
1年の経験と、去年のレースの経験があります。

だから、勝負はわかりません。

1年前の自分に、
「戦略で勝つ」のです。


■まず42キロ地点まで、
粛々と走り続けます。

去年は、ここで、
無為にもたついてしまった。

だから、もっと飛ばそう。

1キロ走ったら、時計を見る。

よし、去年より20秒縮まった。

また1キロ走ったら、また時計を見る。

よし、30秒縮まった。

、、、

そして、去年より、
20分縮めて、中間地点にたどり着きました。



この調子であれば、いける。

勝つだけではなくて、
大きな記録も出すことができそうだ。

そう思って気分が高揚し、
ひたすら脚を運びます。


■しかし、自体は甘くありません。

70キロ地点が近づくにつれて、
練習ができていなかったことが仇となり、
「脚」がぴくぴくと痙攣をはじめました。

また、食事のとり方を間違えたせいで、
吐き気と、胃の痛みを感じます。

このまま無理をして走ると、経験上、
「脚がつる」ことになります。

「脚」がひとたび、つってしまうと、
動くことがままならなくなります。


どうしよう、、、

そうこう思う内に、

どんどん、去年の自分が頭の中で、
まるで半透明のゴーストが迫ってくるように、
後ろから追いかけてくるのです。



■70キロ、80キロ、90キロ。。

後半のタイムは、
1年前の自分のほうが速かった。

去年は、尋常じゃないくらい、
スピードを飛ばして、走り抜けた。

だから、もう止まることは許されない。

、、、

周りが、どれだけ歩いていようと関係ない。
走りながら、”自分の頭の中”にあったものは、


【1年前の今日の自分に、勝つのだ】


ただただ、これだけでした。


1年前の自分が休んだエイド(休憩所)でも、
自分は休まない。少しでも距離を稼ぐのだ。

去年の自分を超える。
1年前の自分に勝つのだ。

、、、


そうやって、ひたすら走りました。

去年は思わず歩いてしまった、
80~100キロの壁も走り抜き、

結果として、


『12時間08分(制限時間14時間)』


にてゴールをしたのでした。

1年前の自分を、約20分上回る
自己新記録でした。

、、、

そこには、溢れるような感動というより、

「自分に負けなかった、という
 胸の内に密かに生まれる自己肯定感」

という、暖かく、太く、
どっしりしたものを感じたのでした。


■そして、改めて思うこと。

それは、

『誰と比べるのではなく、
「過去の自分」と比べること』

の大切さでした。

この以前から言われる、
「黄金律」のような言葉の意味を、
心底感じたのです。


正直、タイムなんて、どうでもいい。

だって、ランニングに向いている体型の人もいれば、
そうじゃない人もいる。

年齢だって違う。

得意不得意だってある。


だから、

「あなたより私のほうが早い」

なんて本当に意味がないのです。


大事なのは、唯一つ。


【昨日の自分に、勝てたかどうか】


なのです。

ただただ、それだけである、
そのように、強く、強く思ったのです。



■今回、私の友人2名が、
初めて野辺山ウルトラマラソンを完走しました。

ノリと勢いで参加を決め、
フルマラソンを完走したこともない若者でした。

仕事の合間を塗って練習したものの
怪我の影響もあり、明らかに練習量は不足していました。

いざレースが始まっても、
元来の関節の弱さがあり、

レース中、膝をいため、胃も痛め、
あまりのキツさに吐き、涙を流しながら走りました。

文字通り、
グシャグシャになりながら、

そしてl刻一刻と迫る、
「関門」というプレッシャーにも、
決して逃げることなくひたすら挑み続けました。

ただただゴールを目指しました。

体は動かずとも、
心だけは折ることなく、
前に進み続けたことは、想像に難くありません。


そして2人は、制限時間5分前の
18:55にゴールをしました。

ボロボロという言葉でしか表現できない、
涙をこらえきれない男泣きの姿でのゴールでしたが、
本当にカッコよく、美しく、輝いて見えました。


その姿は、まさしく


【過去の自分を、超え続けてきたレースであった】


そのように感じました。

もう、目頭が熱くなりました。

自分だけでなく、
仲間のゴールに胸を振るわせた、
素晴らしい1日であった、

そのように思った次第です。

本当に素晴らしかった!!



最後までお読みいただき、ありがとうございました。

本日も皆様にとって、素晴らしい1日になりますように。


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<本日の名言>

愚か者が先延ばしにすることを
賢者はただちに取りかかる

バルタサル・グラシアン

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