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今週の一冊『新規事業の実践論』

今週の一冊『新規事業の実践論』

2293号 2020年5月31日

(本日のお話 4056字/読了時間5分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、
『ストレングス・ファインダー』の企業研修でした。



さて、早速ですが本日のお話です。

毎週日曜日は、お勧めの1冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は、

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『新規事業の実践論』 麻生要一(著)

https://www.amazon.co.jp/dp/B081RJS4DY/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

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です。

■少し前に、私のfacebookのウォールに

「シリーズエーの資金調達◯億円をいたしました」

とあるスタートアップを起業された先輩が
シェアをしていました。

近しい時期に起業をした身として、
圧倒的短期間で華々しい活躍をされていることを
凄いなあ、と羨望の眼差しと、
同時に自分のまだまだ感を感じつつ、

「、、、ちなみに、シリーズエーとは?」

と不勉強ながら思った自分がいました。

■一言で「起業」といっても、
その種類は実に様々です。

同じタイミングで起業した人でも、
先述の先輩の会社と私(カレッジ)は、
全く違う生命体のようにそれぞれのスピードで成長します。

「起業」には2パターンあります。

1つは、”クマムシ型(小さい、安全、リスク&リターン少ない)”
もう1つは、”恐竜型(大きい、世界を変える、リスク&リターン大きい)。

「1人で起業をしていったほうが
リスクが少ないし、それこそが幸せ」という
“クマムシ型経営”も1つの選択肢。

「起業をしたなら、会社を大きくして
世にインパクトを残してこそだろう」という
”恐竜型経営”も1つの選択肢。

どれが正しいなどは、
その人の価値観、生き方、選択でしょう。

■ただ、個人的には
「事業を世に問うていく」という影響や
リスクや人々の期待などのプレッシャーを考えると、
上場を目指す志を持った新事業や、
投資家の期待の元資金を調達し、
ものすごい高回転で事業を形作っていくスタートアップ等は、

働く人に与える人生の大きさ、
サービスを使う人の数や世の中に与えるインパクトの広さと深さ、

そこに待ち構える競争の激しさや、
期待の多さ、プレッシャーなど想像をして、

「やっぱりすごい。尊敬!」

と単純に思います。

■一方、と入っても
「新規事業」とはそれが

・小さい個人的な「起業」であれ、
・資金調達をした「スタートアップ」であれ、
・会社の投資による「社内起業」であれ

大小様々なものがありますが、
1つ確実に言えることは、

『どんな起業も、可能性とチャレンジに溢れたものである』

ことは間違いではない、
これは断言できます。

まるで、未知の航海。冒険です。

■そして、今回ご紹介する著書

『新規事業の実践論』

とは、

”特に「社内起業家」として新たな事業を作るために、
どのようなステップを踏んでいけばよいのか?”

の全体像が、
極めてわかりやすく整理されており、
超具体的な一冊です。



さて、著者の麻生氏。
この方がどういった方かと言うと、

・リクルートでご自身でIT事業子会社を新事業として立ち上げる

・その後、リクルートの新規事業開発室長として、
約1500の新規事業を支援する

という「新規事業」の第一人者です。

ご自身の新規事業の立ち上げの経験と、
社内外の膨大なる新規事業の支援を通じ、
「新規事業を作るステップ」において、
膨大な”具体的な現場”に立ち会ってこられました。

2000もの具体例とケースを元に、
本人しか知り得ない暗黙知を形式知にした一冊であり、

”誰もが使える「新規事業の理論」”を
1つのフレームとして落とし込んだ一冊である、
と言えるのがこの著書です。

こういった経験した人にしかわからない世界が
非常に読みやすい文体で、300ページという密度で
かつ2時間もあれば読める文章で書かれているということが改めて驚き。

1800円で、この知識が手に入ると思うと安いものですし、
本を読む大切さを、改めて感じさせられます。。

本って、本当に大事。

■では、著書の内容とはいかなるものか?

これは、著書に書いてある話ではないのですが
1つ面白いデータがあります。

日本政策金融公庫総合研究所のデータによると

・「起業に関心がある人」の割合は14.3%
・「実際に起業したと人」の割合は1.5%

とのこと。

すなわち、今のところ

「98.5%の方は組織の中で働く」

というのが、現状であるようです。
数字はこれから変わるでしょうが、
多分この傾向は、海外に比べてはやはり文化として残っていくかと。

■日本の作り上げてきた
終身雇用、年功序列制度により、
日本の労働者は手厚く守られている構造にある。

家庭を持ったり、生活をしていく中で、
優秀な人であればあるほど

「わざわざリスクを犯して起業をしようとは思わない」

というが日本の現状であるようです。

ゆえに、

・スタートアップ企業の資金調達額は
648億(2012)→3848億円(2018)と「6倍」

になったのにも関わらず、

・スタートアップした資金調達の社数は
1060社(2012)→1368社(2018)と「1.3倍」

と、「社数」が伸びないのです。

■一方、著者が言うのは、

・構造的に辞める理由がないだけで、
「日本のサラリーマンは極めて優秀」であること

そして、

・「社内起業家」として新事業の確立に火がついた人は、
一般的な起業家よりも力強く、社会変革を成し遂げていく姿を何度も目にしてきた

と言います。

ゆえに、「社内起業」と言うのは、

・日本のスタイルに合っているし、
・これからの日本の未来を救うことにもなるし、
・同時に人生100年時代と言う中で、
食いっぱぐれない普遍的スキルを手に入れる機会にもなる

わけであり、極めて可能性に満ちた選択といえるわけです。

■こうなったら、「新規事業」はやるしかないでしょ!

