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1936号 2019年6月7日

あなたの周りの環境を、プラスの方向に変えるために必要な「4つの原則(+α)」

(本日のお話 3206字/読了時間4分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は早朝から近所のプールにて1000メートルのスイム練習。

その他、研修企画や事務作業と、社内ミーティングに参加。
そして夜は、フランクリン・コヴィーの懇親会でした。

正社員ではないものの、
こうやって組織に所属させてもらえること、
情報や人とのつながりが出来ていることは、
とてもありがたいことだな、としみじみ思います。

これからもカレッジの成長と共に働き方は変わっていくのでしょうが、
ご縁は大切にしたいな、と感じた次第。

久しぶりに飲みすぎました(汗)



さて、本日のお話です。

「組織」というのは、
魅力がたくさんある反面、大変なことも多いと感じます。

一人であれば何か問題があったときも、
解決に手間も時間もさほどかかりませんが、

人が集まると「間違っている」と思ったとしても、
それを変革することはかなり労力を要します。

「職場を変えること」は、なかなかに難しいもの。

そして、そんなテーマに関連した、
ハーバードビジネスレビューの

『職場を改善する4つの原則』

という論文がアカデミックに紹介されており、
参考になるお話でございました。

本日は、その学びを、私なりの要約と共に、
皆さまにご共有させていただきたいと思います。


タイトルは、


【あなたの周りの環境を、プラスの方向に変えるために必要な「4つの原則(+α)」 】


それでは、どうぞ。


■皆さまは、職場において、

「こうすれば職場は変わるのに…」

と感じること、ありますでしょうか。

きっと多かれ少なかれ、
誰もがそのような思いを持つこと、
あるのではないかな、と思います。



しかし、この「職場を変える」という言葉。
本当に“言うは易し行うは難し”の典型だな、と思います。


私も普段、人事や経営企画、
経営に携わる方とお話をすると、


・組織風土を変えたい
・マネージャーの考え方を変革したい
・縦割りの文化を変えたい
・上司のパワハラ的な指導方法を変えたい

、、、と多々、相談を受けます。

と、同時に、

「もし提案しても、多くの”障害”(=力のある意見が違う上の人、既存のシステム)
 などがあるから、なかなか難しそう」

という声も聞き、その難しさを共有されます。

かつ、たとえいいことでも、言い過ぎると、”干される”リスクもある…

ドラマでよくあるシーンのように、
「倍返しだ!」(ちょっと古いですが)のごとき
「職場を変えようとする勇気ある行動」の背景には、
リスクとチャンス、多くのものが内在されているのでしょう。

(このドラマでは、最後「干されて」しまいましたしね、、、)


■では、「職場をプラスの方向に変えよう」として、
それが成功する人はどんな特徴があるのか?
また、逆に失敗する人は何が足りないのか?

このことについて、マネジメントに関わる権威の雑誌、
『ハーバードビジネスレビュー』に面白い論文が紹介されていました。

それが、

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
”思いだけでは変わらない「知恵と勇気で職場を改善する4つの原則」”
(バージニア大学 ダーデン経営大学院享受 ジェームズ R.ディタート)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

という論文でした。


■では、その職場を変える「4つの原則」とは、何か。
職場を変えるために必要なこととは、何なのか。

論文によると以下の4つとのこと。
(私なりの解釈を加えて要約しています)




1つ目、【下地を築く】こと。

つまり、「何を言うかではなく、”誰が”言うか」。

何か勇気を持って行動したことが受け入れられ、
そしてプラスの結果を生み出す従業員は、
何ヶ月も何年もかけて、組織に貢献し、信頼されている。

ゆえに、自分より権力が上の人に異を唱える際に、
「その信用を利用できる」とのこと。

つまり、「信頼」が蓄積されていることが変革の条件であり、
それがなければ、たとえ”正しい行動”をとったとしても、
周りを変えうる力にはならない、ということ。

下地とは、『信頼を築くコト』なのです。



2つ目は、【戦いを選ぶ】こと。

「これは本当に重要な問題か」
「いい”タイミング”か」。

この事を考えるのが重要です。

・感情的な理由”だけ”に支配されてはいまいか
(何か気に入らない、あの人のやり方が好きじゃない!以上の理由がある。
 例えば、それが組織風土や周りにも影響を与えている、とか)

