メールマガジン バックナンバー

2977号 2022年4月16日

「こんなはずじゃなかった」を予測する ~新入社員のリアリティ・ショックあるある3パターン~

(本日のお話 2,568文字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は、新入社員研修の2日目。

またその後、夕方からは
大学院の「マネジリアルコーチング論」の授業でした。

コーチングは実践として行っているものの
アカデミックな視点からその効果を考えることは

これまであまりやってこなかったため、
とても楽しみな授業でございます。

このあたりも、またメルマガで
学びをおすそ分けせていただければと思います。



さて、本日のお話です。

4月は新入社員が入ってくる時期ということで
新入社員、また関わる皆さまに

お役に立てそうな情報についてひとつ、
皆さまにご共有させていただければと思います。

本日の参考書籍は

『組織になじませる力~オンボーディングが新卒・中途の離職を防ぐ』
尾形 真実哉 (著)


から、ご紹介させていただきます。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは

【「こんなはずじゃなかった」を予測する ~新入社員のリアリティ・ショックあるある3パターン~】

それでは、どうぞ。

■「コレジャナイロボ」

という商品が、
一時期話題になったことがあります。

※こんなのです↓↓
https://www.assiston.co.jp/1595

幼い子供が
クリスマスや誕生日にワクワクしながら
プレゼントを開けた瞬間に、

「ほしかったのはこれじゃないー!!」

となった衝撃、きっと記憶にある方も
少なくないのでは、と思います。

■しかし、

親目線で見れば、
一見ツラいこの瞬間にこそ、
学びがある、とも考えることもできます。

その経験から

”何でも欲しい物が
手に入るものではない”

という現実と事実、また

”欲しいものではなかったとしても、
そこから楽しみを見つけるスキル”

を身につけ、
人生で起こる経験を意味づける力、
出来事を再定義する力を得てきた、

とも言える(かも)しれない。

すなわち、

”「これじゃない!」という
期待と現実のギャップから生まれる衝撃”

から得るものは大きいのでは、
というコンセプトから生まれた、

画期的な商品がコレジャナイロボです。

■、、、と前置きが長くなりましたが、

”これじゃない=こんなはずじゃなかった”

という期待と現実のギャップ。

これは、まさにこの4月、
組織への新規参入者(新入社員)に
多分に起こることでもあります。

これを

『リアリティ・ショック』

と呼び、

新入社員が”組織になじむ”、

すなわち組織に適応し1人前になるための、
プロセスとして多くの研究がなされています。

■リアリティショックは

「ショック」というだけあって
新規参入者の離職にも繋がるため、
考える必要がありますが、

一方、乗り越えることで、
(まさにコレジャナイロボの教訓のように)

ポジティブな効果もあることが
わかっています。

例えば、以下のようなものです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<リアリティ・ショックのポジティブな効果>

1)覚醒効果

リアリティショックに直面することで、気づきが生まれる。
学生時代とは違うのだ、と思い、軌道修正が可能になる。

2)学習促進効果

その状況(ショックな状況)が生じた理由や
どうやって乗り越えればよいかを学習させる効果がある。
自己学習で困難を克服することで成長に繋がる。

3)人的ネットワーク広範化効果

一人で乗り越えられない課題に直面するとき
”誰かの力を借りる”ことになる。そのプロセスを通じて、
組織内での人的ネットワークを拡大できる。

4)メンタル効果

苦しい状況を試行錯誤して乗り越えることで、
精神的な強さを乗り越えることができる。

『組織になじませる力ーーオンボーディングが新卒・中途の離職を防ぐ』
尾形 真実哉 (著)  P58-61
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

とのこと。

■ただ、繰り返しますが、

上記はリアリティショックを通じた
「ポジティブな効果」に着目しているわけであって、

適切に対処しないと
望ましくない結果が待っています。

そんな時に、一つ役に立つのは、

「あるあるケースを事前に知っておく」

ことではないかと思います。

”しくじり先生”ではないですが、

こういうことってあるんだな、とか
こういうことってあるもんだよな、

というのがわかっておくだけで、
心の準備ができますし、

それらの痛みが「自分だけじゃない」と
思えることで、気持ちが行くぶんか落ち着く、

という効果もあると思われます。

■では、実際に

”新入社員が直面する、
あるあるリアリティショック”

には、どのようなものがあるのか。

色々あるのですが、
興味深かった3つのパターンを
以下、ご紹介させていただきます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

◯その1)既存型リアリティショック(通常)

:「こんなはずじゃなかった・・・」というシンプルなショック。

”楽観的または、非現実的な期待に対して、
それに対する厳しい現実が待っていた場合に
直面するもの”

を指します。一番よくあるパターンでしょうか。

◯その2)肩透かし

:「あれ、こんなに楽なの?」という肩透かしパターン。

自分自身を鍛えてほしい期待に対して
思ったより厳しくなかった、楽だったということで
成長欲求が満たされずにショックを受けるパターン。

◯その3)専門職型リアリティショック

:「まさか、ここまでとは・・・」という
想像を越える大変さにショックを受けるパターン。

看護職などの専門職で、
体力的にも精神的にも大変な職種において、

”厳しいとは聞いていたし、覚悟していたけれど
ここまで大変だとは思わなかった”

というパターン当てはまります。

『組織になじませる力ーーオンボーディングが新卒・中途の離職を防ぐ』
尾形 真実哉 (著)  P39-42
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

、、、と、

ご紹介させていただきましたが、
いかがでしょうか。

皆さまも、新入社員、または
中途社員として組織に入られたとき、

上記のようなリアリティショックを
感じられた方もいるのではないか、

と思います。

■同時にですが

「上記の3パターンのような
リアリティショックは構造として
誰にでも起こりうる」

そして

「リアリティショックを乗り越えることで
ポジティブな効果もある」

ということを
前提知識として知っておくことだけでも、

”予防薬”として機能することも
多分にあるのではないか、

と思います。

■新しい季節。

これから配属もあり
様々な場所で今年もまた多くの

コレジャナイロボならぬ
「こんなはずじゃなかった」が
生まれるのだろうと思います。

それが良い経験になることを願いつつ、
上記情報が参考になれば幸いです。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

==========================
<本日の名言>

「否定と出会う」ことが出発点である。

ジークムント・フロイト(オーストリアの精神分析学者/1856-1939)

==========================

365日日刊。学びと挑戦をするみなさまに、背中を押すメルマガお届け中。

  • 人材育成に関する情報
  • 参考になる本のご紹介
  • 人事交流会などのイベント案内

メルマガを登録する

キーワードから探す
カテゴリーから探す
配信月から探す