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2490号 2020年12月15日

「読みづらい本」を、読むことで見えてきたもの 〜悩みを解決する宝石のごとき理論たち〜

(本日のお話 3300字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は1件のアポイント。
システムコーチングの師匠と
セッションのフィードバックタイムでした。


ならびに、

【大学院受験プロジェクト】
「人材開発・組織開発のプロになるための16冊」を学ぼう!の会
https://forms.gle/fLySpASvk6WzY5DMA

のための準備と実施でした。

ご参加いただきました皆さま、
改めてありがとうございました!



さて本日のお話です。

今、来年の大学院受験に
フォーカスをするために、

”人材開発/組織開発に
関する読みづらそうな本”

をひたすら読みふけっております。


その中で思うこと、
学びや気づきがありましたので、

本日はそのお話を、
皆さまにご共有させていただければと思います。


タイトルは、


【「読みづらい本」を、読むことで見えてきたもの 〜悩みを解決する宝石のごとき理論たち〜】


それでは、どうぞ。




■私の直近のテーマが、


「大学院受験のために
ひたすら本を読みまくる!」


です。


これから大きく環境も変わりそうですし、

「今しかできない!」

ということで

年末年始も関係なく、
ひたすら書の世界に、
没頭しようと思っております。




■そのプロセスの一環で、
昨晩も実施させていただいていた、


【大学院受験プロジェクト】
「人材開発・組織開発のプロになるための16冊」を学ぼう!の会
https://forms.gle/fLySpASvk6WzY5DMA


を行っています。

その勉強でお話する内容をまとめるために、

『組織行動』
『組織行動のマネジメント』
『組織開発の探求』
『経営学習論』

などを読んでいる、

という今日この頃。



■上記の書籍のタイトル、
見るからに、


・漢字が多くて重たそう

・タイトルもあんまり面白そうじゃない

・なぜか皆、分厚い


と三拍子揃った本だな
、、、と感じます。

(著者の方、スミマセン)


ゆえに、読み進めるのが
億劫な自分は確かにいたのでした。


ゆえに、本棚の肥やしに
なっておりました。。。



■ですが、

「本を読んで勉強会やる」

と言ってしまった手前、
結局読まざるを得ないのですが、


なんだかんだで
実際に読んでみると、


『想像以上に面白い』


ことに気づき、驚いています。



■ちなみに、よくある
ビジネス書とは違う面白さ。


何が面白いかと言うと、


”実証研究に基づいた理論が
わんさか詰まっている”


ことかと。


ちょっといい感じに(?)言い換えると、


”悩みや課題を解決する
宝石の原石のごとき理論と研究が、
どっしり詰まっている”


イメージ。


読みながら、

「ああ、7つの習慣で言われていたのも、
この理論が背景にあったのか」

「人間関係が大事なのは、
こういった実験の背景からだったのか」

「やる気が出るメカニズムとは、
こういう要因で作られているのだ」

と気付かされ、

ただ、その存在を知らなかった自分に
悔やまれる思いを持ちつつ、

ひたすら目からウロコ、
気づきの連続…

という日々です。




■例えば、先日の題材本で
『組織行動』という本がありました。

この本では、


”内発的動機づけ”
(=内発的モチベーション)


という言葉が紹介されています。

聞いたことがある人も、
きっといらっしゃると思いますが、
あんまりこの言葉、探求したことがある方も同時に、
少ないのではないでしょうか。


”内発的動機づけ”とは、要するに、

「(仕事など)そのものを面白い!」

と感じる動機づけのことをいいます。



■この”内発的動機づけ”が
メラメラと燃え盛っていると、
別にお金や報酬があるからやるのではなく、

「ただそのこと(仕事など)が面白いから
没頭してやり続ける」

となります。

当然、成果も出ますね。



■では、この
”内発的動機づけ”すごいじゃん!

いいよね。

どうやったら高まるの?


