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2009号 2019年8月21日

経営者100名にインタビューした編集者が見つけた、起業家の共通点

(本日のお話 2025字/読了時間2分半)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は1件のアポイント。
またランチミーティングと、
夜は人事の皆様と集まる交流会でした。
(Mさん、Yさんいつもありがとうございます!)



さて、本日のお話です。

先日、友人の紹介で
「経営者100名にインタビューする」
というプロジェクトを行っている方に、
インタビューを受ける機会がありました。

その中で、とある興味深いお話を聞き、
考えさせられることがありましたので、
皆様にその内容をご共有させていただきたいと思います。

タイトルは、


【経営者100名にインタビューした編集者が見つけた、起業家の共通点】


それでは、どうぞ。


■Iさんという女性編集者。

本、出版系の編集をしていたと彼女は、
少し前にフリーランスとして独立し、
その活動の第一弾プロジェクトとして、

”経営者100名(=自分で起業した人)にインタビューをし、その内容をまとめる。
ゆくゆくは、会われた経営者(起業した人)同士をつなぎコミュニティにしていこう”

という興味深い活動をはじめました。

そして、私もご縁があり、
僭越ながらその方のインタビューを受けたのでした。


■さすが、元編集者。
かつ、これまでにすでに100人近くのインタビューをしている方で、
素晴らしいインタビューの技術。

「へえー!」
「そうなんですか!」
「いやー、すごいご経験ですね」

(多分大した経験でなくても)

絶妙な相槌と、最高のリアクションで、
気持ちよくはなさせてくれます。
まるで銀座のホステスさんにお話をしているかのよう。

こんなに興味津々に聞いていただき、
びっしりにメモをとっていただくと、
舌がこれでもかといいほど、回ること回ること。

人は興味を持って、前のめりに聞いてもらうと、
こんなに気持ちよく話してしまうのだなと、「傾聴のパワー」を感じつつ、
1時間のインタビューを終えました。


■そして、そのインタビューの最後にふと、
Iさんに、こんな質問をしてみました。

「経営者の方に色々お話を聞かれているということでしたが、
 私の話、何か特徴はあったんでしょうか?」

という質問。

小さな虚栄心が顔を出したような何気ない質問。

しかし、帰ってきたリアクションは、

「うーん、そうですね…」

と、回答に迷われています。

ああ、特筆すべきものがなかった、ということかな
と勝手にちょっと残念がってみると、このように語られました。


■「経営者100人の方にお話を聞いてみて、実は
”その人独自のパターン”というのは、ほぼありませんでした。
ただ、細かい違いはあるけれども、いくつかのパターンがあると感じます」

「一番多いパターンは、

 『一旦ゼロになった経験を語る人が多い』

 ということです。

 もうダメ、人生終わったと、
 精神的、金銭的、肉体的に沈みきった経験を語る人が多かったです。

 幼少期に底辺だった人もいれば、
 社会人で鬱になってフリーターをしてましたという人もいれば、
 今まさに底辺を迎えている人もいました。

 皆さん、ズルズルと海底に沈んでいき、
 これでもかと沈み続け、コツンと海底に当たり、
 もう浮かぶしかないとなって、起業したという人も多かったです。」

…とのこと。


■これは単なる事実。
だからいいも悪いもない、ただの傾向の話です。

しかし、その話を聞いて、
私なりに分析をして、思ったことがあります。

私も、社会人になった後、
精神的に完全にポッキリ折れて、
自己否定をつくしたタイプ。

なので、その個人的経験を織り交ぜて考えると、

『一旦ゼロになる』

という経験は、

「自分って一体何なんだ」
「何のために生きているのか」

という、哲学的な問いを、
強制的に自分に投げかけてくるように思うのです。


■幸福感のないこの現状。
こんなはずじゃない感。
鈍く重いな心の痛み。

、、、これに直面したとき
「自分とは何者で、どこに向かっていくのか?」
という哲学的な問いが自分の心に杭として打ちこまれる。

すると、ただ働き、ただ給料をもらう、
それでよいのか、と思ってしまう。

ゆえに、大なり小なり、
なにか意味を見いだせる事をしよう、とか、
なにか自由を手に入れられる勝負をしよう、とか思い、

「自分で何かを起こそう」(=起業)

と考えるのかもしれない、、、
そんな事を思ったのでした。

(あくまでも私の想像ですが)


■もちろんこれもまた一つの限られたパターンに対する、
限られた想像にすぎません。

また、誰もが浮き沈みはあってしかるべきだし、
「ゼロになった経験」が起業した人に特有の経験とも思いません。

しかし「起業した人に共通していること」として、

『ゼロになった経験を語る』

という事実は考えさせられるテーマだな、とも思います。

そして、この話を発展させて考えると、
今まさに渦中にいて、

「自分ってなんなんだ?」

と考えるにまで落ち込んでいる、頑張っている人は、
自分を再定義する大きな転機に来ている、
そう捉える事もできるのかもしれません。


全てのことに意味がある。

ただただ、そんな事を思った次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

危機には正面からぶつからないで、避けたほうが安全かというと、
長い目で見ればそんなことはない。
人生とは危ない冒険か、何ものでもないもの、
そのどちらかでしかない。

ヘレン・ケラー(米国の社会福祉活動家/1880-1968)
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