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2476号 2020年12月1日

「学ぶは真似ぶ」。”本を模写する”中で気づいた2つのこと

(本日のお話 2067字/読了時間3分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は2件のアポイント。
また、夜からは

【大学院受験プロジェクト】
「人材開発・組織開発のプロになるための16冊」を学ぼう!の会
https://forms.gle/fLySpASvk6WzY5DMA

の第一回目の開催。


第一回目は『組織開発の探求』という書籍を元に、
学んだことを皆さまにご共有させていただきました。

改めて、私のアウトプットに、
お付き合いいただきました皆さま、
本当にありがとうございました!

聞いていただける方がいるからこそ、
お話をすることができます。

来週以降も粛々とやっていきますので、
引き続きどうぞ、よろしくお願いいたします。



さて、本日のお話です。

昨日の大学院受験プロジェクトで
学びのアウトプットをするにあたって、

「読んだ内容をまとめる」

という作業をしておりました。

その中で、
とある気づきがありましたので、

そのお話を皆さまに
ご共有させていただきたいと思います。

(ちょっと抽象的なお話になってしまうかもですが、、、
お付き合いいただけますと幸いです)


それでは早速まいりましょう。


タイトルは、


【「学ぶは真似ぶ」。”本を模写する”中で気づいた2つのこと】


それでは、どうぞ。




■本の読み方には、
2つあると思っています。

1つは、

”全体をナナメ読みすること”

です。

いわゆる「速読風読み方」ですね。

どこに、どんな事が書かれているのか
大枠をつかむイメージ。

タイトルだけ読んでも、
何となくその感じはつかめます。
(やってみると意外とできます)



■そして、2つ目が、

”一文一文を熟読すること”

です。

何かの説明をしているときに、
その言葉の表現を一字一句読み解く。

それは、全体をサラッと読むのとは、
違ったものを得ることができます。

その違いとは、

”著者のより細かい思考を感じられる”

とでもいうのでしょうか。

やはり前者とは同じ読むでも
大分違ってきます。


■それぞれの読み方は、
使い分ければ良いかと思います。

時間がないときはサラッと読めばいい。
この読み方も、是非習得しておきたい。


そもそも全部一字一句読まないといけない、
なんて規定もないですし

最後まで読みきらないといけない、
なんて規定もないですし、

頭から順番に読まないといけない、
なんて規定もないのです。

自由に、目的に応じて
好きなように読めば良い。


■ただ、こと、

”著者の思考に入り、深く学びを得る”

ためには、

「一言一句、あえて熟読する」というのは、
(場合によって)効果的なんだろうな、
と昨日、勉強会の準備をしながら
思ったのでした。



■例えば、昨日のお話。

『組織開発の探求』(著:中原淳)

という本を題材に、
ワードに学びをまとめ始めました。


ただ、その中で
とある感覚に陥ります。

「自分の言葉で言い換えようとすると、
意味のニュアンスが変わってしまう。
実に難しいな…」

という感覚です。



■「組織開発」の説明について
こんな記述がありました。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

・組織開発とは「痛みを伴うグループの学習であり変化」である

・組織開発とは「政治的実践」である

・組織開発とは「ガチ対話」である

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

この言葉を、学ぶために教えるよろしく、

”自分の言葉で言い換えよう”

と思ったのです。

でも、やろうとすると
極めて難しい。


一言一句を見ていくと、
それぞれに書いた人が深い意味を
込めていることを感じられて、

なんともそのニュアンスを崩して
自分の言葉で言い換えることは
無理なんじゃないか、、、

とすら感じたのでした。


そして、結局、

「著書の内容を”模写”しまくって、
勉強会として皆さまにお伝えした」

ということを行ったのでした。



■そこから気づいたことが
2つあります。


まず1つ目。


『著者の表現を”模写”することで、
著者の思考がより深く理解できる』


ということ。


文章を、ただ読み流すのではない。
書かれている文字を、一言一句、書き直す。
そうすると、理解が深まるのです。


例えば、頭の中のイメージはこんな感じ。

一言一句、模写すると、
このような疑問が沸き起こります。


”組織開発とは、「ガチ対話」”である。(著者の言葉)


(ん?なんで敢えて「対話」という言葉を使ったんだろう?)

(「対話」って、そもそもなんだ?
「会話」や「議論」と、どう細かくちがうのか?)

(どんな意味を、この「ガチ対話」という表現に
込めたのでだろうか?)


あるいは、

”組織開発とは、「痛みを伴うグループの学習であり変化」”である。(著者の言葉)

であれば、



(チーム、ではなく、グループとした理由はなんだろう?)
(「学習」と「変化」、2つを敢えて使い分けた意図は?
敢えて、この順番にしたのはなんだろう?)


、、、そんな風な疑問が、

一言一句”模写”をすると
浮かんでくるのです。

これはナナメ読みでは
浮かんで来ない疑問です。

そして、多くの場合、
一言一句を読み解こうとすると、
やはりそこには意味が感じられるのです。


ゆえに、

『”模写”することで、著者の思考がより深く理解できる』

と思った、という話。



■そして、2つ目。


『「誰かの表現を、自分のものにする」ことが学びである』


と定義することが大事、という話。


”学びは真似びである”
なんて言われることがあります。

実は、ゼロから
自分の言葉や概念を紡ぎ出すのは、
ものすごく難易度が高いことです。


であるならば、

”誰かの言葉を、自分が流用させていただき
自分の言葉として語れるように練習する”

ほうがずっと効率がよい。

なので、先人、先輩が考えた言葉を
敬意をもって拝借すること。

これが実に大事だと思ったのです。


■普段、自分が使っている言葉、思考は
意外とワンパターンに陥っています。

そんな中、
自分の思考や行動を拡げ、
新しい選択肢を見つけてくれるものは、

「他者の思考が結晶化した”言葉”」

であり、それらは、
本から学ぶことができます。


ゆえに、本を読む時に


『1,著者の言葉を”模写”することで、
著者の思考がより深く理解できる』

『2,「誰かの表現を、自分のものにする」ことが
学びであるという定義をする』


そんなスタンスで本に向き合うことで、
自分の思考や言葉をバージョンアップさせやすくなるのでは、

そんなことを思った次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

もし、私がより遠くを見ているとしたら、
それは、先人の肩の上に立っているからです。

アイザック・ニュートン(イギリスの自然哲学者/1642-1727)

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