、、、当然
ここに疑問を持つ学者がいます。

そして実証研究として
解き明かした人もまたいる。


こういう過去の研究者たちが作ってきた
宝石のような理論が、いわゆる

”読みづらい本”

には、わんさか書かれている。


世のビジネス書は、
それらを部分的に切り取って
要約しただけなのだろう…

と思えてきます。



■本質的な話は
実証研究や理論として語られるので
やっぱり説明が必要。


ゆえにちょっとだけ
読み解くのに時間がかかりますが、

実証研究などを含めて
きちんと整理しているので、

物凄く説得力がある。


ゆえに、
本質をついていて、
面白いのです。

事象の裏側のメカニズムがわかる…

そんな感じでしょうか。



■ちなみに、上記の
”内発的動機づけ”については
こんな理論が紹介されています


ちょっと小難しく感じるかもですが
紐解いて考えると、結構シンプルな話です。

(ここから)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
内発的動機づけを高める『職務特性モデル』
by 心理学者リチャード・ハックマン/グレッグ・オルダム
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<内発的動機を高める効果を持つ職務に共通する5つの特性>

1)技能の多様性(skill variety)… 職務を遂行する個人に求められる技能の多様さ
2)職務の完結性(task identity)… 仕事全体の始まりから終わりまでのすべての流れに関わる
3)職務の重要性(task siginificance)… 自分は重要な仕事をしている!感
4)自律性(autonomy)… ああしろ、こうしろと細かな指示をされない
5)フィードバック(feedback)… 自分がやった仕事の手応え


<内発的動機につながる、”重要な心理状態”>
・有意義感の実感(上記1〜3)
・責任の実感(上記4)
・結果についての理解(上記5)


<わかったこと>
・上記の3つの重要な心理状態の「相乗効果」で
内発的動機づけなどの個人的成果が高まる。

・つまり「有意義感の実感(上記1〜3)」
「責任の実感(上記4)」「結果についての理解(上記5)」
”どれか1つでも0に近いものがあると内発的動機づけはされない”。

(例:
「有意義感と責任感を感じられるけど、フィードバックが全く無い」
「責任感とフィードバックはあるけど、有意義感が全く無い」
「有意義感とフィードバックはあるけど、責任の実感がない」
と感じると、内発的動機づけは高まらない


<どう活かすか>
・上記の5つの特性を活かせるように、
「職務を再設計」すること。

(例:
・仕事を最初から最後までまとめて任せる
・メンバーに権限委譲する
・フィードバックする など)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(ここまで)


とのこと。

一つずつ深ぼると実に面白いです。



■加えて言うと、
他の考え方も混ざってくるのです。


例えば、上記の
「職務特性モデル」は、

・成長意欲が高い人は、効果を発揮しやすい

・成長意欲が低い人は、効果を発揮しづらい

ことがわかっています。

つまり、

”人や状況によって違う”
(コンティンジェンシー理論、という)

という別の理論も組み合わさったりして
またまた奥行きが深くなる。


うーん、複雑。

ゆえに、面白い。




■本質とは抽象的です。

理論も言葉が難しいです。

理解するために頭を使います。

本質的な問題の解決のためには、
複雑なアプローチが必要です。


、、、でも、
それが現実なのです。


皆が頭を抱えている例えば
組織や人間関係の問題も、


”「これさえやっておけばOK!」
みたいなウルトラC的な超必殺技”


が仮にあったら、皆やってます。



■過去、数多の経営者、
人事、マネジメントが頭を悩ませて、

それでも解決しない問題だから、
今目の前にあるわけです。


そして、それを、
ちょっとそこにあった
情報・ヒントを活かして、
解決しようとして、できるのか?

、、、という話。


少なくとも私は、

「そんなうまい話はない」

と思います。



■だからこそ、

表面的ではなく、
根本的な変化を目指そうとするなら、

”本質的なこと”

を探求することが大事だと思いますし、

そうしてこそ、
語る言葉にも深みが出る、

と私は思います。



そしてその本質とは、
私が敬遠していた
「読みづらい本」にこそヒントが
沢山あることと感じます。



■ゆえに、

【「読みづらい本」を、読むことで見えてきたもの】

それは、

<悩みを解決する宝石のごとき理論たち>

です。



宝石のごとき理論を集めることで、

今起こっている事象の因果関係が、
ハッキリとわかる気がするのです。



ゆえに、

こうした読みづらいと思う本を
(でも本質的な事が書かれている本)

あえて時間をとって、
腰を据えて読んでみること、
学んでみることが、

”その道のプロとなる”

上でも、とても大切なことなのだろう、

そんなことを思った次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>

樹木にとって最も大切なものは何かと問うたら、
それは果実だと誰もが答えるだろう。
しかし、実際は種なのだ。

フリードリヒ・ニーチェ(ドイツの哲学者/1844-1900)

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