・提言して周りが注目してくれるタイミングかどうかを考える
(皆の注目度が高まっているか、経営が取り組もうとしているタイミングの問題か、など)

これらのことを意識して行動しているとのこと。
つまり、『タイミングと重要性を見極める』ことで、
大きな流れに乗ることができ、意見が通りやすくなるのです。



3つ目は、【素早く説得する】こと。

「伝わらなければ意味がない」のです。

変革や改善を実際にアクションに移すとき、
すなわち、周りに働きかける際には、

 1)相手が共感する言葉を使い、問題を表現する
 2)かつデータを効果的に使う
 3)そして人々の感情を上手にコントロールする

というステップを踏むことが重要です。

正しいことを、正しく伝えるために、周到な準備をすること。
相手の心を動かし、納得させ、引き入れるため、
「感情と論理」どちらも装填して、相手に伝えるのです。

いわば、『プレゼン力が物を言う』ということ。


そして4つ目、【フォローアップする】。

行動を起こした後、きちんと関わってくれた人、
応援してくれた人に感謝をし、成果を分かち合うのです。

うまくいかなかったときも、関係を修復する。
そうするとことで、『信頼』が培われ、
来たるべき新たな時への準備が整うのです。


…という内容でした。



■すなわち、「職場を改善する」ためには、
私なりの解釈と表現で訳し直すと、


1,「信頼」を築くこと

2,「重要性とタイミング」を見極めること

3,「効果的なプレゼン」で人を動かすこと

4,関わってくれた人を「フォロー」する


このことが重要であるということ。

、、、

しかし、です。

「職場を変える」ためには、
実はこの4つの項目以前に、もっとも重要な要素があるのです。


それは、


【勇気】


です。


この引用論文の正式な英文のタイトルは、
”Cultivating Everyday Courage"
です。

直訳すると「毎日の”勇気”を養う」ということ。

すなわち、どれだけいい考えを持っていても、
こうなればいいのに…と思っていても、
思うだけでは、何も変わらないのです。

どこかで誰かが【勇気】を持ち、
一歩を踏み出さなければ変えられるはずもない、ということ。

既存の道から新しい道を提案するということは、
安定していた場に”揺らぎ”が生じます。
当然、チャンスもあれば、リスクもある。

そこに、「一人の勇者」が表れ、
そして提言することから職場は変わりうるし、

その「沼に踏み出す第一歩」がなければ、
どんな職場も変わりえないのでしょう。

【勇気】。

このことが、職場をプラスに変えるための、
本質的かつ、原則中の原則なのです。


■そしてこれは、「職場」という対”大勢”の話ではありません。

上司と部下。
同僚との関係。
夫婦、友人などの家系。

1対1の人間関係でも、同じことが言えるはず。

「本当は不満を抱えている。
 それを面と向かって伝えることができない」

という人も、少なからずいるように思います。

もしそうなのであれば、最も必要なものは

【勇気】

かと思います。

口に出して、リスクを恐れず踏み出すと、
意外と改善することもあるのです。

言わなければ、何も変わらないのです。

毎日の勇気、大切にしてまいりましょう。


ということで、


【あなたの周りの環境を、プラスの方向に変えるために必要な「4つの原則(+α)」 】
(+αは「勇気」です)


というお話でございました。

参考になれば幸いです。


最後までお読みいただきありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日になりますように。

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<本日の名言>


行動にはつねに危険や代償が伴う。
しかし、それは行動せずに楽を決め込んだ時の
長期的な危険やコストと比べれば、取るに足らない。

ジョン・F・ケネディ(第35代米国大統領)
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