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2654号 2021年5月28日

君はデビルズ・アドボケートになれるか

(本日のお話 2256字/読了時間2分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は、終日研修プログラムの作成。
夕方からは、キックボクシングジム。



さて、本日の話です。

現在、キャリア開発研修を仲間と作成しており、
関連して書籍を読み、まとめておりました。


その中に書かれていた内容が
特にチームで何かを進める上で

とても大切なことだよな、と
学びになるお話がありました。


今日はその話について
学びと気づきをご共有させていただきたいと思います。

それでは早速まいりましょう!


タイトルは


【 君はデビルズ・アドボケートになれるか 】


それでは、どうぞ。



■(本当は違う意見だったけど)

「みんなが言うから、
 なんとなくそんな気がしてきた、、、」


という経験、
皆さまにはありますでしょうか?


、、、たぶん、ありますよね?


場の空気、皆の意見で
意思決定がなされる、、、

これは社会的な生き物である
私達にとって、ごく当たり前の現象です。


・自分は本当は「A」と思っていた。

・でも皆が口を揃えて「B」というから、
 あれ、自分が違うのかな?と思い「B」に意見を変えた


これは、『社会的規範への同調』と言われ、

”周囲の多数の人に合わせてしまう
 という心理的作用”

と、言われております。



■さて、先日読んでいた

『キャリアデザインガイド』なる本の中で、

上記の「社会的規範への同調」と
それを打ち破る興味深いエピソードが出てきて

面白いなぁと思いました。


こんなおはなしでした。

※以下、私なりの解釈を加えてお伝えいたします。



■2002年にアメリカ経営学会で
キャリアに関するシンポジウムがあり、

「キャリア論の大御所」たちが
集まったとのこと。


ちなみに「キャリア論」では、

キャリアの成功の定義として
2種類あるとされています。

1つ目が、


・「主観的サクセス」=
 自分なりに「これはよかった」と
 自分のキャリアを自己肯定できること。

 自分のアイデンティティーを追求できている
 自己実現が目指している、自分らしく生きる、など


そして2つ目が

・「客観的サクセス」=
 名声や名誉などの周りからの評価、
 数字で表すことができる年収の面などから見える成功の度合い

です。


主観的サクセス、客観的サクセス、

この2つの成功基準があると言う事は
キャリア論の世界では共通認識。



■2002年のキャリアシンポジウムでは、大御所たちが

「キャリアにおいて何が特に大切なのか」

を発表したり、討議したりしていたそう。

世の流れと同じく、大御所たちの意見も


「自分で自分のキャリアを満足できることが
 何より大事だな」

という話で盛り上がり、
場がしんみりしていたところに、

あえて1人の教授(ニコルソン教授)が
こう言ったそうです。


「いやいや、
 客観的サクセスが大事でしょう」


そして続けます。


「なぜならば、

 ・精神衛生上も、
 ・肉体的な健康状態についても、
 ・寿命の長さや病気にかからない率に関しても、
 
 地位や収入が高い人の方が有利

 という各種データが出ている。

 主観的サクセスが大事と言うけれども、
 客観的サクセスが幸福に関わる諸要素を
 占めていることは間違いない」


、、、と、敢えて空気を揺るがす
真反対の意見をぶち込んだそう。



■想像するからに、
このシンポジウムの場はその瞬間、

空気が揺らぎ、ざわつき、
固まる人、反論する人、

何かしらの動きが出たことは、
間違いないかと思います。



著者の金井教授は、このときの
ニコルソン教授について、彼は


【デビルズ・アドボケートに意図してなった】


といいました。


「デビルズ・アドボケート」とは、
直訳すると、”悪魔のような意見提供者”。

議論を深めたり、きれいごとで終わらせないために、
敢えて極端なことをいったり、皆と反対の立場を示す人です。


(このニコルソン教授、
 めっちゃいい人&人格者で、

 彼の生き様から拝金主義からは
 ほど遠い人であったそうです)
 
 

■あえて、

みんながイイハナシで、
はい、ちゃんちゃん、

、、、とまとまりそうなところに、
尖った意見を投げ込む。


すると、明確に反応ができれば、
話し合われてきた意見の正しさが証明されるし

逆にそこで吃るってしまうようであれば
まだまだ議論の後があったということ。


いずれにせよ、予定調和でない意見は
場にとってとても貴重なものである、ということです。



■別の視点からは、
こんなデータもあります。

「チームコミニケーション」において


”気兼ねなく反対意見を言える雰囲気”は
チームのアウトプットの質の高さと正の関連がある

という研究データです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<反対意見を言える雰囲気のチームはアウトプットの質が高い>


◯「私たちには気兼ねなく反対意見を言い合える雰囲気がある」

 =アウトプットの質 .274(正の関連あり)


◯「私たちは、チーム内で議論し関係が悪くなるくらいなら、
  チームの関係性を重視したい」

 =アウトプットの質 -0.179(関連なし)
 

※中原淳、田中聡(2021).チームワークキング.
 日本能率協会マネジメントセンター p189 より

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


こんな事を見てみると、

普段の会議や議論の場でも、
あえて逆のこと、反対意見を言える

「デビルズ・アドボケート」になれるか。


そういう人がチームに
どれくらいいるだろうか。


こんな視点から
自分やチーム行動を見てみると

ただ合わせる、頷くだけではない、
また別の貢献の仕方があるのだろう、

と思います。


違う視点から、切り込むこと。
違って意見を場に投げ込むこと。
場の空気を変える発言をすること。

「君はデビルズ・アドボケートになれるか」

教授の話から、私はそう
問われているように感じました。


勇気を持って、場に飛び込みたい、
そんなことを思った次第です。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

少なくとも強い友情というのは
ある不信と抵抗から始まるのが自然らしい。

アラン(フランスの哲学者/1868-1951)

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