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2574号 2021年3月8日

「社会構成主義」から考える、”言葉の力”を使いこなす秘訣

(本日のお話 1805字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日はオフ。
子供を抱っこしながらの読書。
ゆるりとした時間でございました。



さて、早速ですが本日のお話です。

少し前にツイッターを始めました。

そしてこれからYouTubeを始めようと
企画しています。

そんな中、ふと打ち合わせで

「何のためにそれをやるのか?」

という目的を問われた際、

「あれ、なんだっけ、、、?」と
(お恥ずかしながら)
明確に答えられない自分がいました。

今日は、

「目的を持つ大切さ」

について、”社会構成主義”という視点から、
皆様に学びと気づきをご共有させていただければと思います。

それでは参りましょう!

タイトルは、

【「社会構成主義」から考える、”言葉の力”を使いこなす秘訣】

それでは、どうぞ。

■『社会構成主義』
という考え方があります。

なんだか小難しそうですが
結構シンプルな話です。

以下のように説明されています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『社会構成主義』とは…

「word creat world(言葉が世界を作る)」
という言葉で示されるように、

人々にとっての現実は
その場で語られる言葉によって構成される、

という考え方

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

とのこと。

■なんのこっちゃ、、、と
思われた方、少々お待ちください(汗)

例えば、こんな話。

職場で、

「うちは風通しの悪い職場です」
と言葉にするとどうでしょう?

「風通しの悪い職場」と語られると、

我々の認識の中に、
”風通しの悪い部分”にスポットがあたりますよね。

本当はそれ以外の部分もあるのに
存在する「風通しの悪い現実」が知覚され、
そこに立ち現れるのです。

ゆえに、改めて正式にまとめると

「物事の意味とは、
科学的な手法によって顕在化した
”客観的な事実”によってつくられるのではなく、

当事者同士たちのコミュニケーションをする中で
社会的に作られるのだという考え方」

が「社会構成主義」とも言われています。

(参考:『組織開発の探求』(著:中村和彦、中原淳))

■さて、この「社会構成主義」。

注目したいのは

「word create world(言葉が世界を作る)」

という考え方です。

”言葉”として
ふわふわとした思考を、

手触り感や質量がある形に
落とし込むこと。

そこに存在感が生まれるのは
言葉が持つ偉大なる機能なのです。

■会社のビジョンもそう。

個人のミッション、目標もそう。

「なんとなくそう思っている」
(=言葉にしていない)


「具体的に目標・ミッションを掲げる」
(=明確・明瞭な言葉として宣言する)

と”言葉にする”と

「宣言した言葉(=目標)に
引っ張られる」

という不思議な引力が
発生するのです。

■、、、としたときに、

「言葉にする」

すなわち、何かを発信する際に、
2種類の視点に分けて考えることが、

大事なのではと思ったのです。

まず1つは、

「自分の豊富なこれまでの経験を発信する」
(=今やこれまでを語る)

という方法。

2つ目は、

「こうありたい、という一歩先の自分を
宣言していく」
(=未来やこれからを語る)

という方法。

■そして、「社会構成主義」から考えたとき、

言葉の持つ偉大なる力を使うために、
ぜひオススメしたいのは後者の、

「こうありたい、という一歩先の自分を
宣言していく」

ことです。

何か言葉にして発信すると
心理的な抵抗感”を覚える方も、
少なくないのではないでしょうか。

それは、

「俺がこんなこといっていいのか」

「全然、自分できていないのに
こんなこと恥ずかしくて言えない」

「 偉そうに何を言っているのだろうか」

なんて、打ち消す気持ちが
湧き上がることもあります。

それは等身大の自分を
自分が知っていること、

また人は基本的に
できていないところにフォーカスするゆえ、

ときに謙虚になりすぎたりして
発信することへの抵抗感も生まれたりします。

■しかし、先述の

『社会構成主義』、すなわち
「Word create world(言葉が現実を作る)」

と考えると

「”こうありたい”という一歩先の自分を自ら描き、
それを宣言すること」

は、未来を形作る、という効果があり
それは大いに価値があると思うのです。

■今はまだそうではない。
でも、そうありたい。

その方向に向かっていきたい。
、、、その気持ちは”事実”。

そして尊重して然るべき、
美しいものだと私は思います。

■人はそれぞれの旅路で、

「常に、まだそこに至っていない今」

をひたすらに歩み続けるものです。

その際に、誰かと比較をして
自分には語る資格がない、
というのはナンセンスです。

一歩先の、まだ出会っていない
自分の像を自分が高らかに描き、

その想いをリアルな状態として
「言葉として表現する」こと。

それが近い将来の現実となりえるのです。

■何かを始めようというときに、

自分の中にある
ふわっとした思いのかけらを探求して
そして形にしていくという作業は、

「自分の未来を作る」
「自分の方向性を言葉により定める」

という意志の表明です。

■言葉とは、必ずしも

”今”とか”これまで”を
表現するだけのものではありません。

”未来”や”これから”を
形作る設計図のような機能もある。

そうして言葉の力を味方につけ、
自らをドライブしていくことが

「社会構成主義」から考える、
言葉の力を使いこなす秘訣なのであろう、

そのように思います。

私自身、発信を強化していく上で
「なぜ何のためにやるのか?」を考える中で、
改めて大切なことだな、と考え、思った次第です。

言葉って、大事。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

多数に追随するな。自分自身で決断せよ。
そして人々をも納得させ、リードしていきなさい。

マーガレット・サッチャー(イギリスの政治家/1925-2013)

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