「社内起業もっと増やそうぜ!」と
気持ちは走りそうになりますが、

、、、といいつつ、やっぱり
「新規事業」は難しいのです。

なぜならば、やったことがないから。

■多くの日本の大企業は、
これまでの「既存事業」による収益でやってきたようです。

ゆえに、「新規事業」と言うものを
社長肝いりで作り上げるというプロジェクトを立ち上げたとしても、
未知のことが、多すぎる。

・どんな事業を新規事業として立ち上げればよいのか?

・創業メンバーをどのように選べばいいのか?

・創業メンバーはどのような役割した方が良いのか?

・創業メンバーの人数は何が最適なのか?

・新規事業は、兼業にすべきか、専任にすべきか?
どのタイミングで変えたらよいのか?

・優秀な人ほどやってしまいがちな
「新規事業の立ち上げ失敗パターン」とはなにか?

・新規事業を育てるためのステージはどのようなものがあるのか?

・新規事業が社内で潰されないために、
どのような準備をすれば良いのか?

・経営陣は新規事業をどのような目で見守れば良いのか?

、、、などは、答えを持っている会社は、
まだまだ少ない。

あるいは、
お世話になっている企業の役員の方が言っていましたが、

「既存事業で成果を落としたくない。
ゆえに、新規事業が大事と言いつつ、
スター選手は既存事業が送り込まない」

という組織構造もあったりするようです。

言うは易し行うは難しなのが
「新規事業」と言えるようです。

■そんな中で、
この著書が私達に与えてくれるものとは、

”新規事業に取り組む際の『航海地図』”

です。

・新規事業を始めようと思ったとき、
初めに何をすればよいのか?

・どのように成長していくのか?

・成長過程で、気をつけるべきことは?

、、、
事業の誕生から
成長に合わせて何をすればよいのかを、
分析的かつ、整理をして

「新規事業の航海地図」

として、提供してくれています。

■私はこの本を読んで、
自分の会社の未来も、より精緻に考えることができました。

そして同時に、

・シリーズエーの資金調達というのが
どういう類のものなのか、

・そのステージにいる先輩が、
どんな期待やプレッシャーや楽しさを感じているのか、

・今後の自分の事業(会社)の育て方は
どのように考えたらよいのか

など、自分の見ていない「起業」の世界も、
想像上ではありますが、知る機会になりました。

その他にも、

・新規事業の成功は
「せんみつ(1000に3つのみ成功する。99.7%は失敗)」である。

・「せんみつ」の日本における象徴である
東証マザーズ上場は、平均12.3年かかり、
かつ上場前の年間営業3.3億円。

・ただ、失敗しても、
そのプロセスに学びがあり、意味がある。

・新規事業のマーケティングにおいて
「CAC(いち顧客あたり獲得単価)<LTV(いち顧客あたり生涯利益)」
の方程式が最も重要である。

などなど、
散りばめられている情報によって
自分自身の未来を考える1つのきっかけになりました。

■この本を誰にオススメしたいかと言えば、

・自分で事業をやっている方、
・社内で事業の責任者をやっている方、
・メンバーだけれどもいつか何かをしてみたいと思う方、

などに、特におすすめです。

これからの時代多くの人にとって、
「フリーライダー(ただのり)」が許されず

『自分は何を成果として提供できるのか?』

を問われる時代において
自分の今後のキャリア戦略の方向性を示してくれる
貴重な羅針盤になると思います。

なので、「何かを、チャレンジしてみたい」という人すべてに
ぜひ手にとっていただければと思います。

以下、本書の内容紹介です。

(以下、引用です)
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<カオスな新規事業の現場で必ず役立つ! リクルートホールディングスの新規事業開発室長として1500の事業を支援し、 自らも起業した著者が膨大な失敗と成功の末に掴んだ「超具体的方法論」>

■この本で学べるノウハウ

・「ふつうのサラリーマン」を社内起業家へと覚醒させるWILL(意志)の育み方
・新規事業開発における「チームの組み方(人数・役割)」の正解
・新規事業6つのステージ別「やるべきこと」「やってはいけないこと」
・初期に重要なのはビジネスモデルでも技術でもなく「顧客起点」
・優秀な人ほどやってしまう「間違った新規事業開発手法」とは
・顧客のところへ「300回」いけ
・「画期的なアイデア」が生まれるのを待つな
・サービスのリリース直後にマーケティングはするな
・最初、世間は驚くほどあなたの事業を拒絶する。だが気にするな
・社内会議で正論を語るのは事業家としての「甘え」
・重箱の隅をつつく社内会議には「数値の分解」で応じろ
・組織的に重要なのは「特区」でも「子会社化」でもなく、決裁権限を降ろすこと

■目次
第1章 日本人に起業より「社内起業」が向いている理由
第2章 「社内起業家へ」と覚醒するWILL(意志)のつくり方
第3章 最初にして最大の課題「創業メンバーの選び方」
第4章 立ち上げ前に必ず知るべき新規事業「6つのステージ」
第5章 新規事業のつくり方(Entry期~MVP期)
第6章 新規事業のつくり方(SEED期)
第7章 「社内会議という魔物」を攻略する
第8章 経営陣がするべきこと、してはいけないこと
最終章 「社内起業家」として生きることの意味

「事業を立ち上げる力」は、人生100年時代唯一のポータブルスキルだ。(本文より)

※引用:『新規事業の実践論』 麻生要一(著) Amazon本の紹介より

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ここまでの内容と、以下の内容に
少しでもピンと来た方は、ぜひお手に取ってみて下さい。
きっと多くのヒントがあるはず。

そして改めて、これが1800円で学べるって、すごいなあ。

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『新規事業の実践論』 麻生要一(著)



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